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留学エピローグ〜国に恋をするということ〜

良い意味で刺激的な毎日を送ってきた反動は大きかったと言えます。
明らかに言えるのは、帰国して1、2ヶ月の間、私はどこかおかしくなってしまったようでした。

帰国してしばらくの間は、すぐにやってくる真っ暗な夜に生活リズムが崩れたり(そして夜の22時には激しい眠気で意識を失ったように眠ってしまう)、冷え込む朝にベッドから重たい身体を起こせなかったり、精神面でも体調面でもイマイチな日々が1週間くらい続きました。

それが続いた後は、日本からでは買えるはずもないニュージーランドのお店(FarmersやChemist Warehouseやcountdown)の公式ホームページを眺めてはため息をついたり。

帰国後も、空港で大号泣しながら別れた友人とちょくちょく電話はしていたのですが、電話の奥から微かに聞こえるtag onの電子音や車内アナウンスに、
「あぁ、私はどうして今私はニュージーランドにいないんだろう」
…と、寂しさを感じたり。

ニュージーランド産のお菓子や食料を探しにカルディやジュピターといった輸入食料品のお店に足を運んだり。

…恐らく私は、ニュージーランドという国と、そこでの思い出に恋をしていたんだと思います。
昼も、夜も、頭がニュージーランドの事でいっぱいでした。

そんな私が少しずつ現実と向き合えたのは、友人との会話の中で垣間見える、ニュージーランドという国で生きる事の厳しさでした。

友人によると、どうやら最近移民局が法律を変えたとの事で、ワークビザの取得要件のハードルがこれまでよりも高くなってしまったようです。

ビザ取得に伴う弁護士費用や日常生活を送る上での高い生活費。
基本的に良い人ばかりですが、たまに自分よりも英語が話せない、と見られると、そういった理由だけで見下してくるなど、そういった意地悪な人もいるそうです。(ただし意地悪な人がいるのは日本でも同じですね)

そういった話を聞くたびに、異国で生きていく事の難しさや厳しさを身に沁みて感じました。

ニュージーランドは、今でも私の大好きで、大切な国です。

ただし、私の中で「大好きで大切な国」であり続けるためには、たまに渡航してしばらく滞在、くらいのこれくらいの距離感がちょうど良いのかもしれません。

時間的にも金銭的にも、簡単に行ける国ではありません。縛られたその条件の中でどうやって渡航するか。
次の渡航までにどうやって英語力を伸ばすか。
…そもそも次はニュージーランド以外の国に行くかもしれない。
そして、また違う国に恋をする。
…そんな自由な考えに、ワクワクが止まらなくなります。

この記事を書いている今、私は新しい職場での勤務が始まったばかりです。

前職と共通している部分はあるものの、基本的に前職の常識は全く通じず、本格的に仕事が始動していない割には慣れない環境への疲労感に苛まれる日々を過ごしています。

そんな時にも、ニュージーランドでの全ての思い出が私を強くしてくれます。

しばらくはこの思い出から力を借りながら、スモールステップで着実に、今の仕事(あとは英語…!)に邁進していく所存です。

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