2度目の読書会に向けて再読をしている「行人」

夏目漱石の「行人」は3年前に東京で読書会をしたことがあります。なのでもちろん話自体は知っているのだけど、読むたびに「この人たち、こんな関係性だったっけ」「この人、こんなこと言う人(する人)だったっけ」という発見があるのはわたしが変化をしているからで、かつてはあまり重要ではないと思って忘れたところがいまのわたしにとっては重要に感じているという変化を知ることができます。


以前はちょっと怠慢すぎやしないかと思っていた人物に対しても、自分でハートに燃料をくべられなくなってこうなる感じ、わかるな…などと思うようになっているし、別の欲深さも見えるようになっていて驚きます。
そして複数の登場人物に対して、感情移入をするよりも近所に住んでいる見合い婆のようなスタンスで「なるほどこういう人にはこういう人が合いそうだ」などとマッチング・アプリのアルゴリズムを組み立てている自分にも驚きます。わたし自身これまで私生活でマッチング・アプリとして機能したことがあり(4組が結婚)、たまにこういう感覚が発動します。もしかしたら読書中もこうやってデータを貯めているのか…。

この小説は "愛すべき・めんどうな人" がたくさん出てきておもしろいです。愛されたがっている人ばかり。

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