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ひたすら面白い映画に会いたくて〜34本目『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』〜

 有名アクション映画へのオマージュと伏線の数々が飛び交いまくり、観る者のテンションのリミッターが外されてしまう。これは本作で繰り広げられる銃撃戦を観てもらえればきっとわかってもらえるはずだ。作り手の映画愛がひしひしと伝わってくる素晴らしい映画であった。

 『ショーン・オブ・ザ・デッド』に続くエドガー・ライト×サイモン・ペッグ×ニック・フロストによるコルネット3部作の2作目が本作である。ジャンルは、ブラックコメディ×アクション&サスペンスと何でもあり。だが、これがめちゃくちゃ面白いのだ。鑑賞後の爽快感は計り知れない。

34本目:『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』

『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(2007)

脚本:エドガー・ライト、サイモン・ペッグ / 監督:エドガー・ライト

    「やり残したアクションはもうないか?」

物語のあらすじ

 ロンドン首都警察勤務のニコラス・エンジェル(サイモン・ペッグ)は、あまりにも有能すぎて、同僚だけでなく上司からも煙たがられていた。そんな彼はある日なんとサンドフォードという田舎へ左遷されてしまう。

 サンドフォードは、「ビレッジ・オブ・ザ・イヤー」を過去何度も受賞しているほど、統計的に国内で最も治安がいいと言われている平和な村。この村では、近隣監視同盟(NWA)という軍隊並みのネットワークで村人たちを監視しているのだ。この平和な村でニコラスはロンドンで起こるような事件とは無縁の退屈な日々を過ごしていた。

 しかし、ある不自然な事故を契機に、ニコラスはこの村に対する違和感を少しずつ覚え始める。その日を境に毎日死人が出る事故が起こるのである。ニコラスは頻繁に起こるこれらの事故を不審に思い、この村を詳しく調べることにしたのだが‥。そこで驚くべき事実が明らかになった。そして全てを知ってしまったニコラスがとった行動とは。。。

 この映画は、こういったサスペンス映画の一面も兼ね備えたアクションコメディ映画である。

本作の魅力

 この映画では、有名アクション映画へのオマージュがかなり飛び交うので作り手の映画愛がヒシヒシと伝わってくる。また、編集が素晴らしくて場面転換がいちいちカッコ良すぎるところも見所である。この編集のおかげで、テンポが良くなり、全く物語に飽きることなく集中して観ることができるのだ。そして当然ながら劇中で使用される音楽がどれも素晴らしい。この辺りはさすがエドガー・ライト監督である。

 前作の『ショーン・オブ・ザ・デッド』に引き続きグロいシーンがあるのは相変わらずなので、そういったシーンが苦手な人はちょっと注意が必要だ。

 そしてこの映画を観終わったら、きっと『BAD BOYS 2』を観たくなってしまうことだろう。どこがオマージュで使用されていたのかということを見つけながら観る楽しみが新たに増えて単純に嬉しい。

私の1番好きな場面

 私の1番好きな場面はもちろん、ニコラス&ダニーvs NWAの繰り広げる銃撃戦である。ここだけは何度も繰り返し観たくなってしまうほどワクワクする。観客のテンションが最大級に舞い上がる屈指の名場面であろう。

 エドガー・ライト×サイモン・ペッグ×ニック・フロストによる「俺たちのやりたいことを全部やってやったぜ、イェーイ」といった清々しさが自然と伝わってくるので、観ている方も超スッキリするのである。

 物語の前半でふりかけた伏線の数々を一気に回収していく感じもたまらなく気持ちがいい。この監督どれだけ伏線回収させるのが上手いんだと唸ってしまう。「そうか。私はこの場面を最大限エキサイトするために今までこの映画を真剣に観てきたのだな」と思ってしまうほどの怒涛の展開には、観る人のテンションが驚くほど上がってしまうはずだ。本当に楽しかった。この場面を仲の良い友達と酒を酌み交わしながら、大盛り上がりで観たいものだ。

最後に

 アクション映画は好きだがこの作品はまだ観ていないよ、という人には是非ともおすすめしたい作品である。素直に観て欲しい。そして一緒にこの映画についてたっぷりと語り合いたい。

 エドガー・ライト×サイモン・ペッグ×ニック・フロストの組み合わせは最高だ。3人のマニアックすぎる映画愛がたっぷりと作品の中に散りばめられており、オマージュやパロディを見つけていくのが楽しくてしょうがない。コルネット3部作のラスト『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』もこの勢いで観てしまおうか。

予告編

↓映画『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』の予告編です↓

(出典 : 【YouTube】Movieclips 「Hot Fuzz Official Trailer #1 - (2007) HD」)

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