ヒッチハイクの旅 3 日目。
( 2 日目の話はこちら)

スーパー銭湯で目が覚める。
ぴちぴちで元気いっぱいのおばちゃんたちと談笑。
私も長生きしてこんな風にぴちぴちし続けたいと思った。

焼津の朝は気持ちが良い快晴だった。
うーん！
海の匂いがする。
今日はどんな出会いがあるかなぁと、わくわくしながら、コンビニでもらってきたばかりのダンボールに、
名古屋行き！プリーズ！とカラフルに描きなぐった。
私の必須アイテムだ。

焼津の町を歩きながら、
カッコイイスポーツカーなんかに乗れちゃったりしないかなぁ。
と、ふと考えた。
妄想は膨らむ。

名古屋の方角に伸びている道にお手製のダンボール看板をかかげて立つと、
10分もせずに、クラッシックな乗用車が停まってくれた。
ビシッとしたスーツ姿の 70代くらいの優しそうなおじいさんが運転していた。

聞くと、おじいさんは、これから浜松に向かうらしい。
同窓会に出席するらしい。
浜松までで良いかい？
もちろんですー！ありがとうございます！と笑顔で乗り込んだ。

おじさんは確か、運送会社の社長さんだった。
名刺を頂く。

ちょっとスーパーに寄るがいいかい？お土産を買うんじゃ。と、
大型スーパーに寄ったおじいさん。
私は買い物かごを持ち、何を買うんだろう？とおじいさんについていく。
生鮮食品コーナーで、おじいさんは焼津特産の黒はんぺんを手に取った。

そして私が持つかごにどんどん入れる。
1パックの中に黒はんぺんが 5～6 枚入りのやつを、
20パック以上購入！
買い物かごは黒はんぺんオンリーだ。
これがあの大人買いか。と思っていたら、
浜松の高速道路のサービスエリアで私を降ろしてくれたときに、
ほれ、あんたも持っていきなさい。焼津の黒はんぺんはうまいよ。
と、私に5パックもくれた！！！！
1パックならわかるけど、ご、五パック・・・
食べきれない。

おじいさんは名古屋に行くなら、そのまま高速にいた方がいいじゃろと、途中の遠州豊田PAでおろしてくれた。
親切なおじいさんだったから、何だかお別れするのがさみしい。
ヒッチハイクの旅は出会いと別れが短いスパンで来るなぁ。
まさにこれが一期一会か。

遠州豊田のサービスエリアで、再び名古屋方面プリーズの看板を掲げて突っ立っていた。
あとでわかったことなんだけど、このパーキングエリアは名古屋行きの人は寄らないらしい。
10分くらい待っててもニアミスばかりだった。
あれ？これはパーキングエリアでお泊りコース？
一瞬ひやりとする。

すると、名古屋までは行けないけど途中まででも良い？と私の目の前にカッコイイ車が停まった。
わお。
あれ、これは今朝妄想した、憧れのスポーツカーでござる！！！！

このカッコイイ車を運転していたのは、
サングラスが似合う40代くらいのイケメン紳士。
東京から浜松へとドライブの途中だったようだ。
浜松まででもいいのでよろしくお願いします！と拾ってもらった。

イケメン紳士さまには、途中のサービスエリアでお昼ご飯までご馳走になってしまった。
最初目に入ったときは、私のことを野菜の行商のおばあさんかと思ったよ。と笑って言う。
まあ大きいリュックを背負ってるからね。
それにしてもまだ20代なのに、お婆さんだなんて・・・がーん。
こんな芋っぽい女を拾ってくれて、餌までくれるのだから文句は言えない。

というか、人生初めてのオープンカーですわよ。わたくし。

こんなマンガみたいなシチュエーションが私にも訪れようとは！！！
神様っているんだなー。
イケメン紳士さまに胸キュンしながら、ドライブを楽しんだ。

イケメン紳士さまのドライブ、本当は浜松までの予定だったのに、結局名古屋まで送ってくれた。(号泣)
ありがたすぎて頭が上がらない。
しかも帰り路にスピード出しすぎてキップを切られちゃったとあとで聞いた。
そのあと予定があっただろうに、貴重な休みの時間を割いて、名古屋まで送ってくれて、本当に感謝しかない。
そして本当に目が♡になるしかない。

一度車に乗せてしまうと、ついつい情が湧いちゃうから、気になっちゃうんだよと。
なんて優しいんだ。(号泣)
もう目が♡になるしかない。(2回も言ってすみません)

さらにイケメン紳士さまは、旅が終わって東京に帰った私に連絡をくれて、
またご飯をごちそうしてくれた。
本当は私の方がお礼をするべきだったのに。
私もこんなカッコイイ大人になりたいYO！

何これ？今日は、神様からのプレゼントじゃん。とテンションは上がりっぱなしだ。
名古屋のオシャレカフェで定時報告をしつつ一日を振り返る。

今夜は名古屋駅近くのゲストハウスに泊まる。

明日は大学の研究室時代の友人とランチをしてから、
大垣に住んでいる友達に会いに行く～。

今のところ絶好調！

つづく