脳内の言い訳とひとり部屋の中で爆発する様子があまりにもリアルだった「勝手にふるえてろ」(映画)

原作がそもそもそうとうヤバく、これをどうやって映像化するのだ…と思っていた映画「勝手にふるえてろ」を観た。
こうきたか、こうくるか。すごいな…、そうなのだ! 外見上全く問題なく平均的にほどほど上品に節度をもって過ごしている人だって、頭の中はこんなふうにスラングが炸裂するのだ。そして聖域に踏み込まれれば、爆発する。ひとりで。そう、ひとりで。

出てくる人全員がまったく偽善者じゃないのがいい。心の中に悪を抱えて包んで、外に出さないように努力している。わたしだけはちがいますよオホホという人がいない。聖人じゃないなり生きてる。堅実でなにも主張のなさそうなOLが脳内でFワードを炸裂させている。これは圧倒的な現実。

原作よりも「二」のビジュアルがよい。これはやや問題。原作はビジュアルや態度への嫌悪感の描きっぷりがたいへんなことになっている。映画では原作にないエピソードで嫌悪感を強調しているのだけど、やっぱり見た目で許せてしまう。途中までうーんこれでは…、と思っていたのだけれど、終盤の圧倒的なセリフでいっきに帳尻合わせをされた。こりゃすごい。終盤のセリフは書き起こしておいたほうがよかったかもしれない。これはすごい説法!

おまえの倫理観はどうなっているのだとわたしは自分に問わなければならないと思う瞬間がいまでもたまにあるから、最後はヨシカと一緒に怒りながら反省した。猛反省!

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