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「うえまち」大阪考 07「楽しくネットワークを広げる」

ネットワークが必要なのは高齢者も同じ

 高齢者にとって非常に重要なのが、終の棲家(ついのすみか)です。男性の健康寿命にほとんど近づいている私ですが、とりあえず、食べたい物を食べ、行きたいところに行き、という暮らしを平々凡々と続けていくことに、大きな価値があると思っています。
 前回、次世代に新たなネットワークが必要、という話をしましたが、高齢者も短い残りの人生に対して、居場所というか、ネットワークが必要です。

来期のうえまち

 継続は力なりと言いますが、大阪歴史博物館とNPOまちすまいづくりに加え、日本の凧の会大阪支部の3者協働で和凧を作り、難波宮で凧揚げをするというイベントを、10年以上行ってきました。来年も1月27日に開催予定です。
 浪花名所図会に、大坂の正月の風物詩として、「馬場(ばんば)の凧揚げ」というものがあります。武士の馬術の稽古する馬場を、年に一度、町人に対して正月に開放し、そこで凧揚げをしていたという記録が残っています。
 江戸時代には当然グラウンドもなく、広場もないわけですから、そういう意味では、年に一度、馬場を公開してもらえるのは、非常に楽しいイベントなのであったであろうと想像できます。

 またucoでも特集してもらいましたが、下寺町の淨國寺に祀られている、夕霧太夫行列を支援するプロジェクトに参加しています。 寺院というのは、町の中心とは言いませんが、寺子屋に代表されるように、「文字を教える」ということを通じて、単に文字だけではなく、子どもの躾(しつけ)までをみていたんですね。だから、ペリーが日本に来た際、日本人の識字率の高さに驚いたという記録があるように、国際的にみても、当時の日本はとんでもない国だったんだと思います。

やりたいことを楽しく

 基本は、自分自身のやりたいことをやっていくこと。それを信条としつつ、楽しくネットワークを広げていきたいと考えています。 web版うえまちの話に戻りますが、歴史的な考証が必要な原稿については、館長はじめ、多くの学芸員の方々に無償でみていただいています。これまでの実績に関しては、密かに自慢していることでもあります。多くの方々に支えられつつ、大阪の「うえまち」の文化発信を続けていきたいと考えています。

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