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岐阜暴威さん ついにSPARK!!

11月2日、新宿FACEは観客の熱気で溶融寸前になっていました。

配信者達による格闘イベント「SPARK」のゴングがいよいよ打ち鳴らされようとしていたからです。


いざリングへ


なぜ配信者がボクシングをしないといけないのか、やったところで何になるのか。

そんな疑問は全てリング上でアンサーするといわんばかりに突き進んできたSPARK運営。

そしてこのイカれた奇祭を更にフィーバーさせるべく、超ド級の爆弾が東海地方より射出されたのです。

『Mr.逆神』『メイウェザーが唯一対戦拒否した男』『狂乱の熊殺し』『炭鉱の突貫小僧』『ブレーキの壊れた原動機付自転車』こと岐阜暴威さんです。



個人投資家のおっさんが元格闘家(原田ヨシキ)と戦うというミステリサークル ㏌ 新宿。
こんな展開、誰が予想したのか。
ウエイトは互角。真正面から殴り合うしかありません。

久保優太に次ぐ二代目闘う格闘家として数々のボクサーやファイターをX(旧twitter)上で挑発し続けてきた岐阜さん。

その彼がSPARK挑戦を表明してからもう半年近く。

この間、私の評価も結構ブレブレでした。

5月6日「岐阜さんがルールを破って反則負けするんじゃないかと非常に危惧している。」

6月9日「岐阜さんがリングで死んでしまうのは見たくない。逢坂みぁの方が強いから代理出場させるべき。」

6月30日「SPARK運営の岐阜さんに対する期待はかなり大きい」

8月22日「SPARK開催延期後に急にイキりはじめるのはダサすぎる」

9月25日「SPARKに鬼神と化した岐阜暴威が降臨する可能性がある」

10月15日「岐阜さんがボコボコにされる姿が見たい人はSPARKに行け」

総評としてはあまり岐阜さんには期待していませんでした。
とりあえず大会を盛り上げてくれたりサクラ(暴威軍)を動員させて大会を黒字に持っていくための役割さえ担ってくれたらそれで合格だと。

ただ定期的に上がるトレーニング報告について段々「ちゃんとサボらずにやってるんだなあ・・・」と真面目な気持ちで見るようになっていました。
その割に食う飯がジャンクなのが惜しい。


8割の不安と1割の期待、残りの1割は「急な発熱で棄権するんじゃないか」という危惧を抱いたまま迎えたSPARK当日。

岐阜さんは前日に股間をSPARKさせてしまった上に本番直前まで熱いファンサービス。
インフルエンサーとしては満点ですがファイターとしては体力を無駄に消耗してしまうアカン展開。どうするんだGIF!!


私は仕事で行けませんでしたが暴飲軍達は次々と会場入り。


『合コンネゴシエーター』シオンさんに至っては高層ビルの階段を登って自分に喝を入れてから新宿に向かうほどの熱血っぷりを見せます。どこの部族の儀式でしょうか。



暴威軍の熱量に反し、会場(オンライン含む)の大多数にとって岐阜さんは謎のハゲでしかありません。
試合直前インタビューで深刻なレベルでボコボコにされます。
声援を力に、という状況は残念ながらそう望めません。


期待されず、声援も受けず、それでも岐阜さんはリングに上がります。

目標は1つ、勝利です。


時は来た!!それだけだ・・・・


こいつは本気だ!!


先に入場したのは原田ヨシキ。

デニスロッドマンのような燃える赤髪をしてハゲを挑発します。
岐阜さんが赤いパンツ履いて自撮りしてるので意識したのでしょうか。


続いてDEADENDのMORRIE(若い頃)に似たリングアナウンサーが岐阜さんの名をコールします。


天下無双のFXボーイ・・・?岐阜暴威選手の入場です!


コールと共に会場内に響き渡る走行音。

最初岐阜さんの原付音をサンプリングしたニューバージョンの「俺たちは暴威軍」なのか?と思いましたがもちろんそんなわけがありません。

少ししてから軽やかなギターリフ。
これは岐阜さんが好きなLUNA SEAのTONIGHT!!


投資系インフルエンサー岐阜暴威としてではなく、ボクシングを愛する岐阜の男〇〇〇〇〇(本名)として戦う意気込みを感じられる選曲。

そして控室の中から赤いグローブを手に付けて参上する我らが岐阜暴威!


