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【BTSで韓国語】番外編:花様年華とRUNについて

前回の記事でRUNの歌詞を一通り訳し終えた私はこう締めた。

次は今度こそベガスコンの後にお会いしましょう!あ、でももし、万が一4月11日に何かあったらその前に来ます(やっぱり期待してんじゃん)。

そしたら本当に来ちゃったよ?!しかもベガスコン今週末じゃん!……というわけで私は今、急いでPCに向かっています。

これまでBTSを通して韓国語を復習する【BTSで韓国語】シリーズを連載してきましたが、今回は番外編。勉強はちょっと置いておいて、花様年華におけるRUNの考察を深めていきたいと思います。

その前に、このインスタね!「5/22 海」って、本当に花様年華関連のカムバ来ちゃうの?! 一応公式と言われてるようですが、花屋のブログにリンクがあるわけではなさそうだし、まだちょっと半信半疑だったりします。

というのも、実は最近ちょっと疑心暗鬼になってて。今回の件で私も自分で連載してた花様年華まとめを読み返していたのですが、このButterflyが流れる公式動画↓「BTS (방탄소년단) 화양연화 on stage : prologue」に新たに年齢制限が設けられたことを知りました(以前は大丈夫だった)。

つまりYouTubeにログインしてないと見れないし、直接検索しても出てこない(年齢確認できないから)。で、タチが悪いのが、代わりに誰かが勝手に作った Butterfly MV が非公式と明記されてない状態で検索上位に出てくるんだ。しかもアカウント名まで公式に見せかけてる。ある程度の知識があれば、色々なところから切り貼りして作ったと分かるレベルなんですが、BTS知りたての人がこういうの見たら誤解するでしょうよ。「BTSのMVすごいらしい」って期待して検索した新規さんが、その雑な編集見て「大したことないじゃん」って思ったらどうするんだよ…

著作権の問題って「自分のじゃないのに自分のだと主張してないか」だと思うんです(法律的な基準はまた違うだろうけど)。BTS関連がユルいのは、写真や動画や歌が転載されても明らかに写っているのがBTS本人だから。無料のやつであれば拡散されても有料コンテンツの宣伝になるから黙認されがちなだけで、それらを使って公式と見間違えそうなもの、事実と異なるものを制作するのは、たとえ金銭的な利益を得ていなくてもアウトだと思います。それを良かれと思ってやってるファンが結構いるのが怖い。

公式アカウントのなりすましやレベルの高い合成写真、嘘字幕や嘘吹き替えはもちろんのこと、完成度高すぎるグッズの配布/販売、嘘の情報や過去エピソードをあたかも公式からのように拡散するのも。自分が実際にソースを見たことないものは噂で聞いた程度に留めてた方がいいと思う。これからカムバも来るし、兵役のことも心配だし、ますます色々な情報が錯綜して混乱しそうですが、あまり流されすぎず、公式からの答えを楽しみに待ちましょう!

……って、せっかく花様年華を語れる機会なのになぜ私はこんな説教くさい話から始めてしまったのか。メインはこの後です! まだ帰らないで!

実はラブソングじゃない?

まずはRUNのパフォーマンス映像と共に歌詞の内容をおさらい。もう既に和訳は色々な方がしてて同じものを載せるのもなんなので、所々表現を変えて私なりの解釈を加えたものを載せます。
これまで書いてきたような直訳ではなく、ニュアンスが正確とも限らないのでご注意ください。

<RM>
君は僕にとって唯一の太陽 世界でただひとつ
でも君を求めて咲くほど しきりに喉が渇く
気付いた時にはもう遅かった
君無しでは生きられなくなっていた
枝が枯れようとも力の限り手を伸ばす
<SUGA>
手を伸ばしてもすぐに覚めてしまう夢
狂ったように走っても
また元の場所に戻るだけ
もう僕を燃やしてくれ
そう もっと突き放してくれ
これは愛に狂った愚か者の駆け足
<JIN>
もっと走らせてくれ
僕をもっと走らせてくれ
両足が傷だらけでも
君の顔さえ見られれば僕は笑えるから

