デザイン本番03_1000

格闘ゲームを楽しく遊べるキャラセレの提案

提案のきっかけ

格闘ゲームのキャラセレのUIは、みんな同じフォーマットだなと思ったのがきっかけ。

▲大体こんなの。
見た目以外の判断基準が無くてどれを選んでいいのか分からない。
どんな遊びが出来るか分からないから、あまり色々試す気にならない。
たまたま選んだキャラが使いにくかったら、そのゲーム自体が楽しくない、なんて状況も生まれる。

これは新しい提案が出来る良い題材だと思ってデザインした。

※デザイン過程を1~4回公開中。
キャラセレに必要な役割と未来1:提案編
キャラセレに必要な役割と未来2:アイデア展開編
キャラセレに必要な役割と未来3:デザイン編
キャラセレに必要な役割と未来4:レビュー編
(第5回を飛ばしているのだけど、本編の動画コンセプトで触れてます…)


提案範囲

1. 新しいキャラセレの提案。
2. ステージセレクトとVSコールを含むシーケンスの提案。

コンセプト

「誰もが楽しく遊べるキャラに出会えるキャラセレ」

 1. プレイヤーに合うキャラが分かる
  ・進化系フィルタリングにより、キャラの特性で選べる
  ・おすすめアイコンで、AIが分析したおすすめが分かる

 2. 他のキャラも使いたくなる
  ・フィルタリングしても条件から遠いキャラも見える
  ・バトルキャラの見た目で選べる
  ・キャラセレ画面で操作を試せる
  ・キャラの特性やプロフィールが分かる説明

▲コンセプト(仕様)全体図

・ハード:PS4
・テレビ画面
・ハイエンド機
・コントローラー操作
・ネット対戦メインの1人用キャラセレ


コンセプトデザイン

1. 進化系フィルタリング
中央の「条件標識」による進化系フィルタリングが最大の特徴。
複数条件を指定でき、条件に近い順にキャラが寄ってくる
これでプレイヤーの嗜好に合ったキャラを絞り込める。

既存のフィルタ機能とは違い、条件から遠いキャラも見える。
興味以外のキャラも目に触れるようにし、
「条件からちょっと離れているけど使ってみよう」という気にさせる

▲3Dなのでカメラも動かせる。
たまに見たことの無いレアキャラがいるかも!?



2. AIおすすめアイコン
AIがプレイヤーの戦い方を分析し、おすすめアイコンとして表示される。

▲おすすめ度が高い(ハートが多い)ほどプレイヤーにとって戦いやすいキャラになる。
超やり込むと、激おすすめアイコンが付くという。
ぜひやり込んであなただけのレアキャラを見つけてほしい。

▲カーソルを合わせるとおすすめ理由も教えてくれる。
「なぜおすすめなのか?」
これを教えてくれるだけで、遊び方の幅がある事に気付ける。
遊び方の幅とは、キャラの種類の幅を意味する。



3. 戦い方をすぐに試せる
何十キャラもいるのに、実際にバトルしないと試せないのは大変すぎる。
すぐに試したい。

▲「△ボタン」を押すと、キャラセレ画面のままテストプレイが出来る。
主要なコマンドリストも確認でき、技の出しやすさなどもすぐに分かる。
気になるキャラを手軽に試せるため、普段使わないキャラも試してみたくなる



4. キャラの説明
これは意外だが、キャラ説明があるキャラセレは少ない。
少しの情報でも判断材料に十分なり得るので、表示しない手は無い。

▲キャラの性能やプロフィールが読める。
プロフィールはユーザーが必ず通る場所に置いてキャラへの理解を深めてもらうのに役立てるのが良い。キャラが喋ってくれるとなおよし。


条件変更の動作コンセプト

条件変更は「□ボタン」で出来る。
以下はデザイン検討用の左端集合タイプのプロトタイプ動画だが、挙動イメージはこれと同様。
条件標識を操作すると、その条件に合うキャラクターが条件順に近づいてくる。

▲この動画は画面のリッチさの検討も含んでいる。
余計な装飾を追加して画面をごちゃつかせずに質を高く見せるのが狙い。
3Dキャラで構成すると動きが生まれ、よりリッチなビジュアルになる事が分かる。

また、左端集合タイプ案では、左から順に並んでいるので分かりやすい反面、奥行きが使えず一画面の表示キャラ数が少なくなるデメリットがある。
そして何より、集合している感じがしない
ここは絵的に譲れないこだわりもあり、中央集合タイプに変更した。


条件は少なく

複数条件を指定できるのがウリだが、あえて厳選した3ジャンルに絞った(ゲーム性により選定)。

攻撃タイプ:バランス、投げ、溜め
攻撃能力:パワー、スピード、ガード
AI分析:得意、苦手
※それぞれに「なんでも」が加わる

これより多いとフィルタ操作自体が面倒で使わなくなるからだ。
画面も複雑になって良い事なし。

もっと細かく条件を追加したいという要望があれば、成功の証。
アップデートや続編で入れればよい。
新しいUIは徐々に馴染ませていくのが望ましい。


ステージセレクトを先に行う利点

ステージセレクト~VSコールまでの流れもデザインする。
大抵はキャラセレ後にステージセレクトだが、私の提案は逆だ。

ステージに広さやギミックなど遊びの幅を持たせたゲームの場合、
「このステージならこのキャラを使おう」と考えるため、色々なキャラを使ってもらえる流れにできる。
これは今回のキャラセレのコンセプトを達成する要素のひとつとなる。

ステージセレクトを最初に行うことは、キャラセレのビジュアルコンセプトにも合う。背景には、実際に戦うステージが表示されるからだ。
動くキャラとステージにより、キャラセレ画面をよりリッチに演出できるメリットが生まれた。

▲森林ステージを選んだ場合のキャラセレ画面。
(動き:木々が揺れる、雲の影が流れる、蝶々が飛ぶなど)

▲宇宙ステージを選んだ場合のキャラセレ画面。
(動き:宇宙船が飛ぶ、地球が回る、星が流れるなど)

▲ランダムを選んだ場合は専用ステージを用意。
(動き:グリッドラインに光が走る)


また、バトル用アセットと共用のため、バトルへの画面切り替えが不要になり、VSコールが1つで済む。
従来のように、重複したVSコール(ローディング画面)とVS演出(バトル前演出)をそれぞれ見せる必要はない。


まとめ

今回は、格闘ゲームでは見たことの無いキャラクターセレクトが提案できた。

と言っても、UI自体の目新しさの追求だけが目的ではない。
あくまでゲームを最大限に楽しむためのUIである事が、本提案の最重要ポイントだ。

ゲームの価値を上げるためのUI作りは、今後ゲームにおけるUIデザインの価値を上げるためには欠かせない要素となるだろう。



© Unity Technologies Japan/UCL

この作品はピアプロ・キャラクター・ライセンスに基づいてクリプトン・フューチャー・メディア株式会社のキャラクター「初音ミク・アペンド」を描いたものです。

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ありがとうございます! よいデザインライフを!
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ゲームUXデザイナー。趣味でUXやUIデザインを提案するところ。夢のあるデザイン提案がしたい。感動できるUIに多く出会いたい。そして世の中のUIが少しでも面白い方向へ前進してほしい。微力ながらもその力になればと思います。不定期更新。 Twitter:@udesi6
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