観客とタッチを交わしながら入場する爆弾貴公子


我々が見たことないぐらいの闘気を漂わせてリングインする岐阜さん。
佇まいはボクサーというよりプロレスラーです。
やっぱりそっち方面行く方が合ってるんじゃないか・・・?


アレクサンダー大塚暴威


原田ヨシキもスポンサーが書かれたシャツを着ていましたが、こちらは運営側で色々配慮しないといけないからか脱ぎません。

岐阜さんだけがシャツを脱ぎます・・・・予想以上に肌が白い!!


ロボットの起動時みたいなポーズの岐阜さん


身体は厚みを増し、横方向にもパンプアップ。
巨木、とまでは行きませんが力強いボディをしています。
ちょっとのっぺりした鉄人28号みたいです。

試合前に原田ヨシキにだけ花束贈呈があり、アウェー感の増す岐阜さん。
平静を保つようにシャドーボクシングをして戦いに備えます。

カメラがアップになると、煌々としたライトで岐阜さんの白い身体がますます白くなります。
なにかこのまま消えてしまいそうです。


ロン毛が一人もいないリング上


最強幻想を守っていたプロレスラーたちが総合格闘技で敗戦したせいで、一時プロレス人気は地の底に落ちました。

岐阜さんも無駄に鍛えられた肩幅やシャドーボクシング、「若い頃は街で手あたり次第喧嘩を売っていた」という武勇伝で株クラ界最強ではないかという幻想を一部に植え付けています。

はたしてそのファンタジーを超えるリアルを我々に提供できるのか。
できなければオワコン加速。

岐阜さんの命運を決する戦いがついに始まりました。


世紀の激戦(?)


開始と同時にグローブをクネクネさせながら前進していく岐阜さん。

事前の宣言通りインファイトで挑みます。

ところがあまりに近づきすぎたのか原田ヨシキのワンツーをモロに被弾。

いきなりひっくり返りそうになります。



6月の公開練習でも『Mr.アウトサイダー』啓之輔選手にパンチを貰い倒れてしまった岐阜さん。

その時コンタクトも外れてしまうというアクシデントも発生。岐阜さんにとって苦い思い出となってしまいました。

しかしSPARKの岐阜さんはここで倒れませんでした。

半年間欠かさず行ってきたランニングで作り上げた強靭な脚力、そして「原田ヨシキに勝ってウナギを奢ってもらいてえ」という常人離れした食欲が岐阜さんを支えたのでしょう。

岐阜さんも黙ってません。

原田ヨシキと軽いパンチの応酬をするとお返しとばかりにタックルを仕掛けます。
駄目だろそれは!!


