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書評(相続関連参考書)「相続放棄」がわかる本

相続の相談を受けているときに、避けて通れない話題が「相続放棄」。
実態のわかりづらい「相続放棄」の仕組みとその恐ろしさについて
詳細に記載してあるのが本書です。稀にみる良書だと思います。

著者の方の実体験をもとに各種の説明がされているので、とてもイメージがしやすく、そして思わぬ事態として降りかかってくる「負債相続」の恐ろしさを疑似体験できる内容となっております。

「うちの親は財産がないから相続の事は心配しなくていいや」と思う前に。
親が事業を経営していたり、借金の保証人になっていたりという可能性が廃除できない推定相続人の方は、あらかじめ本書に書いてある知識を得ていれば、いざという時に慌てなくてすみます。

相続といえば、思いもかけず幸運にも、親や親族の多額の財産を受け取るという、光の一面だけでなく、こういう暗い一面もあるのです。

「ねえ、不動産や借金の相続については、甘く見ずによく考えたほうがいいわよ。」

特筆すべきは第3章にて、今話題の「負動産」の相続の知られざる一面も丁寧に解説しています。親や親族がのこした「有用性、流通性の少ない」不動産を受けたくない時に「相続放棄すればいいんでしょ」と安易に考えるのは
楽観的過ぎると痛感します。相続放棄した不動産の「管理義務」についての説明は大変勉強になります。

2023年8月13日時点のAMAZONでは、新刊の販売は無く、中古書のようです。このような良書の新刊が手に入らないのは残念であります。私は数年前に大型書店の棚でたまたま見つけました。本書との出会いは「僥倖」と感じています。


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