見出し画像

ヨーダの物語 75

【前回までのあらすじ】
 少年ヨーダはジェダイ・アカデミーに通うジェダイ・イニシエイト。
 親友ギークは、元シス・ツキシマとの戦いで顔に傷を負い、さらに謎の老人レイゴウと戦うが完敗する。そしてレイゴウのもとで修行をし、ダークサイドに堕ちてしまう。そしてジェダイ・マスターふたりを殺し、ヨーダにも圧倒的に勝つ。
 ヨーダは、師匠となるグラドゥの住む星へ到着し、賞金稼ぎ集団(傭兵)に襲われるが、反撃を開始した!


 後方からライフルブラスターの乱射があったが、ヨーダはだんだんとよけるコツをつかんでいった。傭兵のスピーダーも最高速度に上げられ、ヨーダのスピーダーに少しずつ追いついてきた。そしてヨーダの後方の直線上に来た瞬間、ヨーダはスピーダーを急ブレーキし、自身は上に高く飛んだ。
 傭兵は突然飛んだヨーダを見上げて、目をヨーダの乗っていたスピーダーに戻したときにはもう遅かった。 2台のスピーダーは衝突し、爆発して傭兵ふたりは地面に落ちていった。
 ヨーダは枝に捕まり、大木を伝って降りていったが、別の傭兵たちに見つかってしまい、大木ごとライフルブラスターの乱射を浴びることになった。傭兵はここぞとばかりに大砲を取り出し、肩に乗せてヨーダの隠れる大木に向けて発射した。大木ごとヨーダを殺そうというらしい。大木は爆発して折れ、ゆっくりと倒れていった。傭兵のスピーダーに倒れた木が迫ってきたので、傭兵がよけると、煙の中からヨーダが飛んできて叫んだ。
 「よくもグラドゥの大切な森を傷つけたな!」
 ヨーダはスピーダーに飛び乗ると、杖でふたりの頭を殴って落とした。
 
 ヨーダはまたもや空になったスピーダーを奪うと、遠くから向かってくるスピーダーに低空で一直線に加速した。
 残るスピーダーは1台、傭兵はふたり。ライフルブラスターを乱射しながら向かってくる。ヨーダはそれらをよけ、相手のスピーダーに突進した。相手も覚悟を決め、そのまま進めば正面衝突は避けられない勢いだった。しかし、お互いギリギリかすめてよけ、ヨーダはスピーダーから飛び降りて地面を転がった。それまで肩にかけていた蔦の紐はなく、杖も手にしていなかった。あらかじめ紐を自分の乗るスピーダーにくくりつけ、もう一端は杖を結びつけ、すれ違う瞬間相手のスピーダーに投げて引っ掛けていた。乗り捨てたスピーダーの紐が木にあたって巻きつき、スピーダーはぐるぐる回った。それによって傭兵のスピーダーは引っ張られ、弧を描いて大木に巻きつき、ついに大木に衝突して爆発した。
 
 地面に転がったヨーダはやっと起き上がると、傭兵のスピーダーへヨロヨロと歩いた。体じゅう傷だらけになり、額から血がにじんでいた。グラドゥから借りた杖は燃えてしまったかと心配だったが、運良く燃えておらず、紐に結ばれたまま枝にひっかかっていた。ヨーダはその杖をついてなんとか歩き、大木の根っこの中に置いた山菜のカゴを背負い、森をやっとのことで出てグラドゥの元に向かった。体と杖は、鉛のように重く感じた。
 森を出るとすぐにQQ11が駆けよってきた。
 「心配したかい?QQ11」
 小さい相棒は目をパチパチさせた。
 グラドゥは小さい岩に腰かけていた。

 (ヨーダの物語 76につづく)