やっぱりプロレスの方が合ってる


しかもどうやらこの余計なタックル後にコンタクトが外れたようです。

あれだけ危惧されていたコンタクト問題が本番でやっぱり再燃してしまい、岐阜さんは一気に距離感が分からなくなってしまいました。

相手に悟られないように原田ヨシキに圧力をかけていく岐阜さん。

コーナー付近まで原田ヨシキを追い込み会場から歓声が上がります。

しかし原田ヨシキも元プロ格闘家。
岐阜さんの必死のパンチをきっちりガードし、クリティカルさせません。

1ラウンド1分過ぎからは徐々に原田ヨシキのパンチが岐阜さんを捉え始めます。


カウンターが空振りする岐阜さん


またもモロ受けしてしまった岐阜さん


かなり限界が来てる岐阜さん


岐阜さんが原田ヨシキのラッシュの餌食にされる寸前で1ラウンド終了のゴング。

即KOされると思ったら意外と攻めに行ってた岐阜さんの奮闘っぷりに暴威軍からは驚嘆の声が上がります。

もしかしたら原田ヨシキをラッキーパンチでKOできるのではないかと。

リング上ではラウンドガールで岐阜さんの大好きな「とりぷるおすしちゃん」が登場。

いい恰好見せるためにも負けるわけにはいきません(注:岐阜さんはこの時ケツを見る余裕さえなかったようです)。


2ラウンド目開始。

岐阜さんはここでも果敢に前に出て原田ヨシキに圧力をかけます。

解説陣も「KO出るかもしれない」「原田に勝てたら本当すごいよ」と岐阜さんの攻撃的姿勢に期待をかけます。

ところがここでまたリーチの差で原田のパンチを被弾。
会場に鈍い音が響きます。



しかし、元来頭が固いのか岐阜さんは衝撃をもろともせず原田をロープに押し込みます。

原田もしぶとい岐阜さんを片付けるべくスパートに出ます。
いつの間にか全身汗びっしょりの岐阜さん。頭皮がテカテカしてます。
汗でパンチが滑りそうです。


亀を虐める村の少年の図


この直後くらいから徐々に2人のパンチスピードが鈍り始めます。
スタミナ切れです。

特に岐阜さんは試合を通して見せていた推進力が目に見えて失われていきます。


ガードもままならなくなり原田のパンチをもらう岐阜さん


しかし、距離感のとれない岐阜さんはそれでも向かうしかありません。バッティング上等で頭から原田に突撃。再度ロープに押し込みますがパンチが空を切ります。

残り30秒。
原田もKOできるほど強烈なパンチが打てなくなってきましたがそれ以上に岐阜さんは足元フラフラ。
ロープから場外に転落しそうです。

あと少しだ岐阜さん!!


会場に詰めた暴威軍から悲鳴にも似た声援が飛びます。

おじいちゃん・・・・


それでも岐阜さんは最後まで前に出続けました。

パンチは空を切り、ガードはほぼなし。
あと1撃でも喰らえばリングに沈んでもおかしくないコンディション。

あれだけ相場で諦めの言葉を吐き続けた岐阜さんですが、自分の愛するボクシングだけは諦めませんでした。

そして2ラウンド終了のゴング。

リング上で抱き合う岐阜さんと原田ヨシキ。

この半年間、様々な因縁や興行へのプレッシャーがありながらSPARKのオープニングを飾るべく奮闘してきた2人の男だけが共有できる世界がそこにたしかに存在しました。


戦い終わればノーサイド


新たなるステージへ


で、結論からいうと岐阜さんは判定負けになりました。


「忖度だ!」「岐阜さんの方が攻めていた!!」という暴威軍の声、「岐阜は原田のパンチ全部喰らってたから当然」「普通に原田の方が上」という声、「元プロなのに素人をKOできなかった原田はダサい」というキラーコメントなどなど賛否両論を呼んだこの試合。

なんにせよSPARKという興行的には大成功といっていいマッチメイクでした。

そして岐阜さんの戦う姿勢は多くの人の感動を呼びました。


先月、オワコンだと自嘲していた岐阜さんですがこのSPARKによって再び注目が集まりそうです。

投資以外の強力なコンテンツを得る事が出来た岐阜さん。

マルチYouTuberとして大成する一歩をこれでようやく踏み出せたでしょうか。
40歳以上になると流石に格闘企画はキツくなると思うのでそれまでにもう1試合くらいやってほしいですね。

個人的にはTHE OUTSIDERに「パチンコ帰りに5000円罰金とられたアウトロー」として出場してほしいです。


このSPARKの充実感は岐阜さん自身にも大きな影響を与えたようで、岐阜に帰った後猛烈な燃え尽き症候群に襲われることになります。



「なにもしなくてもいい人生を手に入れたい」と前々から言っていた岐阜さん。

その環境が手に入った今「やりたいことがなくて不安」とか言うんだから人間の欲望というのは天井知らずなんだと思います。


数日考えた後、岐阜さんは新たなる目標を公表しました。


と、東京!?

たしかに撮影のためとは言え月に複数回東京に来ていた岐阜さん。

交通費のこと考えたら東京に住んでしまえばいいのに、と思っていたものの本当に東京に住みつくとなるとちょっと緊張してしまいます。

もし街中で岐阜さんに遭遇したら私は笑いを堪えきれる自信がありません。

そしてなにより心配なのが岐阜さんの濃厚な実家愛です。

去年初めくらいまで名古屋辺りで一人暮らしをしていた岐阜さんでしたが月の半分は実家に帰っていました。
当然「どこが一人暮らしなんだよ」と各方面から猛烈に突っ込まれていました。

東京と岐阜は距離があるので流石に前みたいに頻繁に帰省する事はないでしょう・・・・いや、不安だ。
こうはならないだろう、という想像を超えてくるのが岐阜さんです。

岐阜さんが東京来てやることと言えば多分パチンコと風俗と飲み会くらいだと思いますが、都市生活の中で新たな化学反応が起きたら確かに楽しいと思います。

何も変わらないまま年末年始を過ごすなら、それも岐阜さんらしくていいんじゃないでしょうか。

今回のSPARKに関して岐阜さんと原田ヨシキ、両サイドが試合の総括をしていますので興味ある人は見てください。

なにはともあれ生きて帰ってきてくれてよかったです。
岐阜さん本当にお疲れさまでした。