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仕事がつらいと考えているあなたへ

こんにちは。ようた@英語コーチ&フィンテック(Fintech)アドバイザー& FP (Financial Planner)です。日本の春は、いろいろな決断をしたり、決断を迫られる季節です。4月から新たに社会人として「仕事をする」という世界に飛び込んだ方、出会いと別れの季節に「転職をする」をするという決断をされた方、もしくは長年勤めた会社を「辞める」という決断をされたかもいらっしゃるかもしれません。前向きに「起業するぞ」という方も、「家族との時間を大切にする」と考えられている方もいるかもしません。このブログでは、そんなお仕事をしている方のうち、「今の仕事はつらい」と感じている方(特に若い方)に、大学を卒業して「仕事を始めて(働くことを始めて)」20数年がたったおじさんからのメッセージです。

この世界は残酷だ…そして…とても美しい

「進撃の巨人」(諫山創/著)というマンガに出てくセリフの一つです。マンガの内容の説明はここでは省きますが、このセリフは、この世の中の真理(誰がなんと言おうとみんなが納得すること)をとても端的に表しているのではないかと思います。この世の中は、いろいろな要素がものすごく!複雑に絡み合って、成り立っています。この絡み合った要素を正確に理解したり、ひもとく(解決しようとする)ことは基本的にはできないと思っています。複雑なものは複雑とまず理解してあげることが大事です。複雑だからこそ、辛く感じたり、残酷なことがある、「そして(同時に)」嬉しいこと、楽しいこと、幸せだと感じることがあるのだと思います。「仕事がつらい」、「逃げ出したい」といま思われている方にとっては「残酷な世界」のイメージしか思いつかないかもしれません。でも、全ての人は「残酷な世界」と「美しい世界」の間を、「頭の中で旅行している」しているのではないでしょうか?「美しい世界」についても少し想像を広げてみましょう。

「私にとっての美しい世界」

皆さんにとっての美しい世界ってどんな世界でしょうか?どんな時に、「楽しい」、「嬉しい」、「幸せ」って感じますか?好きな人と両想いになれたとき、家族といるとき、子供の寝顔を見ているとき、友達とバカみたいに笑っているとき、親に褒められたとき、お金をたくさん稼いだ時、いろいろあるとおもいます。私はこの「私にとっての美しい世界」の軸をしっかりと考えることが大事だと考えています。大学を卒業して20数年たって、ようやくこの考え方の大事さがわかってきました。

What Matters Most To You, And Why?

「あなたにとって最も大事なことなんですか?その理由はなんですか?」

アメリカのMBA(経営大学院)の入試の小論文試験では、多くの場合このような問題が出題されます。MBAといえば経営(ファイナンス、会計、リーダーシップなど)を学ぶところです。それなのになぜこのような質問が「入試問題」として出題されるのでしょうか?私はそれは、自分の「美しい世界」について向き合っている人に、ビジネス世界(ビジネスに限らないかもしれません)におけるリーダーになってほしいから(向き合っている人だからこそリーダーになれるの)だと思うのです。世の中は複雑です。だからこそ、「私にとっての美しい世界」をしっかり考える必要があります。なにが譲れないポイントなのか、美しい世界に必要な要素なのかをしっかり考えて、複雑でひもとくことが不可能な世界において、自分の進むべき道(自分が選べる道)についてはぶれなくする必要があるのだと思います。

この小論文への答えを的確にすぐにまとめることは簡単ではありません。もしかしたら人生はこの問題への答えを見つける旅なのかもしれないとも思います。若い時に大事だったことは歳をとったら変わるかもしれません。変わらないかもしれません。未来の自分がどうなっているのかを知ることはできません。でも、(今考える)「私にとっての美しい世界」を想像してみる(考える)ことで自分の中の軸を強くしていくことはできると思うのです。

(完全な答えなんてないですし、私やあなたの先輩、上司を含む「ほとんどの大人」も完璧な答えなんて持っていないですよ。)

仕事がつらいって感じるのは自分のせい?

仕事がつらいと感じる要因は大きく分けると以下のような要素に大別できるのではないかと思います。

  1. 人間関係がつらい

  2. 体力的につらい

  3. 適切な評価(金銭的な報酬を含む)をされていないことがつらい

私は、プロ野球のオリックスというチームのファンなのですが、このチーム2021年に1996年以来25年ぶりに優勝しました。25年間も優勝できなかった要因は一つではないと思いますが、私は大きな要因はリーダー(監督)にあったのかなと思います。というのも2021年に活躍した選手というのは2020年以前からいた選手が大半だったからです。選手の能力を最大限に引き出し、活躍できる場所を作ってあげるのが監督の役割です。この誰かの力を「最大限に引き出す力」がリーダー(プロ野球でいえば監督)の仕事の大半と言ってもいいのではないでしょうか?選手同士の人間関係を調整する、適度に休みを与えて疲れを取り除いてあげる、適切な評価を与える(もちろんマイナスのフィードバックも)これらをうまくコントロールできた結果が優勝に繋がったのだと思っています。(マイナスのフィードバックをうまく伝えるのは簡単ではありません。例えば、選手が活躍した日を選んで「改善すべき点をここはこうした方がいいのではないか?」などと伝えていたそうです。活躍した後であれば選手も気持ち的に受け入れやすいなどを考えていたとのことです)

