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アーティストのキャリア形成〜10年食っていくためにやるべき年齢別ミッション〜

どうも。
横文字を意図的に覚えない父の気持ちが最近分かってしまうガリバーです。
父の場合、アロンアルファは「アルファルファ」でよくて、アクエリアスは「アクエリス」でいい。
伝わればテキトーでいいんじゃないか、そう思い始めてしまっている夏。

さて。
そんなことはマジでどうでもよくて、最近アーティストはもちろん、20代前半の若者からキャリア相談をよく受けます。
おせっかいはウザがられて悲しい気持ちになるのであんまりしないようにしてるんですが、あまりにも有望な人にはつい口出ししちゃうこともあるよね。

キャリアと言っても、仕事は何をしてきたのか、今は何してるのか、という収入にまつわることから、アーティストとしてどう歩んでいくべきかということまで幅広い悩みがありますよね。

ありがたいことにnoteを読んで答えを探ろうとしてくれた猛者もいて、
「めっちゃ遡って読んだんですけど、書いてなかったんで。あと同じようなこと結構書いてますよね(笑)」
とか痛いとこ突かれたりしたので、これからは心を入れ替えて、ノウハウ的なことを端的に書いていこうと思いやす~。


■年齢によって注力すべきことは違う

よく「オレの若い頃はよお~」ってウザいオッサンいるじゃないですか。
まあ…それですよねー完全に。
でも僕は人のアドバイスよりも「自分が見聞きしたことしか信じねぇ!」と言ってきたコテコテの江戸っ子バカ野郎なので、基本は自分の経験談を軸に話します。

それでも、これまで国内外で2,000組以上のアーティストと出会ったり、1,500名以上のレッスンもしてきたフェアな目線も持ち合わせているので、ちょっとでも参考になればいいなと思います。

僕が感じていることは、年齢によってやるべきことが違うってこと。
その年齢で何をするかってすごく重要で、順番、負荷のかけ方、スピード感、情熱によって伸びしろや伸び率が違うんです。

「チャンスは平等でそこら中にある。
でも自分に必要なチャンスに気づける人間は一握りだ。」
by.ガリバー宇田川

って、おまえかーい(笑)


■18~23歳は生産力

この時期の伸び率はえぐいし、差がつきやすい。

練習をすればするだけ伸びるし、この頃の栄養の吸収の仕方はまるでダイソン。吸い込みまくり。
その代わり、どんな吸収の仕方をするかで、その先の方向性も決まってしまうから、やり易さより結構スパルタでも頑張った方がいい。

この頃に必要なのは、3つ。

1つ目は、実力を磨きまくり、試される経験をすること。
高校卒業して落ち着きがちな時期、もうここから先は、アレやれ、コレやれ、と言ってもらえることも減りますからね。
だからこそ、オーディションとか、レッスンとか、配信始めてみるとか、少し詰め込みすぎるくらい自分に課して加速した方がいい。

2つ目は、作りまくること。
この時期にしかない感性があるし、没頭できる時にしておくこと。
カバーでもオリジナルでもいいから、デモを作りまくる。
でも、人のコピーで評価を得ても、それは所詮、先人の完成品を再現したり応用しているだけに過ぎない。
練習のために完コピするのは絶対に必要な作業だから、それはそれ。
ゼロからイチをつくる経験は、この時期にやっておかないと、感性が目覚めません。
没頭して創作するのはカバーもオリジナルも似てるかもしれないけど、オリジナルを作るときの脳みそは全く別物。
ここで慣れておかないと、後々しんどくなります。

3つ目は、師匠と、話を聞いてくれる大人を見つけること。
芸を磨くために必要なのは、まずは頼れる師匠的な存在を見つけて基礎を学ぶことです。
これは、しっかりお金を払ってくださいね。
なぜなら、お金をもらわずにやる人って、その人自身にお金をもらうほどの価値がないか、お金をもらわなくても良いレベルのことしかやってくれないか、だからです。
あなたの才能に惚れ込んで、ぜひ手伝いたい!って人はいると思うので、そういう人ならいいですけどね。
あと、話を聞いてくれる大人っていうのは、ビジネスの話も含めて色々相談できたり、お仕事を紹介してもらえる人がいるといいですね。

