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堀内たかおの府議会ウォッチ 20「市民サービスが抜け落ちた再開発」

疑問の多い枚方市駅前の再開発

 現在、京阪電車枚方市駅近くにある市役所が、1kmほど遠くに移転し、市有地が売却され、マンションなどが立つという再開発計画がある。枚方市駅前の再開発が、土地売却のために枚方市民が非常に不便になるという構図となっている。
 今、枚方市駅から近くに市役所があるにもかかわらず、駅から15分くらいのところにある、使わなくなった大阪府の施設の土地と交換するという話でした。
 本来、枚方市が駅前に持っている広い土地があり、今も市役所や市の施設がある。駅から15分くらい離れたところにある北河内府民センターの場所に市役所が移転して、府の土地を枚方市駅前に持ってくると。しかも、大半の市有地が売却されて、下層に商業施設が入って、高層階が住居になるという、バブル期の再開発を見るような計画となっている。 住民の方からも反対運動が起こっていて、説明会も行われたが、現在止まっている。なぜ止まっているんだ、ということで、維新の鈴木議員が府議会で職員を攻め立てていました。
 明らかに市民にとっては、市役所に行くために、駅前から15分歩かなければいけなくなる。本来の市有地が売却されて、タワーマンションが建つ。土地ころがしを、大阪府と枚方市が一体となってやっているような構図にしか見えない。

市民に開かれた空間を売り渡す愚行

 例えば、明石市の前市長の泉房穂さんは、駅前を市民サービスに準じた施設づくりを行っていて、泉さんが聞いたら「バカモーン」とか言いそうな話ですね。
 市民に開かれた場所が駅前の一等地にあるにもかかわらず、市民に閉じられた高層マンションを立てようという、まったく逆の発想ですね。
 一度明石市を見に行ったが、駅から何分か歩いたところに市役所もあるし、これまでの2倍の蔵書のある図書館もあり、一般の大型書店もある。市民がいつ行ってもいい巨大な空間があり、ベンチがあり、市民がおしゃべりできる空間がある。音楽の練習ができる無料のスタジオや、乳幼児も遊べるような無料の遊び場もある。高齢者も若い人も行けて、しかも、お金が無くても使えるという場所を確保している。結果、人の賑わいが以前よりも数段多くなり、駅前商店街は活気を呈し、地価は2倍になっている。本当に将来的に渡って、市民に喜ばれる空間や機能が求められているのです。
 市に土地がないわけではない、何のための再開発なのか。住居や商業施設が入ることによって、税収が増えるということを言っておられるのかもしれないが、それは目先の金でしかない。
 それよりも、枚方市民のために使う空間として考える方が、タワーマンションの住民税をとるよりもずっと価値があるんじゃないでしょうか。
 駅前をタワーマンションにしなくても、駅前に市民が集まってくる場所をつくり、そのまわりに商業施設をつくれば、それはそれで潤うわけです。まちづくりが目的ではなく、土地売却が目的のようにしか見えない。

府議会の存在意義とは何か

 今後、北河内府民センターの土地をを駅前に移す、移転のための位置条例が提案されるようで、この条例が可決すれば、再開発の計画そのものが進むというところまで来ているらしい。
 なぜ、府がわざわざ、枚方市民のためにならないことに手を貸すのか。「市民のための」という視点が全く抜け落ちた、枚方駅前再開発計画。
 府議会で、こういう議論がされることに違和感を覚えると共に、誰のための議論をしているのか、。自分たちの利権が絡んでいるような、不自然な議論がされていることに違和感を覚える。
 市民にとって一番身近な「市」がないがしろにされて、中間団体である府が、市の開発事業に口をはさんでくる。
 こうした府議会の実態を問題提起しておきたい。

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