なんでそんなにギャラが高いのかを説明してみようと思う

どうも。
渋谷までの定期を買った途端、新宿方面の仕事が増えて嬉し涙のガリバーです。
行き先を2区間設定させてくれ!


さて、日本アーティスト協会ではアーティストのキャスティングもしているんですが、自分を含め「なぜその価格なの?」と言われることが多いです。

高いか安いかは別として、独立したての2010年くらいに「自分のギャランティの理由くらいは説明できたほうがいいな」と思ったことがあります。

アーティスト起用の価格は、パフォーマンスでも、作品使用でも、制作協力でも、3万円を切ることはありません。

1曲の提供でも、30分のライブでも、サポートでも、原則としてこれを切ることは無いですね。

「演奏」という仕事は「演奏家」の仕事なので例外です。
「アーティスト」扱いであればこれは遵守します。

なぜか?

僕はなんとなくな価格設定はしない主義なので、理由はもちろんあります。


まず、人件費。

大人1人が拘束される時間への対価として、最低賃金以上は発生します。

これはきっとみなさん納得いただけるでしょう。

あと、派遣社員と同じように「演奏者派遣」の相場を適用したりもします。
管理費や移動費や運搬費など、一般的にわかりやすいので。

他にも、起用するプロジェクトの成果に対する内訳で算出したり、プロフェッショナル派遣の相場に合わせたりします。
法外な金額ではないんですね。


次にリハーサル代です。

1回のパフォーマンスをするためには2〜3回リハーサルに入りますので、その費用です。


ここまでをざっくりまとめると、最安価格でこんな感じ。
本番が4時間拘束で、当日より前に、事前リハを2回やる時の例です。

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人件費:985円(東京都の最低賃金)×4時間=3,940円
(演奏家派遣費用:3万円〜)
リハーサル代:2,500円(1時間のスタジオ代)×3時間 ×2回=15,000円
計:18,940円〜45,000円
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どうでしょう?意外ですか?
ここに、衣装、マネージャーの人件費、交通費、運搬費が追加されます。


そして、忘れてはならないのが、冒頭の「アーティストを起用する」という点です。

表現への対価。

これがくせ者で、一見「言い値じゃねーか」って言われたら「うーん」となってしまうかもしれませんが、制作費として考えるとシンプルです。

演奏するのがオリジナルや、既存曲のアレンジの場合、音源化するのに要する時間と金額はこんな感じ。
こちらも友情割引の最安値で。

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レコーディング費用:エンジニア人件費2万円+スタジオ代3万円=5万円
ミュージシャン人件費:1万円 ×4時間 ×3名=12万円
ミックス費用(音の仕上げの作業):2万円
計:19万円
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これ、バンドのミニマム費用で、1曲での費用です。
ちなみに制作の現場では徹夜は当たり前で、気が狂いそうなくらい音との葛藤をして鬼神のごとく仕上げていきます。

ここの作業の質や集中力が、作品の質を左右します。
見せてあげたい。
見せたくないけど。

あと、CDプレスの費用はこんな感じ。

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プレス費用:6万円(500枚)
デザイン費用:2万円
計:8万円
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どんどんざっくりになってきたな。笑
これも友情価格というか、卸しレベルの価格。


あと、表現の価値については、有名なピカソの逸話もありますね。

ファンに絵を描いて欲しいと頼まれると、ピカソは30秒ほどで書き上げ「100万ドルだ」と言いました。
「たったの30秒で紙一枚のスケッチが?」と言うとピカソは「いや、この絵を描くのにかかった時間は30年と30秒だ」と答えたそうです。

つまり、芸術を表現するのにかかった時間や労力や、それを果たした才能の価値を伝えたんです。

僕は、それだけではなく、「人々が価値を感じる作品を出したこと」や「創作をした実績」を持つ人間が、今、依頼にこたえていることを忘れてはならないと思います。


僕が演奏家とアーティストを分ける理由はそこにあって、絵に例えるなら、同じ作業でも「模写」と「アート」が違うように、求められる役割が違うのです。

パフォーマンスもですが、「曲を使う」って場合にも、こういったことを考えてもらえるといいかと思いますね。


僕らが行うアーティスト派遣のサービスには、僕ら・クライアント・アーティストの三者の合意のもとで、アーティストに演奏家の役割を求めることもあります。

純粋なパフォーマンスだけではなく、お客様のニーズをくんだサービスを付与する。
これは芸人さんの世界の営業と似ています。

「プロモーションになる」とか「その場でパフォーマンスすることがお金以上に実績として欲しい」とかでない限り、ギャラは必要です。

とはいえ、ギャラなしの仕事をお願いしたり、僕もノーギャラでやることは結構あります。
「それがやりたい」「その人が好きで一緒に仕事したい」「自分の活動に活かせる」「次の仕事でギャラがもらえる」といった理由があればいいんじゃないですかね。


そういうのがなくて「ギャラが高額だ」と言うのなら、せめて彼らの生業であるCDや物販品などを買って、お客様に配るなどしてほしい。

用意してないなら交渉ごとをするにあたっての、アーティスト側の怠慢ですけどね。

根拠もなくギャラを要求するアーティストも、中にはいます。
僕はそういうアーティストとのお仕事上のお付き合いはしていません。
音楽仲間としては好きでも、クライアントからお金を預かるにあたって、そこはシビアにならざるをえないんで。


ということで、ギャラにはちゃーんと訳があるよ、って話でした。

ただ、大前提として、クライアントのニーズを満たすことが大切ですね。
普段のライブとかと違うんで、そこはしっかり切り替えよう。

ちなみに普通のライブをやるのにもそのくらいの金額がかかるのと、制作費に至ってはアーティストは削れないラインがあるのです。

少しでも理解が広がってくれると嬉しいですね。

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ガリバー宇田川
HP→ https://udagulliver.themedia.jp/
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日本アーティスト協会→ http://jaa.strikingly.com/

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社会起業アーティストの道

複数TVオーディション優勝→メジャーデビュー→フリーランス→30代でNPO法人を起業したパラレルアーティスト、ガリバー宇田川の脳内と日常を綴ります。
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