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【資格】統計検定2級 CBTに独学で最低限の時間、最短ルートで合格するための効率的・効果的な勉強法・問題集・参考書をまとめてみた

▶はじめに

 今回、統計検定2級のCBTを受験し、(合格点ギリギリですが)無事一発合格することができました。
 本記事では、忙しくて勉強時間が取れない方向けに、独学で、最低限の勉強時間で最短ルートで合格するための効率的・効果的な勉強方法やおすすめの問題集、参考書CBTの特有の注意事項を書いていきたいと思います。

▶統計検定2級 CBTとは

  • 「統計検定」は、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。データに基づいて客観的に判断し、科学的に問題を解決する能力は、仕事や研究をするための21世紀型スキルとして国際社会で広く認められています。

  • 統計検定にはいくつも種別がありますが、このうち「統計検定2級」は大学基礎課程(1・2年次学部共通)で習得すべきことについて検定を行います。
    (1)現状についての問題の発見、その解決のためのデータの収集
    (2)仮説の構築と検証を行える統計力
    (3)新知見獲得の契機を見出すという統計的問題解決力
    について試験が実施されます。

  • CBTとは「Computer Based Testing(コンピュータ ベースド テスティング)」の略称で、紙による試験ではなくコンピュータを使ったネット試験方式のことです。統計検定の種別のうち1級のみが紙(PBT方式)による試験で、それ以外の準1級、2級などはCBT方式で実施されます。

▶統計検定2級の出題内容

○問題構成・配点・出題内容
統計検定2級では、以下の内容がまんべんなく出題されます。

  • 1変数データ(中心傾向の指標、散らばりの指標、中心と散らばりの活用、時系列データの処理)

  • 2変数以上のデータ(散布図と相関、カテゴリカルデータの解析、単回帰と予測)

  • 推測のためのデータ収集法(観察研究と実験研究、各種の標本調査法、フィッシャーの3原則)

  • 確率(統計的推測の基礎となる確率、ベイズの定理)

  • 確率分布(各種の確率分布とその平均・分散)

  • 標本分布(標本平均・標本比率の分布、二項分布の正規近似、t分布・カイ二乗分布、F分布)

  • 推定(推定量の一致性・不偏性、区間推定、母平均・母比率・母分散の区間推定)

  • 仮説検定(p値、2種類の過誤、母平均・母比率・母分散の検定[1標本、2標本])

  • カイ二乗検定(適合度検定、独立性の検定)

  • 線形モデル(回帰分析、実験計画)

▶統計検定2級 CBTの合格戦略

(1) 基礎・標準問題重視

  • 実際に受検してみると良く分かりますが、基礎・標準問題が中心の出題となっており、解くのに時間が膨大にかかる難問はほぼ出題されません。

  • よって、戦略としては、基礎・標準問題を確実に見極めて解くことができるか、また、苦手な問題などで時間を無駄にロスすることなく、思い切って次の問題に移れるかも大事です。

  • また、私が受検したときには、複数ページに跨ったり(パソコンの画面で言うと縦スクロールが何度も必要となる)、1つの問題(テーマ)で小問が3問以上続いたりするような長文の問題も出題されていませんでしたので、紙の試験とは異なり、CBT特有の配慮がされているように感じました。

(2) 過去問重視

  • CBTでは過去問の中からランダムに出題されるようで、実際に見たことのある全く同じ問題も出題されましたし、古い過去問の問題もそのまま出題されていました。

  • よって、過去問を複数年度分解いて、色々な出題パターンに慣れておくことが重要になってきます。勉強時間が限られている場合、同じ年度のものを何度も繰り返しやるよりは、1度でも良いからできるだけ複数年度のものを幅広くやる方が良いのではないかと思います。

(3) 一発で正確に最後まで解き切る力

  • 試験時間は90分で、問題は(私が受検したときは)32問が出題されましたので、1問あたり2~3分で解くというスピード力が必要になります。また試験時間内に全問解き終わらず、仮に後ろの方の問題に自分が解ける問題があった場合は非常にもったいないことになりますので、制限時間内に最後まで必ず解き切る時間配分を常に意識しましょう。

