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OLA革命-自分度の広げ方 13「微分と積分」

 今日から4回は、建築家 伴年晶氏と共に数々の設計を行っている建築家 大矢和男氏を迎えてお送りします。OLA革命というテーマで、自分度(自身で行える領域の度合い)を少しでも広げていくことが、自治の獲得につながっていくという伴氏のテーマ。それに対して、同じ建築家の大矢氏はどのように捉えているのかを追いかけることで、より立体的に伴氏の思考を体感できればと思います。
 この2人の会話で、よく出てくる言葉が【微分と積分】です。2人は独特の使い方をしているので、この第1回はその定義について。

大矢氏

 微分とは、(本質を捉えて)単純化すること。積分とは(みんなにわかりやすく)社会化すること微分することで本質を捉えて根本からの提案し、建築として多くの喜びや幸せが与えられるように具体化・社会化している。

伴氏

 微分とは、より抽象化して本質を捉えること。2つ経験すると、それから見出される本質的なルールを把握することができ、そこから無数に湧いてくる源泉となる=微分。積分は、微分の中から生まれるひとつの答えであり、個々の建築設計は積分そのもの。
 微分は、最小の法則=最も少ない材料で最も効果のある結果を得られるための哲学。

 結論的には、内容の本質に迫る抽象化を、この2人は【微分する】という単語で表現しています。建築家という職能は、モノに形を与えるという無から有を生むことを仕事としており、その際に、そのモノに必要なことの本質に迫ることが、建築的アプローチと考えています。

ちなみに数学的には・・・。

微分とは
 「微分は、(特に微分積分学分野)の基本的な道具である。例えば、動く物体の位置の時間に関する導函数は、その物体の速度であり、これは時間が進んだとき、その物体の位置がどれほど早く変わるかを測る。
 一変数函数の、適当に選んだ入力値における微分係数は、その点における函数のグラフの接線の傾きである。これは、導函数が、その入力値の近くで、その函数の最適線型近似を記述するものであることを意味する。そのような理由で、微分係数は、しばしば「瞬間の変化率」として記述される。瞬間の変化率は、独立変数に依存する従属変数である」(ウィキペディアより引用)

積分するとは
 積分は、「分けたものを積んで集めて考える」ことで、ある一瞬の変化をあわせて、全体の量をとらえるための方法」です。 つまり、微分とは反対の意味を持つ考え方といえます。

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