〜サビ〜
<JK>
もう一度僕は走る  止まることができない
また僕は走る どうすることもできない
<JIMIN>
どうせ僕はこれしかできない
君を愛すること以外できない
<JK>
再び僕は走る 倒れてもいい
次も僕は走る 少しくらい傷ついてもいい
<JIMIN>
たとえ手に入れられなくてもそれでいいんだ
愚かな運命だねと僕を罵ればいい
〜サビ終わり〜

<RM>
(RUN) さよならなんて言わないで
(RUN) 涙が溢れてくるんだ
(RUN) 愛なんて結局偽りなのか
頼むからどうか さよならなんて言わないで

<J-hope>
全て終わったってのに僕は止まれないんだね
汗なのか涙なのかもう判別できない
僕のむき出しの愛も
(心に吹き荒れる)激しい風も(止められない)
僕をただひたすら走らせて
心臓が脈打つ限り
<V>
もっと走らせてくれ
僕をもっと走らせてくれ
両足が傷だらけでも
君の顔さえ見られれば僕は笑えるから

〜サビ繰り返し〜

<V>
数々の思い出が乾いた花びらのようにバラバラに壊れていく
<JK>
僕の指先で 僕の足元で(崩れて)
君の背を追っていく
<JIN>
まるで蝶を追うごとく
夢の中を彷徨うごとく
君の痕跡を辿っていく
<JIMIN>
道を教えてくれ
僕をどうか止めてくれ
僕に息をさせてくれ

〜サビ繰り返し〜

<J-hope>
(RUN) さよならなんて言わないで
(RUN) 涙が溢れてくるんだ
(RUN) 愛なんて結局偽りなのか
頼むからどうか さよならなんて言わないで

ちなみに今回、確認のために動画と歌詞を見比べていたら「両足」とか「指先」とかがちゃんとそういう振付になっていることに気付きました。日本語版ではまた歌詞が違うから、これが元の言語で理解する醍醐味なんだなと改めて実感できた!

歌詞の内容について言うと、普通に読めば、これ病み気味激重ラブソングですよね。イケメンにここまで想われるって一見ロマンだけど、リアルで関わったら交際中なら束縛され、別れを切り出せば警察沙汰になりそうなやつ。ぶっちゃけ私は歌詞だけ見てたら「あぁ、こういう『君さえいれば何もいらない』系の曲よくあるよね」で終わってた気がしないでもない。でも、そこにこのMVですよ。

これ見て「映像と歌詞が合ってなくない?」って思った人も多いと思うんです。I NEED U なんて girl って言ってるのに girl 出てこない(笑)じゃあ、男同士の恋愛なのかというとそういうことでもない。ここらへんで見る人たちは「もしかしたらこれはラブソングの皮を被った何かでは??」って考えるようになる(もちろんライト層には普通にラブソングとしても聴けるようにしてるところが良い)。

花様年華のストーリー上での大まかな解説は↓で書きましたので、そちらでご確認ください。

そこで触れた以外で言うと、私的には以下のシーンがこの後の展開を暗示してるような気がしています。

● 慎重にトランプタワーを積み重ねるソクジンとそれをぶっ壊すテヒョン
→せっかくソクジンが色々頑張って調整してたのに、テヒョンが7人の関係を崩してしまう

● 最後のジョングク
→おいおい車に轢かれて事故に遭う

ナムジュンとテヒョン

実はRUNにはMVだけでなくGraphic Lylics(絵本)があります。私が【BTSで韓国語】シリーズを書き始めるきっかけにもなったものです。


内容はMVとはまた全然違ってて、ナムジュンとテヒョンしか出てきません。中身を載せるわけにはいかないのですが、この動画の0:35~0:45がRUNの挿絵に当たるのでここだけスクショ。

文字は歌詞そのままだし、特に新情報があるわけでもないです。辛い日々を過ごして2人とも少しずつストレスが溜まっていっている感じや、たまにテヒョンがナムジュンが住むコンテナに泊まりに行く様子が描かれています。それにRUNの歌詞がそのまま入ってるのがまた興味深い。MVでも結構2人のシーン出てきましたよね。