  • また、見直し時間が十分に取れるとは限らないので、各分野の基礎・標準レベルの問題を、見直し時間なし一発で正確に時間内に解く力をつけることが重要です。

  • よって、戦略としては、解法が思いつかない場合や、一旦解いたがその数値が選択肢に見当たらず、計算間違いもなさそうな場合は、とにかく、何かの選択肢を(山勘でも良いから)選んで次の問題に移ることが大切だと思います。選択肢から何も選ばずに次に進むと、あとからその問題に戻ってくる時間がなくなったときに、その設問に点数が入る確率が0になってしまってもったいないので、絶対に何か選択肢を選んでから次の問題に進むようにしましょう。

(4) CBT特有の解き方を予め試しておく

  • CBTでは、問題はコンピュータ画面で表示されるため、余白に計算やメモを書き込みすることができません。よって、紙の問題集で問題用紙の文中や余白に計算やメモ、チェックや印を記入していた方は、CBT特有の解き方に変更する必要がありますので、注意が必要です。

  • また選択式の試験問題のコツとして全般に言えることですが、問題をざっと読んだ後、すぐに選択肢を見ることも大事です。これにより、例えば以下のような失敗に陥るのを防げます。
     ①問題を読んだ後、すぐに早とちりして計算をし始めた
     ②苦労して答えを導き出した
     ③その後、初めて選択肢を見た
     ④実は本問は、答えではなく途中の計算式を選ぶ問題だった
     (つまり答えをわざわざ計算することは不要だった)

  • 会場に持ち込めるものは「電卓のみ」です(時計も持ち込めません)。

  • また、会場で貸与されるのは以下の3つです。

    1. 計算用紙2枚(罫線入りA4サイズでラミネート加工したもの)

    2. 水性ペン2本(細かい、小さい字が書けません)

    3. 統計数値表(正規分布表、t分布表など)

  • よって、普段の勉強のときから以下の方法で行うのが良いと思います。

    1. 計算やメモは、A4の罫線入りの別用紙に記入するようにする。

    2. 計算用紙を使うときは「行頭に問題番号」を必ず書く。

    3. 水性ペンを使って計算式を書くことに慣れておく。

▶役に立ったWebサイト・問題集・参考書と勉強法

(1)『とけたろう ブログ』★★★★★

  • もし「統計検定2級に最低限の勉強時間で最短ルートで合格すること」が最優先の目的であれば、本ブログと動画で勉強するのが最適だと思います。私が、合格することができたのは、とけたろうさんのブログのおかげと言っても過言ではありません。

  • 統計検定2級に必要な知識だけを厳選して約20の記事とYouTube動画が作られているので、ムダなことを覚える必要が一切なくなります。特に『【完全網羅】統計検定2級チートシート』のMECEさは最強で素晴らしいです。

  • 私の学習方法ですが、以下の方法で進めました。

    1. 『とけたろうブログ』の統計検定2級のYouTube動画を第1回から順に(時短のために)1.25~1.5倍速で見る。

    2. 動画で分りにくい部分は、何回か動画を見たりブログ記事も併せて読む。

    3. できるだけ早く全動画を見て、全範囲を終わらせることを最優先する。

    4. 『【完全網羅】統計検定2級チートシート』のスクリーンショットをiPadに取り込む

    5. 過去問を解く。

    6. 過去問を解いたときに使った知識・解法は『【完全網羅】統計検定2級チートシート』のどこに書いてあって、また自分が苦手で間違いやすいのはどこかを、追加で書き込んでいく。

    7. 試験前にメモが追加された『【完全網羅】統計検定2級チートシート』をざっと見て総復習する

(2) 『公式問題集(過去問)』★★★★★

  • 過去問の中からランダムに出題されますので、過去問を複数年度分解いて、色々な出題パターンに慣れておくことが合格への近道になります。

  • もし勉強時間が限られている場合、「同じ年度のものを何度も繰り返しやる」よりは、できるだけ色々なパターンの問題に触れる目的で、「1度でも良いから複数年度のものをやる」方が良いのではないかと思います。

  • 私の感覚で恐縮ですが、統計検定2級の過去問は、出題傾向・難易度の観点で大きく以下の3つに分けられると考えています。
     ①2016年以前
    2017〜2019年
     ③2021年
    (2020年はコロナで試験中止)
    今回CBTで実際に出題された問題と一番傾向が合っているのは「①2016年以前」だと思うので、過去問をやる順番は「①>②>>③」が良いと思います。