要するに、あなた自身を売る準備をしましょう。

気を付けるべきなのは、この時期の「自分的にやり易い環境」って、ホントにただのぬるま湯なんだよね。
仲間も大切だけど、切磋琢磨する戦友、ライバルだってことは忘れずに。
そいつがいるせいで自分がデビューできないかも…ってことなんだぜOMG!

てことで、人と競うとか、試されるとか、添削されるとか、義務教育で実は受けてきたことを超濃密に味わい直すことで、火がつくと思います。

ちなみにこの頃の僕は、こんな感じ。
・週1ボイトレ
・アパレルでバイト
・週1曲くらいのペースで作曲
・クラブで月に4回くらいライブ
・毎月10本くらいデモテープオーディションに送るも音沙汰ナシ
・テレビオーディションで優勝、ファイナル2回


■24~26歳は機動力でぶっちぎれ

この時期は、実力なんてあって当たり前の人だらけの中で勝ち抜いていく必要があります。
でも差別化しようとしても、まだそこまでネタが豊富な年齢でもないし、まだ実力で正攻法で勝負しても勝算はあります。

じゃあどうするの?機動力っしょ!
てことで、スピードと手数をひたすら出しまくります。

わかりやすく数字で差をつけるならこの時期です。

ライブの本数、持ち歌の数、遠征回数、海外に行った回数、仲間のアーティストの数、ひと月に聴く音楽の数、詳しいジャンル数などなど。

この辺から、音楽に時間やお金をどれだけ費やしてるかで差が出始めます。
それは何よりもスキルの練度・熟度に表れる。
つまり、音楽の深みの部分が磨かれるので、ここから先に必要となる同業者からのリスペクトも得ることができます。

この2年って何にどうお金や時間を使ったかで差がドカーンと出る。
飲み会とか、遊びの誘いとか、同レベルの仲間の集まりなんて、99%断ってよし。

なぜなら、この年齢まで激しく活動しておきながらどこからも声がかからなかった人は、残念ながら、現在のマーケットでは通用しないってことなんですよね…。
危機感持たないとヤバい。終わります。

そんな金と時間あるなら音楽にぶっこめ!実績を積み重ねろ!気合いだー!ってことですね。

ちなみにこの頃の僕は、こんな感じ。
・テレビ出演をきっかけにバンドを結成、メジャーデビュー
・バイトをやめて実家生活&日雇いで食いつなぎながら音楽活動
・ひと月の休み1~2日以外はライブ・リハ・制作・打合せの日々
・全都道府県の人に楽曲DLしてもらうキャンペーンで目標達成
・めちゃくちゃ喉壊す&持病の悪化で年に2度は入院
・イベントを年間20本以上企画


■27~30歳は差別化

ある程度頑張ってきた自負がある人も、そうでない人も、「このままでいいのかしら?」と不安になる時期。結婚とか将来のこととか考えると、お金も欲しいよね。どげんかせんといかんよね。

てことで、自分のことを一回見直して、周りと差別化をしてみよう。
いい曲を持ってて、ルックス良くて、スキルがあるなんて当たり前。自分だけのストーリーや個性をどう魅力的に見せていくか。ブランディングってやつですね。

これ、何のためにやると思います?お金?知名度アップ?
結論、両方のためになります。選んでもらうためのあらゆる努力をするんです。自分と経歴やキャラが似ているAさんではなく、自分を選んでもらうため。

自分を指名してくれる人は誰で、何を求めていて、自分は何が提供できるか、ノートとかふせんとかに書きまくって頭を整理してみるといいです。
人と同じことして安心してる場合じゃない。目立つことしたり、とにかく出る杭になることです。

