アラフォー人生相談

あと数ヶ月で誕生日だ。

人生の折り返し地点に来ている。

昔ならいいかげん大人だ。

でも私はまだ大人になりきれていない。

いつも人生の進路を悩んでいる。

これは学生の頃きちんと考えなかったツケだ。

仕事や男もなんとなく選んできた。

どう生きたいか、どうなりたいか。

まだそんな事も決められず、毎日を生きている。

結婚、出産という人生のイベントを経てさらにわからなくなる。

大事な物が見えていないのかわからないのかそれすらわからない。

一昨年、母が亡くなった。

心の頼りであり支えだった。

どれだけしんどくても母に話せば気がラクになり、またがんばろうと前向きな気持ちになれた。

母がいない。

葬儀を終えても受け止めきれなかった。

親戚や家族の手前、しっかりした姿でいたかった。

弱る父を支えたい。

私がしっかりしなければ!と母の死を悲しむ事を後回しにした。

悲しんでいる暇がなかった。

私にはまだ小さい子供がいるので葬儀が終わり次第、自宅に戻った。

そこから実家にいる姉からの鬼のような連絡が毎日のように来るようになった。

「お父さんとうまくやっていけない。面倒みたくない」

正直参った。私は実家と遠く離れた土地に住んでいる。実家に通う事は無理だ。近くに住む姉に頼るしかない。

なだめすかし、グチに相槌を打ちながら電話こしに頭を下げた。

父と姉は昔から仲が悪い。どちらも偏屈で頑固だ。そしてお互い譲らない。

その2人が力を合わせて生活などできないのは想像できた。

そんなやきもきしても時間は過ぎる。私は日常に戻り、平静を取り戻すのに必死だった。

一本の電話が入った。

「お父さん、事故した」

全身の力が抜け、血が引くのを感じた。

「え?」

姉からの電話だった。

不機嫌そうに

「だから!自損事故!車廃車よ!お父さんは病院!」

端的すぎる。

「無事なの?」

聞いた。

「は?生きてるよ」

まず、そこを先に伝えてほしい。わざわざ不安を煽る言い方にうんざりした。

「あんた、帰ってきなさいよ」

上からえらそうに命令すり口ぶりにカチンときた。

いくら姉妹でもお互いいい大人だ。家庭の事情もあるし、すぐには動けない。いつまでも子供でいつまでも姉として私に指図してくる。

曖昧に返し電話を切り、すぐ父に連絡した。予想通り落ち込んでいた。

「とにかく無事でよかった」

「心配かけてごめん、ありがとう」

父の声がとても弱く遠くに聞こえた。

私はあと何回、父の顔が見れるのだろう。

思い出すのは若くて元気だった父だ。

口うるさい事は言わず、いつも働いていた。

母が亡くなってから喪失感に襲われているのは父だ。

誰かがこの世からいなくなるのはとても悲しい。

受け止めようと覚悟するたび、心が痛くなる。

母との思い出ばかりだ。子育てをしているとなおさら思い出す。

子供に何か伝える時、子供から愛情をもらう時、いつも母の顔が浮かぶ。

自立ってなんだろうか?

親離れ、子離れってなんだろうか?

血をつなげていくのはどういうことなのか?

わからないまま、今日も力いっぱい夕飯を作るんだよ。

これから先も悩みながら立ち止まりながら生きていくんだ。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?