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「ひたすら面白い映画に会いたくて」15本目『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』

 『ファンタスティック・ビースト』シリーズ2作目です。本作からようやく物語が動き始めます。『ハリーポッター』の世界とも徐々にリンクし始め、シリーズ通しての面白さが際立つ展開でした。これは観ていてほんとに楽しいですよね。

   そして、ジョニー・デップ演じる本シリーズの黒幕グリンデルバルドは、ヴォルデモート卿と比べても桁違いなほど恐ろしい人物だったのではないでしょうか。それでは、『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』をどうぞお楽しみ下さい。

15本目:『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(2018)

脚本:J・K・ローリング / 監督:デヴィッド・イェーツ

   「ジョニー・デップは悪役がお好き?」

 本作は前作から3ヶ月後の物語。その舞台は、フランスのパリである。

 前作でニュート(エディ・レッドメイン)とマクーザ(アメリカ合衆国魔法議会)によって捕らえられた闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルド(ジョニー・デップ)は、アメリカからヨーロッパへの護送中に逃亡を図る。

   そして逃亡後、グリンデルバルドは自らの支持者集めを始める。しかし支持者の大半は、彼の本当の野望を知らない。彼の醸し出す圧倒的なカリスマ性や弁舌にすっかりと魅せられてしまったのであろう。彼の本当の野望は、純血の魔法使いを育成し、ノー・マジを支配することだとも知らずに。

 このグリンデルバルドの野望を阻止するべく、アルバス・ダンブルドア(ジュード・ロウ)はかつての教え子であるニュートに協力を乞う。諸事情のため、ダンブルドアが、このグリンデルバルドの事件に直接関わることができなかったのである。

 グリンデルバルドの狡猾でカリスマ性のある弁舌により、次第に分裂を深めていく魔法界。親しい家族や友人の間にも亀裂が生じてしまう。そうした中、最終的にニュートたちが下した決断とは。

 本作も魔法動物が物語の重要な役割を果たしていた。これは、『ファンタスティック・ビースト』シリーズの大きな特徴と言ってよいだろう。本作では、前作からお馴染みのニフラーや、ボウトラックルだけでなく、新たな魔法動物もたくさん登場していた。

 その中でも私が1番記憶に残っている魔法動物は、日本の妖怪だと思われるカッパである。カッパが登場した場面では思わず吹いてしまった。魔法動物って何でもありだなと思った瞬間である。次回はどんな生物が出てくるのだろうか。それも楽しみの一つである。

   また、ジョニー・デップの演技は想像以上に素晴らしかった。彼が演じる悪役は、主役を食ってしまうのではないかと不安になるぐらい華があるのである。登場人物の中でも1番輝いていたように思う。ジョニー・デップは、悪役が本当によく似合う人であるなあと本作を観てつくづく思ったな。

 『ハリーポッター』シリーズに登場する悪役ヴォルデモートと本作に登場する悪役グリンデルバルドはまるでタイプが違う。

 このことは、監督のデヴィッド・イェーツも次のように語っている。「ヴォルデモートが荒っぽいギャングなら、グリンデルバルドはスマートな詐欺師」だと。要するに、ヴォルデモートよりもタチの悪い奴が本作のグリンデルバルドなのである。こんな相手を敵に回してしまって大丈夫かと観ていて思ってしまったほどだ。これから一体どんな戦いが繰り広げられるのか。今後の展開が大いに楽しみである。

私の好きな場面

 今回私の好きな場面は、2つある。

 1つめは、グリンデルバルドをヨーロッパに護送している際に起きた、空中戦の場面である。そして2つめは、ダンブルドアがホグワーツで生徒たちに闇の魔術に対する防衛術を教えている場面である。

 前者では、この場面の映像の凄さにまず驚いた。この場面、まるでジェットコースターに乗っているかのような映像の連続なのである。USJのハリーポッターライドに乗っていた感覚を思い出した人も多いのではないか。

 どうやってあんな映像を撮ったのだろうか。凄すぎる。この場面が冒頭にあったおかげで、一気に物語へと引き込まれていった。何が起こっているのか、目では追いきれないほど同時に、色々な場所で魔法アクションが繰り広げられ圧倒されっ放しであった。

   後者では、懐かしのホグワーツでの授業風景を再現されていたことにも胸が踊ったが、何よりもダンブルドアが先生をしていた頃を観ることができて、「ああ、ダンブルドアにもこんな時代もあったのだな」と改めて感じた。

 同時に、何だかとても新鮮な光景を見ることができたという嬉しさも込み上げてきた。この頃からもう既に生徒から大人気の先生だったなんて、ずっと人気者じゃないか。すごいな、ダンブルドア。グリフィンドールの制服やスリザリンの制服などをもう一度スクリーン上で観ることが出来るなんて思っていなかったので、非常に嬉しいサービス場面であった。

 ホグワーツの場面を観てしまうと、『ハリーポッター』シリーズをまた1から全部観たくなってしまうんだよなあ。

おわりに

 ジュード・ロウ演じるアルバス・ダンブルドアも、前作のイメージを壊すことなく素晴らしい演技を見せてくれた。かなり重圧があったと思うのに大したものである。若い頃のダンブルドアも彼のおかげで好きになれそうだ。ジュード・ロウとジョニー・デップによる2人の対決を早く観たいものだ。次回作も本当に楽しみである。『ハリーポッター』シリーズを観返しておかなきゃ。

参考文献

・編集:松竹株式会社 事業部・森岡裕子 (2018)『FANTASTIC BEASTS : THE CRIMES OF GRINDELWALD』松竹株式会社 事業部

予告編

↓映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』の予告編です↓

(出典 : 【YouTube】ワーナーブラザース公式チャンネル「映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』本予告【HD】2018年11月23日(金・祝)公開」)

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