「出る杭は、打たれる。
出過ぎた杭は、抜かれる。」
by.ガリバー宇田川

勝ち取るための何かが足りないなら、お金や時間を使って体得しましょう。大人だもん。

ちなみにこの頃の僕は、こんな感じ。
・バンド脱退後、ソロ活動開始
・テレアポで全国のショッピングモールやお祭りに営業して出演
・その出会いから全国大会、CM、映画主題歌など、タイアップを獲得
・東日本大震災をきっかけに社会活動開始、フィリピンでも国際交流フェスやったりする
・屋号ウマミタスを名乗ってプランニング、キャスティング
・企業イベントやショッピングモールのイベントを手がける
・派遣社員からIT企業に入り、アプリや事業開発に携わる
・結婚する


■31歳~は地盤作り&リスタート

ここからは、今後の地盤づくりを始めていいのかなと。
もちろん日々の鍛錬は必要なんですけど、ここまでずーっと走り続けてきた人は、ここから劇的に「変わる」ことはあっても、劇的に「伸びる」ことはまず無いです。
ここまで得たものを組み合わせたり、再構築したりと、財産をしっかり使いつつ、コツコツ発明もしていく段階。

収入の安定なのか、社会的な地位なのか、人によって安心材料は違うと思うけど、いずれにしても大人としてここで何かしらの基盤を作っておかないと、この先もう続けることができない。ラストチャンス。
ましてや、アーティストとして現役で若手と張り合っていくなら、今まで培ったものをしっかり積み上げて、そのうえでチャレンジしていく方が良さが生かせますし。

自分は上を目指しつつ、若い世代のサポートもしたり、場を作ったり。

芸人さんでいう中堅芸人さんの感じで、若手の面倒も見ながら上を目指すことも忘れずグイグイ出ていく感じもいいですよね。
売れててもM-1に出て戦ったり、売れてなくても後輩におごったりという芸人さんの気概が、僕は粋に感じて大好きです。
なんの話だっけ。

この期に及んで、音楽だけを追求することが美徳とか言っちゃうのは僕はアウトだと思ってます。
ここで何かしらで食えてない人には僕はめちゃくちゃ厳しい目で見ます。
みんな頑張ってるんだし、社会人として社会ナメんなよって。

部活だって、先輩になったら後輩の指導するじゃないですか。
監督より怖くて信頼もある、みたいな。
あれと同じだと思うんですよね。

ちなみにこの頃の僕は、こんな感じ。
・法人設立、売上を安定化
・フリーランスとしての働き方を確立
・プチ改名してソロ作品を定期的にリリース
・講師や歌唱の仕事を定常的に行う
・講師の育成やスクールの立ち上げを行う
・行政や教育機関とのプロジェクトが増えてきた
・離婚する ※本当に円満に


■まとめ

アーティストといえども、ひとりの社会人です。
とはいえ、アーティスト一本で食っていける人とそうでない人、また、あえて色々やっている人など、一般のみなさんの感覚とはちょっと違うかもしれません。
だからこそ年齢に合ったアクションをしていくことで、一般の仕事と同じように「キャリアを積む」という感覚を持つことが大切だと思います。

僕はいろんな働き方を組み合わせて生計を立てることを推奨してるので、バイト、副業、兼業、なんでもアリだと思います。
僕は週5で8時間ずつ働いてるときも、帰宅後19時〜深夜2時くらいまでの6時間くらいは、毎日、音楽に使う生活を維持してました。

忘れちゃいけないのは、音楽って一生追求できるものですからね。
人生そのものを削り出すようなもので、如実にその人が表れます。
てことは、活動の仕方も極め方も十人十色でいい。
むしろ人と同じことを不安に思うくらい独自でいい。
ただし、商業の世界でやってくにはそれなりのやり方があって別の話なので、それはそれで学ぶ必要はあります。

やる気のある人が変に焦らず、ずーっと頑張り続けられるようなヒントになればと思い書いてみました。
参考になればうれしいです。


【ガリバー宇田川】
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