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ニュージーランドプチ留学~ドキドキの初授業~

いよいよ初授業の日がやってきました。
この頃には、一人でお店に入って買い物をする事にも、鳥たちが我が物顔で店内をトコトコ歩いたり飛び回っている光景にも少しずつ慣れてきました。

とにかくオークランド市内は空港、カフェ、パブ、スーパーマーケット…ありとあらゆる屋内で鳥が飛んでいる(笑)日本ではあまり見かけない光景なので大変驚かされました。

スーパーマーケットの中を我が物顔で歩く鳩。ちなみに鳩は英語でPigeon。
ポケモンのピジョンはここからきているのですね。

クラスに入室した瞬間、どこへ座れば良いのか迷いました。特段決められている席は無さそうです。ホワイトボードを囲んでコの字に並べられている席の、とりあえず一番隅っこの席に座ります。

「Hello!」

「はっ!ハロー!」

授業の始まりが近づくに連れ、続々とクラスメイトが入室してきます。
しばらくすると先生も教材を抱えて入室します。

先生を一言で表すなら…「ヒッピー」。
先生の茶色のふわふわのカーリーヘアのてっぺんには、何故か大きな鳥の羽根が一本突き刺さっていました。
(あれはアクセサリーだったのかツッコミ待ちだったのか…今思えば、英語でガンガン指摘しなさいよ、という先生から我々への隠れたメッセージだったのかもしれません。)

授業に初めて参加する人は自己紹介の時間が与えられます。
ドキドキしながら事前にたくさん練習した自己紹介を終え、授業が始まります。

アイスブレイクでしょうか。始めにこんなゲームが行われました。

これなにか当ててみて!ゲーム

①クラスをAチーム、Bチームの2つに分け、さらにそのチームの中から1人ずつ解答者を選びます。解答者に選ばれた人はホワイトボードに背を向けて座ります。

②ホワイトボードに先生が任意の単語を書きます。解答者には単語は見えません。

③解答者以外の人は、解答者に対して書かれた単語に関するヒントを教えてあげます。ただし単語そのものを言ってはいけません。

④解答者はみんなから与えられるヒントから推測し、単語を答えます。答えられたらその解答者のチームにポイントが入ります。解答者を交代し、次のゲームが始まります。

これはとても白熱し、楽しいゲームでした。
限られたワードから推測する力や、その言葉を使わずとも相手に分かるように表現する力、色んな力を身につける事ができます。
難しい語彙を覚える事ももちろん大切ですが、日常生活では相手に対していかに簡単かつシンプルな言葉で伝えられるか、という力の方がもっと大切なんだと感じました。そういう意味では英英辞書って神ツールだと思います。

新入社員研修のアイスブレイクに取り入れてみたら絶対面白いんじゃないかな?と職業病のような気持ちを抑えながら、アイスブレイクを終え、授業は進みます。

(…あれ、私の発音、もしかして間違ってる?)

例えば私は、中学校や高校で「water」という単語の発音は、
「うぉぁらぁr」
…といったイメージで習っていたのですが、私の友人も、先生も、同級生もみんな
「うぉーTぁー」
…と、とにかく「T」の主張が強い事に気がつきました。

後ほどこれはイギリス英語の特徴のひとつだと教えて貰いました。
また授業を終え、先生にWhere is the restroom?(おトイレはどこですか?)と尋ねた時に、

「おぉ、トイレは廊下を出た突き当たりの踊り場にあるけど、この国ではrestroomよりもtoiletの方を使うね」

…と、こんな場面でもアメリカ英語とイギリス英語の違いを目の当たりにしました。

発音の違いについては中学校、高校の授業では軽く触れる程度だったので、私はこれまで「学校で習ってるアメリカ英語だけ理解できるようになればいいじゃん」という思考で生きてきました。