  • 最近はCBT対応版の公式問題集も出版されているようです。私は購入していないので詳細は分かりませんが、レビューを見る限り、収録されている問題数が少ないようなので、この1冊だけで数多くの問題に触れるのは難しいかもしれません。是非、書店等でお手に取って、中身やレイアウトを確かめてから購入するのが良いと思います。

(3) 『統計WEB(統計学の時間)』★★★★☆

  • もし「統計学の基礎をしっかり身につけること」が最優先の目的であれば、本Webサイトが最適だと思います。基本的な用語の説明から統計検定2級の合格に必要な知識を漏れなく解説していますので、このWebサイトの内容を理解できれば、間違いなく高得点で合格できるはずです。

  • このWebサイトの唯一の欠点は、量が多いので前から順番に学習していくと出題範囲の全内容が終わらない可能性があることと、あとで試験に出る要点だけをざっと復習するということが難しいということです。

  • ただ、基礎から丁寧に分かりやすく解説しているため、勉強時間が取れる人にとってはとても良い学習ツールだと思います。

(4) 『予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」(確率統計)』★★★☆☆

  • ヨビノリたくみさんが運営している『予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」』のYouTubeチャンネルにも「確率統計」の再生リストがあって、推定・検定に関する内容を中心に動画がアップされています。

  • 勉強していて、「そもそも推定って何? 検定って何?」というイメージが掴みにくかったり、「不偏分散はなぜn-1で割り算するのか?」「信頼区間の95%って結局何が95%なのか?」を知りたい場合は、この動画を見ると「そういうことか!」と分かるようになると思います。

  • ただし、これらの動画を全部見ても統計検定2級で必要な知識が網羅的に身につくわけではありませんので、自分の苦手な内容を見たり、なぜそうなのかのイメージを掴みたい場合に、該当の動画を見るという活用方法が良いのではないかと思います。

(5) 電卓『シャープ EL-G37』★★★★★

●日商簿記・税理士・公認会計士・不動産鑑定士の資格を取得する人向けに、簿記や商業計算の勉強をする人のために開発された電卓です。
●電卓は、シャープ製とカシオ製のどちらかに好みが分かれますが、私個人はこの電卓を購入して良かったと思っています。

▶CBT受検の流れ・コツ・ノウハウ

(0) 事前の受検申込

  1. 「オデッセイ コミュニケーションズ」が運営するサイトで「試験会場」を探します

  2. 試験会場(パソコン教室など)に直接連絡して、受検日時の確定、申込書の送付、受検料支払いを行います。

  3. Odyssey IDとパスワードを登録しておきます
    IDとパスワードは、統計検定2級の受検当日にログインする際に必要になりますので、忘れないようにしましょう。)

(1) 当日の試験開始前

  1. 試験会場に着いたら、本人確認の後、注意事項を渡されますので読んでおきます。

  2. 試験場所(席)に持ち込めるものは「電卓のみ」です(時計も持ち込めません)。

  3. 試験場所(席)で貸与されるのは以下の3つです。

    1. 計算用紙2枚
      罫線入りのA4サイズの計算用紙でラミネート加工したものが2枚
      渡されます。不足した場合は、試験中に申し出れば追加でもらえるようです。

    2. 水性ペン2本
      細かい、小さい字が書けません。
      また、間違って書いた場合は指で消すことになりますが、きれいに消えないですし、かつ指が黒くなります。

    3. 統計数値表
      正規分布表、t分布表などは個別に渡されます。
      パソコン画面に表示されるわけではありません。

  4. 試験場所(席)では、デスクトップ型パソコンと大画面ディスプレイ、外付けキーボード、マウス、デスクが用意されていると思いますので。キーボード、マウス、電卓、計算用紙、統計数値表の置き場所を決めます。
    注意事項としては、自分が受検する試験会場によりますが、パソコン教室の座席の一角(隅っこ)が割り当てられている場合、他人がパソコン教室で相談や会話をしている同じ空間で、一人だけ試験を受けているというシチュエーションになります。会話が気になって試験に集中できなくなりますので、ヘッドフォンを借りて周りの会話・音ができるだけ入って来ないようにしましょう(それでも聞こえてしまいましたが(笑))。

  5. 事前に登録しておいたOdyssey IDとパスワードでログインします。
    試験中のパソコン操作では、マウスで選択肢やボタンをクリックするか、キーボードで選択肢の数字を打ったり削除したりするだけです。
    念のため、数字や削除キーの位置を確認し、IDやパスワードを入力する際に、数字が正しく打てるか、削除できるかを合わせて確認しましょう。

