サジニセニハラ ステージ7

Hello I am Saji. And this is a Senihara. Igo yoroshiku. We smoke in Okujou everytime.
「なあサジ」
「どうした、神妙な面持ちで。似合ってないぞ」
「生まれつき目が見えない人って、夢を見るのかな」
「本当にどうした、屋上で馬鹿な話が出来ることが僕らにとってせめてもの慰めなのに、そんな真面目なこと言われたら困る」
「答えろよ、先天的に全盲の人間は夢を見るか否か」
「うーん……映像じゃなくても、匂いとか音だけの夢なら見るんじゃないかな。その場合『見る』って言い方はおかしいけどさ」
「そうか……そういうことか」
「どういうことだよ。なんで急にそんなこと訊く?」
「俺って童貞じゃん?」
「そうだな。僕もセニハラと同程度の童貞だ」
「なのに昨日セックスする夢を見たんだよ。これってどういうことなのかなと思って」
「このまま真面目な話続けられたらどうしようかと思ってたから安心したけど死ねよ」
「しかもめっちゃ巨乳でエロいギャルと」
「夢の中でも夢見すぎだろ。エロ動画ばっかり観てるからそんな夢しか見ないんだよ」
「うるせえな。話を戻すけどさ、俺がたけのこの里かきのこの山かで言ったら断然きのこの山派って話」
「そんな話は微塵もしてなかったよね」
「究極の選択ってあるじゃん」
「五千桁の計算を一瞬で出来る機械」
「究極の電卓」
「どんな事件にも首突っ込んでくる奴」
「究極の詮索」
「ミニアルバムシャッフル再生」
「9曲の選択」
「誰もアガれなかった麻雀」
「流局の雀卓」
「……悔しい、もう思いつかない」
「俺の勝ち〜」
「で、究極の選択が何? ちなみに僕はたけのこの里派だ」
「やっぱりな、多分俺とサジって二択のうち絶対別の方を選ぶと思うんだよ。いくつか言ってくから答えてみ」
「いや、いいや」
「断る権利はねぇよ」
「そこは一択なのか……じゃあ良いよ」
「カレーとシチューだったらどっち? 俺は断然シチューだが」
「カレーに決まってるだろ。シチュー食べると上顎がザラザラして気持ち悪いんだよ」
「じゃあ遠くにいる恋人と近所のセフレ、どっちを取る? 俺は近所のセフレ」
「お前はそういう奴だよな。僕は遠距離でも本当に好きな人を取る」
「いかにも童貞の考えじゃん」
「浮気してその辺の好きでもない女に乗り換える方を選択することが童貞じゃない証明になんのか? クズの証明にしかならねーだろ童貞」
「一言ったら十返してくるやんこいつ怖……じゃあ、恋人と友人が溺れてたらどっちを助ける? サジが先に答えろ」
「友人かなぁ」
「俺は近所のセフレ」
「思った以上に近所のセフレのこと好きでびっくりしちゃった」
「乗り換えるの早いからね俺」
「クソ野郎だな」
「はい次。銃と剣、どっち選ぶ?」
「剣かな、銃なんか急に持っても扱えなさそうだし」
「俺は銃。やっぱり噛み合わないな」
「僕は一つ絶対に噛み合う究極の選択を知ってるよ」
「お、出してみ」
「不治の病が完治して不死身の力を手に入れるか、そのまま世界が滅亡して全員死ぬか、どっち?」
「世界滅亡」
「僕もだ」
「やりい。あ、タバコ切れた」
「噛み合った記念に一本あげるよ」
「サンキュー」

地球滅亡まであと六ヶ月。

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