ただ世の中にはいろんな英語が存在していることは紛れもない事実。
少しでも違いが分かれば、もっと自分の世界を広げられそうだな…

これは学生時代のうちに知っておきたかった気もしますが、大人になった今だからこそ咀嚼し、嚥下できる事もあるのかもしれません。

連続するアルファベットや数字の表現

午後の授業の先生はゴールドに輝く鼻ピアス(!)とハワイアンドレス、タトゥーが特徴の優しいマダム先生でした。
この学校では先生が各々の好きなスタイルでファッションを楽しんでいて素敵だと感じました。

「落とし物をしてしまったときに、自分の住所や電話番号、メールアドレスを警察にどうやって説明したら良いんだろう?~数字や文字の言い方編~」
これは日常生活で役立ちそうな、実践的な内容の授業でした。

「ハイ、例えばメールアドレスに『!』を使っている人。『!』は英語で何て言うか知ってる?」

(…えっ、びっくりマーク…Surprising markとか?)

「少し難しいね!これはexclamation markって言うのよ!

!!まさに驚きです。知らなかった…。

数字や文字の表し方について英語特有の言い方も数多く出てきました。

0→(number)oh または zero
33→three there または double three
333→three there there または triple three
小文字→lower case
大文字→upper case

このルールを頭に叩き込んで相手に伝える&聞き取るのですが、これが本当に難易度が高かったです(ToT)
数字の0なのかアルファベットのОなのか、まじでわけが分からなくなります。

例えば、『Summer0801』という10文字を説明するだけでも
『upper case"S",u,double "m",e,r,number oh,eight,number oh,one』
…びっくりするほどこんなに長くなってしまいました。
私はペアを組んだ韓国人の子にうまく伝えられませんでした。

「ごめんよぉ」

「心配しないで!謝る事じゃないわ!それにしても初めての授業、すごくあなた頑張ってる」

その韓国人の子は透き通るように白い肌の顔も服も文房具も文字も、全てという全てが本当に可愛くて、あたかも私はK-POPアイドルの隣で授業を受けているような感覚でした。そして何より彼女は優しかった。

(絶対この子はモテる!と思っていたのですが予感的中。隣のクラスの男の子から言い寄られているそうで、しつこいDMに悩んでいるそう…無事に解決していれば良いのですが)

なんとか死に物狂いで授業を終え、その日私は、友人とアルバート公園でピクニックディナーをする事にしました。
(ちなみに、街の中ではそこそこ餃子屋さんを見かけた気がします。お陰で「dumpling」という単語の意味を覚える事ができました)

芝生の上にタオルケットを広げ、近くの餃子屋さんで買った餃子を広げます。
餃子で一番大切なものって、タネではなく皮なんじゃ…?と思えるくらいもっちもちで食べ応えのある美味しい餃子でした。
…レギュラーサイズがオススメですよ!

あまりに皮が厚くモチモチなので2人でも完食は辛かった…

19時ごろだったと記憶していますが、信じられないほど明るい中で、餃子を食べながら今日の授業の感想やどんな事を習ったのか、どう感じたのか色々聞かれました。

(なんか、この国の人って、ちゃんと人の話を深掘りして、相手からの本心だったり意見を求めたりする事をかなり大切にしてるんだなぁ…)

友人ともクラスメイトとも話して強く感じたのは、この国では事実の陳列よりも、とにかく「あなたはどう思った?」に重きを置く人が多いと感じました。

これまで私は比較的、
「●●さんと同じ意見です」
「周りと同じで良いです」
「〇〇さんがこうなら、こういった形が良いと思いますがどうですか」
…と、周りに合わせる事かつそれを美徳とした生き方をしてきた気がします。

(…自分の中に軸がないと、自分の意見を伝えるのってなかなか難しいなぁ…)

私はこれまで友人や家族に対して「どこでも良いよ」「あなたに合わせるよ」…と、自分自身の軸と向き合う事に対して逃げていなかっただろうか。同調圧力に屈していなかっただろうか。

餃子をかじりながら、授業の不安を吐露し、慰められ、励まされ、その日も陽はゆっくりと暮れていきました。

毎日が学びの連続です。語学だけではなく人生において大切なヒントも少しずつ掴む事ができたような、そんな1日でした。

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