  6. 心の準備ができ次第、「試験開始」ボタンを押して試験を開始します。

(2) 試験開始直後

  • 「試験開始」ボタンを押すと、試験が開始され、タイマーが1:30:00からカウントダウンされていきます。

  • 一般的に「最初にざっと全問目を通してから、解けそうな問題から解答する派」と「最初に全問題は見ずに、前から順に問題を解く派」がいると思いますが、私は、画面を行ったり来たりするのは時間がかかることと、どっちみち全問解答する必要があることから、統計検定2級のCBTについては「最初に全問題は見ずに、前から順に問題を解く派」がベターだと思います。

(3) 試験中 ~画面操作編~

画面は以下のような構成になっています。

  • 【左下】タイマー表示(1:30:00→00:00にカウントダウン)

  • 【左上】現在の問題番号/全問題番号

  • 【中央】問題文と設問・選択肢が表示されます

  • 【下側】「前へ」「次へ」のボタンで前の設問、次の設問に移動します

  • 【右上】「あとで見直す」にチェックを入れておくと、最後まで問題を解き進めた後に表示される「確認画面」から「あとで見直す」のチェックを入れた問題がどれかを確認出来たり、任意の問題に直接ジャンプして戻ることができるような画面構成になっています。ただし私の場合、全部解き終わったときに10分弱しか時間が残っておらず、「あとで見直す」に結構チェックを入れていたのですが、結局、全問の見直しはできませんでした。現実は、各問題に戻ったところで、さっきまでは自信を持って解答できなかった問題が、今になって急に解けるようになっているわけではないので、現実的には、問題の見直しはなかなか進まないまま、時間だけがどんどん過ぎて行ってしまうという状況になると思います。

CBTスクリーンイメージ (出典)https://www.toukei-kentei.jp/exam/grade2/

(4) 試験中 ~計算用紙編~

水性ペンを使ってラミネート加工された計算用紙に記入することになりますので、以下の方法で行うのが良いと思います。

  1. 「行頭に問題番号」を必ず書く
    もしこれをしないと、どこに何番の計算をしたのかがぐちゃぐちゃになって分からなくなります。

  2. 計算の途中結果など、計算用紙にわざわざ書かなくても済むものはできるだけ書かずに、電卓だけで済ませる。

  3. 水性ペンを使って計算式を書くことに慣れておく。
    私もそうでしたが、シャーペンやフリクション等の文字の細さ、小ささに慣れ過ぎていると、水性ペンで書いたときの文字の太さに愕然とし、その違和感をずっと感じながら試験の終了を迎えることになります。

  4. 書き間違えたときには指で消す
    計算用紙で書き間違えたときには、指で消すことになります(わざわざ書き直すと時間が足らなくなります)。
    ただし、指で消してもきれいに消えませんし、指もどんどん汚れていきますので、この計算用紙のやり方が本当によいのか?もっと良いやり方はないのか?は少々疑問が残ります。
    (簿記検定2級のCBTのように、紙の計算用紙とボールペンを貸与するのでも良いのでは?と思いましたが、統計検定2級のCBTはパソコン教室の一角で実施されるので、紙の計算用紙とボールペンだと不正の発見がしにくくなるからなのかもしれません。)

(5) 試験終了時

  • 最後の設問まで行った後、自分で画面下の「試験終了」ボタンを押すか、タイマーが0になると試験終了となります。

  • 試験結果が表示される前に、アンケートに回答します。結果が分からない状態のモヤモヤした気持ちで入力することになります。

  • その後、合計評価得点と分野ごとの正解率、合否結果が表示されます。
    結果表示の瞬間はとても緊張しましたが、ギリギリですが何とか合格できました!無事合格できて、ホッとしました。

  • 結果をプリンタに印刷してもらって、教室を出ます。

  • 正式な合格書は4~6週間後に自宅に郵送されます。

以上の内容が、皆さまの統計検定2級の合格のために、少しでもお役に立てれば幸いです。
皆さまの合格をお祈りいたします(祈)

▶統計検定2級まとめシート【限定公開】

とけたろうさんのYouTube動画を見ながら、自分の頭の整理のためにまとめシートを作っていました。最後の方(回帰分析)まで手が回りませんでした(笑)が、もしご興味ある方は、以下に限定公開していますので、ご確認ください。

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