2人のお話ですが、片方から片方に向けた感情というより、2人が共通して秘めている心の声って感じがします。家族や社会から愛を得られない苦しみの中でお互いうまく支え合えているように見えたけど、ナムジュンは常にしっかり者であろうとして弱い部分を見せない派だったし、テヒョンも自分の辛さを打ち明けることはなかった(ナムジュンは彼の身体に虐待の跡があることを知っていたけど、彼から打ち明けるのを待っていた)。

以前のまとめ記事では「性格が違うから補え合えた」と書きましたが、よく考えたらこの2人には「ずっとなんてことないフリをしてきたけどある日ついに爆発し、人に危害を加えてバッドエンド」という共通点があるんだな。

それを踏まえて WingsのRMのソロ Reflection と Vのソロ Stigmaを聴くとより深く考えさせられます。

そして後の Map of the Soul では RMが Persona、Vが Inner child を出してきたわけで、その歌詞の内容を比べるとまた精神的な成長が見られて「尊い……」となります。

※ ちなみに2人のことはそれぞれこちらの記事で掘り下げています。

逃避と依存

これはあくまで私独自の解釈なので色々な意見があると思いますが、私がMVと絵本を見た後に改めて歌詞を読んで抱いたRUNのイメージは「逃避」と「依存」です。

MVの皆って楽しそうにしているけど、かなり無理してる感ありますよね。鬱憤ばらしに反社会的なことをして馬鹿騒ぎ、その瞬間は楽しいかもしれないけど、一人一人がふと見せる表情はとても辛そう。愛情不足で歪んでしまった不良少年団に成り下がっている。

7人でいれば一時的に何もかも忘れてハイになれるけど、それは健全じゃない。ソクジンは「全員揃ったからこれでもう大丈夫だろ」と思ったけど「おかしいな…何だろうこの拭えない不安は…」って顔してる。

意図してるかどうかは分からないけど、この時点で割とクリアに近づいてきているホソクとジミンは比較的表情が穏やかだと思います。2人は皆と一緒にいることに加えて、己とも向き合おうとし始めたからじゃないかな。単なる偶然かもしれないけど。

誤解しないで欲しいのですが「逃避」がダメって言いたいんじゃないです。変えられない現実もたくさんあるから「悪いものでなく良いものに目を向ける」のは大切。ただ「気持ちを切り替える」と「辛いことを無いものとする」の違いというか…う〜ん、言葉にするの難しい。でもこのRUNの7人とエンドロールに出てくる現実の7人を比べてみると、わちゃわちゃしてるのは変わらないけど全然雰囲気違うのは分かりますよね。

「依存」に関して言うと、世の中には視野が広がる愛と視野が狭まる愛の2種類があると思っていて、最近のバンタンの曲は成熟して前者だけど、I NEED U や RUN あたりは後者の愛を歌っているんだろうなと。

ARMY的に言えば
「バンタンを好きになって毎日が楽しくなった、世界が広がった、アミ友もたくさんできた! 仕事大変だけど買いたいグッズがあるから明日も頑張りま〜す!」
とかが前者で
「バンタンを好きになってから他のことに一切興味がなくなりました。家事も仕事もせずに1日中彼らだけを眺めています、あの自称ARMYより私の方が絶対彼らを愛してる。グッズをコンプリートするためなら借金でも何でもします」
みたいなのが後者。サプリと治療薬とドラッグが性質似てても全然違うように、愛の形もちょっと間違えば毒になるというような。

とにかくRUNのMVはそういう理由から
「全員集合はできたかもしれないけど残念だったね、このままじゃ幸せになれないよ」by 謎の猫
という流れなんじゃないかと推測してます。

ではでは、今回はこの辺で。
オンラインベガスコン、楽しみだな〜!
韓国語勉強も追ってくださっている方は、次に House of Cards に行く予定なので、今後とも宜しくお願いします。ちなみにこちらの絵本はユンギとグクの物語になっています。

※ この次は一旦PTDのことについて書くことにしました!

【更に追加】
2曲目のHouse of Cardsも書きました。

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