ベネフィット・コーポレーションについて

ベネフィット・コーポレーションについて、調べる機会があり簡単にまとめたもので解説します。


ベネフィット・コーポレーション概要

ベネフィット・コーポレーションとはアメリカの会社制度の一形態です。NPO法人であるBラボにより推進され各州、更には世界に広がっています。

Bラボ(B Lab)とB-Corp(B Corporation)

Bラボの誕生

まずはベネフィット・コーポレーションの設立に大きく寄与したBラボについてです。2007年にアメリカのペンシルベニアで設立されました。

中心人物の二人はAND1:アンドワンというブランドを立ち上げて成功しました。役目を終えたと思い売却したが、自分達の築いた哲学が失われていることを知りました。

そこから社会起業家や社会責任に重きを置く投資家など各種コミュニティとディスカッションや交流を進めていきます。フェアトレード認証など商品に対する制度はあったものの、企業のあり方に対する認証制度はなかった。これらをヒントに、企業が公益を考慮するB-Corpの基準を満たすかを認証するBラボを設立することとなります。

B-Corp認証について

既存の営利組織と非営利組織の考え方では、利益追求とCSRを両立させることが難しかった。これらを両立させたい社会的指向の起業家ニーズがあることが、B-Corpという認証制度へと結びつきます。

B-Corp認証が認定された企業は以下のような特徴があります。営利法人でありながら共益を目指す存在で、株主利益より社会的指向を帯びた目的の達成を優先します。

B-Corp認証として認定されるには、「The B Impact Assessment」で一定以上の点数を獲得する必要がある(200満点に対して80点以上)。
そして社会的責任にあった定款に改定する必要がある。

「The B Impact Assessment」は「ガバナンス」「従業員」「コミュニティ」「環境」「顧客」の5分野に分けて、当該企業の公益への取り組みを評価する。企業が果たすべき条件の内容は、場所、規模、業種によって変わってくる。

内容は2年ごとに更新されており、当初は9バージョンだったが2017では72バージョンとなっている。

州の制度の変遷

2007年のBラボの設立以降、B-Corpの普及活動だけでなく、週・自治体に「ベネフィット・コーポレーション」を導入してもらうためのロビー活動を行いました。既存の営利組織では株主の利益を優先しなければならないという法律上の制限ががあります。新しい企業形態では法律による保護が必要と考えたからです。
2010年にメリーランド州でベネフィット・コーポレーション法案が通過以後、多くの州で同様の法案が追加しています。更にアメリカだけでなく2015年には欧州初となるイタリアで、2018年には南米初となるコロンビアで導入と世界各国に広がっています。例えば2019年にフランスでは「Entreprise a Mission:使命を果たす会社」という会社形態が法制化されています。

ベネフィット・コーポレーションの種類

改めてベネフィット・コーポレーションですが、アメリカの会社制度の一形態です。ただアメリカの会社法は州法なので、ベネフィット・コーポレーションの携帯も州毎にことなります。

大きく分けてMBCとPBCの二つに分類することができます。

B-Corpとベネフィット・コーポレーションの違い

これまで説明したB-Corpとベネフィット・コーポレーションの違いですが、B-CorpがBラボによる民間の認証制度に対して、ベネフィット・コーポレーションは州法で規定された会社法人の一形態ということになります。

ベネフィット・コーポレーションの意義

ベネフィット・コーポレーションの意義は大きく分けると以下の2つがあると考えられます。これまで難しかった創業時の価値観の維持・継続性を可能にしたこと、そして社会的責任ある行動の追求は株主からの訴追に対し法的に保護されることです。

以上


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