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深夜の公園で全力でブランコに乗ったゲイ(30歳)

諸事情あってAM4時まで待機する用事があったゲイの私。
現在AM2時。カフェやファミレスは開いていないしカラオケの気分でもない。
バーや居酒屋に飲みに行けば無駄に金を使う。

仕方ないので、深夜の散歩を始めた。
しかし、荷物が多く歩き回るのが辛くなってきた私は、通りかかった公園で、大人しく不審者のようにウロウロすることにした。

露出狂とかの趣味でもあれば結構な時間潰しにもなったかもしれないが、特に自分の何かを人に見て欲しいみたいな欲望はなかった。
いや、厳密に言えばnoteなんかには自分の内面や言わなくてもいいことまで曝け出しているから、心理的には露出狂の趣味があるのかもしれない。

だから公園に辿り着いてもなお暇だった。

猫でもいれば、遊べるのになあ。
なんて思っていたけど、不意に「ブランコ漕いでみたらどうかな」なんて思いついた。

子供の頃はブランコ好きだったなあ。
いつから、ブランコを見ても「関係ない」って思うようになったんだろう。

思い立ったら即決断するタチだった私。
ちょうど、なぜかカメラスタンドにもなる自撮り棒を持っていた。
ブランコに乗っている私を撮影して、全力でブランコに乗ったらネタになるんじゃないか。
ちょうどnoteに何書くか困ってたところだ。
そう思った私は、即自撮り棒をセットして動画撮影モードにして、ブランコを漕いでいた。

まず立ち漕ぎ


動画で見るとなんてことないけど、正直一番高いところに到達した時マジで怖かった。
自分はあの時の身軽で体重の軽い坊やじゃない。
前回ブランコを漕いだ時の、2倍以上の体重になっていたと思う。
今は約90キロだから、多分そうよね?そうそう子供が体重45キロ越えることないわよね?

子供の頃はたとえブランコから落ちても30キロだか40キロだかの状態で落下だから、死ぬほど痛いだろうけどそんなに大怪我はしないだろう。
でも、90キロの私がもしブランコから落ちたら、脊椎損傷だの頭が割れるだの、恐らく大惨事なはず。

実際、体重90キロの状態で走っている最中に転んだことがあったんだけど、あん時のダメージはマジで半端なかった。
子供の頃は転んでも「いったーい⭐︎」みたいにすぐ起き上がって走り出す余裕があったけど、大人になって転んだら、まず起き上がることができない。
全身が痛いし、声すら出ない。
地面に打ちつけた部分は2、3週間痛んだし、地面(アスファルト)で擦った部分は服はズタボロ、傷も広範囲で、大判絆創膏を数枚使わなければ覆えない大怪我だった。
大人になってする怪我は、子供の頃のダメージどころではない。

というわけで、立ち漕ぎ中の私は死を覚悟している。
命懸けの立ち漕ぎを見よ。

続いて、座り漕ぎ。

これは立ち漕ぎとは違ってそんなに命の危険を感じなかった。
でも、辛いことが。

大人のケツが入るサイズではない。

ブランコの鎖が、常にケツ両脇の骨をキリキリ圧迫する。
ブランコを動かすたびに締め付けられ、痛いのなんの。
恨みでもあるかのように圧迫してくる。マジで。
本気で痛い。

あと、両太ももが限界まで圧縮されるので、行き場をなくしたキンタマがケツ下に押し出され、ケツとブランコでキンタマに圧をかける形になる。それも痛い。
運が悪いことに、今は私は禁欲中だった。
毎日一回は放出していた私のベイビーたちは、ここ数日私のキンタマにずっと押し込められて、おしくらまんじゅう状態。だからきっと私のキンタマは、普段以上にハリがあったはず。
そんなキンタマを限界まで圧迫する。

別に誰かにやれと言われたわけでもないのに、ケツの両端を圧迫されキンタマを圧迫され、苦痛に耐えながらブランコを漕ぐ。

私もう30歳。彼氏も作らず仕事もパッとせず、何やってんだろ。マジで。

正直、露出狂でもやってた方が生産的だったかもしれない。
そんなことを思っていると、もうすぐAM4時だった。

童心に帰りたくてブランコに乗ったけど、悲しい意味で心も身体もすっかり大人になったんだな。子供に戻るなんて、もう無理なんだ。
17時近くの公園、みんなの笑い声、思いっきり漕ぐブランコ、夕焼け小焼けのチャイム…
あの時代は2度と戻ってこない。

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