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自由な野生動物の一生

『THE FOOLS 愚か者たちの歌』@吉祥寺アップリンクにて見学。

90年代からフールズ見学(当時は主に代々木チョコレートシティ)を
開始したのだが、すぐ社会人になってしまい、
多忙と飲酒と病(パニック障害などとにかく不調が凄まじかった)で
すべてのライブから遠ざかっていた。
震災以降、元上司の末井昭氏に
「会いたい人には会っておきなさい」と言われ、
ライブ見学を再開(この時、渋さ知らズに末井さんがゲスト出演)
したはいいが、
伊藤耕は長めの「旅」に出て不在だし、
フールズ自体が不安定な状態であった。
仕方なしに『実話ナックルズ』の耕インタビューを
眺めたりしている間に、収監先で亡くなられてしまい。
長めの「旅」どころではない。
もう二度とフールズを見学することはかなわなくなってしまった。
無念。

映画はひとことで『自由な野生動物の一生』。
スクリーンには懐かしいシーンがたくさん。
稲生座のシーン、もしかしたらあの時いた様な……。
稲生座といえば、初めてお話させていただいたのだが、
でけえパック牛乳ごっくんごっくん直飲みしてて
「何で牛乳なぬ?」とお尋ねしたところ
「おう、牛乳イイぜ! お前も飲んだ方がいいよ!」と
満面の笑顔で返してくだすった。
ああ、このひとはズルいな。こんな顔するんじゃ
みんな「しょうがねえな」って思っちゃうな。
(その後、セッション相手の山口冨士夫ちゃんと大喧嘩)

上映後、一斉に拍手。
この会場の皆さんと一斉飲酒したくなるほど
高揚するほどの熱量ある作品だった。
DVDが出たら、手元に置いておきたい。

what you want?
what you wanna do?
一体何がほしいのかい
what you want?
what you wanna do?
お前にしかわからない
(what you want/THE FOOLS『Weed War』より)

誰にも指図されない、歩く「自由」・伊藤耕に
そう問われてもう30数年。
いまだ答えが出ぬまま。
自分、何がしたくて何が欲しいんだろう。

懐かしくもあり、避けて通りたくもあり、好きで嫌いな存在であった。この方達は常に満身創痍なのに痛覚がないのか、手負いである事を見せないというか、ゾンビみたいな超人なので、彼らの前で己の悩みが如何に小さいのか、己がどれほど人の目を気にして生きているのか、己がすっかり首輪をつけられてる事に気づいていないかを思い知らされるんでR。ただ彼らは訓練を受けているので決して気安く真似をしてはいけない。彼らはナチュラルボーン訓練を受けているのだ。


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