つまり、あなたが「仕事がつらい」と考えてしまう原因を取り除くことができるのは「あなただけではなく、他のだれか」である可能性もある(大きい)のです。

あなたにできることは、「あなたにとっての美しい世界の軸を見つけること(強めること)」、それ以外は自分の責任と考えることはないのです。努力が足りないとかは関係ありません。弱者の視点がない人はリーダーではありません。メルカリ取締役の小泉さんは早稲田大学の入学式祝辞で以下のように述べています。

そして、同時に想像力を働かせてほしいと思っています。社会には弱者が必ず存在します。 私自身、20 代までは考え方が「努力したものが報われるのは当たり前。努力してないほう が悪い。」と思っていましたが、30 代になりNPO などで社会課題に向き合う友人たちの現場 の声を聞く中で、社会はより複雑で簡単に解ける課題は無いことに気付かされました。それまでには見えていなかった弱者の存在や社会の課題が存在していました。 その時、自分が現実で何が起きているかの知識や想像力の欠如が起きていることに唖然としました。気づかないうちに大きなバイアスを持って社会を定義づけていたのです。

小泉 文明さん(https://www.waseda.jp/top/assets/uploads/2022/04/2204_speech_koizumi.pdf

こうあるべきという社会的要求なんてくそくらえだ!

私も含めて日本人は特に「こうあるべき」という社会的な(ときには家族や身近なコミュニティからの)要求に無意識に答えようと考えてしまう傾向が強いと思います。
例えば、「男性はこうあるべき、女性はこうあるべき」、「とりあえず大学は卒業すべき」、「石の上にも3年は会社を辞めるべきではない」、これら以外にも親世代や先生世代の古い価値観を無意識に浴びて育つと無意識にそれに応えてあげたい、期待を裏切らないようにしたいと思ってしまうところがあるかもしれません。

私から言わせれば、そんなの「くそくらえ」です。社会人になりたての私は、20数年後に、社会人8年目に米国留学をして、転職を4回して、外資系企業に転職して、首都圏から仙台に移住して、、、今は起業を考えているなんて想像もできなかったです。自分の未来がどうなっているのかなんて、自分にも分からないのだから、(家族も含めた)他人に、それも生きている世界も環境も違う人に、「正しい道」なんてわかるはずもありません。誰がコロナのパンデミックを予想できたでしょうか?だれが、ウクライナの悲惨な戦禍を予想できたでしょうか?世界は複雑で残酷なのです。誰かが過去に考えた「こうあるべき」なんて簡単なくくりで、ひもとくことなんてできないのです。マーク・ザッカーバーグ(Facebook)のような世界を変えているリーダーだって大学中退です。あなたが作ったアプリが明日100万ダウンロードされる、YouTube動画が100万回再生される可能性があることもあなたの親世代では理解できないかもしれません。でも可能性はあるのです。

自分の信じる道を進もう

「こうあるべき」と一般的に言われている道から逸れることは勇気がいることです。「ここで逃げたら、もう人生つむんじゃないか」と不安を感じることはものすごく自然な感覚だと思います。だって、(多くの場合)そういう価値観のなかで私たちは育てられ、教育され、期待されてきたのだから。私もこれまでの人生で何度もこんな感覚に襲われてきました。ストレスに負けそうになったり、大切な人を傷つけたこともあります。でも、人生は続きます。
「つむってなんでしょうか?」それは古い価値観の中で定義された「成功への道」から外れることかもしれませんが(そんな道がいまだにあるのかも不明ですが)、それ以外の道がないということではありません。

「今の仕事をもう少し頑張るという選択肢」「今の仕事は合わないから一旦リセットしたいという選択肢」も少なくとも私は全力で応援します。仕事も上司も会社も世の中には数えきれないほどあります。仕事がつらいとあなたが感じる気持ちは、あなただけではなく、(とても複雑な)外部要因が原因の可能性も十分にあります。それは、あなたの他者の期待に応えたい、自分の努力が足りないのだという気持ちではどうしようもない(簡単にコントロールできない)世界線からきていると思うのです。

仕事がつらいと考えているあなたへ

大事なのはあなたが考える「人生で最も大事なこと」をあなたがしっかり考えること。誰かのために働くでも、自分のためでもいい。お金持ちになって遊びまわりたいでもいい。あなたの思い浮かべる「美しい世界」をしっかり考えてください。将来的に「成功の定義も目標も変わっていもいい」。でもこういうことをちょっと意識することで、きっと(これからも続く)人生はすこしだけ「もっと美しい世界」になり、あなたの笑顔が弾ける世界になると思うのです。

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