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【雑記】車椅子でタクシーに乗る!

「車椅子で、タクシーで行きます」と言うと、病院のソーシャルワーカーさんは「介護タクシーを呼びましょうか」とおっしゃいます。でも、普通に街中を走っているジャパンタクシーという型のタクシーなら車椅子のまま乗れるんですよね。

個人的にはトヨタの開発者の方のお話を伺いたいです。最近、「魔改造」という言葉を聞きますが、そんな感じなんです。本当に結構凄いです。

先ず、助手席を折りたたんで、しかも前のめりにします。前方シフトではなく、助手席はお尻を上げて土下座しているような格好になるんです。そして、後部座席を上にはね上げて、これで乗り込むスペースを作ります。

次にトランクからスロープを出して組み立て、乗り口に設置します。車椅子で車内に入り、方向転換して前向きの状態でブレーキをかけ、ベルトで固定し、シートベルトをします。これでオッケー。

運転席側の後部座席は車椅子を方向転換させた後は普通にシートを元に戻せますから、付き添いも同乗できます。

これで普通の料金なんです。有難い、有難い。トヨタさん、よくぞ考えてくれました、作ってくれました、な感じです。

ただ、ですね。街中で流しているタクシー、いくらジャパンタクシーだからって、それを手を挙げて止めていきなり車椅子で乗れるかと言うとちょっと厳しい気がします。

今回、家族が立てない、歩けない状態になって一時期、車椅子のお世話になりました。車椅子のまま、タクシー、バス、電車に乗りました。

バス、電車は特に何も問題なく乗車できます。事前の予約的な連絡もなく、いきなり行って大丈夫でした。バスは運転手さんがすぐスペースを空けてスロープを設置してくれます。電車は改札で駅員さんに言うと、少し待たされる場合もありますが、誘導してくれて電車の扉にスロープを設置してくれます。降車駅にも連絡して待ち構えていてくれます。

タクシーはジャパンタクシーを指定して迎車をお願いしました。結果、運転手さんだけで準備ができた方は半々でした。半数の運転手さんはご自分一人では車椅子を乗せる準備ができなかったんです。

どうなったかというと、例えば、大きな病院で迎車をお願いしたときは駐車場係の病院スタッフがいらっしゃって、その方が習熟していて運転者さんにレクチャーしてくださいました。習熟者がいなかった事例では、私と病院の看護師さんとで一緒に運転手さんが持っていた図解マニュアルを見ながらああでもない、こうでもないと手伝って、運転手さんも電話で会社に問い合わせて40分かかって準備しました。正直、この時はいつ「チェンジ」を伝えようか内心泣きそうでした。

この40分の運転手さん曰く、4年前にタクシー運転手になった際に研修を受けてそれっきりだったそうです。「一度も車椅子を乗せたことがない」とおっしゃってました。

一方、「準備に10分くらいかかりますので屋内でお待ちください」と言いながら5分くらいで準備を終えた運転手さんもいらっしゃって。その運転手さんは、「今日は抜き打ちで車椅子が乗るぞ。当たった奴は頑張れ」的なことを言われた抜き打ち研修日に大当たりで大変な思いをして車椅子を乗せる準備をした、でも自分で1回やるとコツが分かるから大丈夫、とおっしゃってました。

で、最初の話に戻りますが。
車椅子でタクシーに乗ると言うと「介護タクシーを呼びましょうか」と言われますが、車椅子の皆様はもっとどんどん普通のジャパンタクシーに乗ったらいいんじゃないでしょうか。流しているのを止めて乗り込むのは厳しいですが、通常のタクシー乗り場じゃなくて、ちょっと離れたところで準備できるような場所であれば普通は10分から15分くらいで準備できますから。そうして、運転手さんも「運転手になってから一度も車椅子を乗せたことがない」と言うのではなくて「またかよ」と言うくらいの頻度になればどの運転手さんも大丈夫になると思うのです。

ちなみに。どうしても流しているタクシーを止めて車椅子で乗り込む場合は、ピンクの車椅子シールの方がいいと思います。シールはピンクとグリーンの2種類で、スロープの耐荷重の差とされています。グリーンが200kg、ピンクが300kgというのが仕様です。電動車椅子が100kgくらいあるそうで、これに対応するために耐荷重を増やしたのがピンクです。が、結果的に古いタイプの機材がグリーン、新しいタイプの機材がピンク、となったようで、「ピンクの方がスロープの組み立てが簡単、やり易い」と運転手さんはおっしゃってました。

どのような身体的条件の人でも同じように気軽に出かけられるような世の中になって欲しいです。

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