淡々と

気づけばもう冬といえる時期なんだ。今年は台風が激しかったせいか、お向かいの家の柿の木は緑のまま葉を落として、正面のケヤキの木は、ゆらゆらとゆれたまま。
いったいここはどこなんだ?とふと思えば、横にはいつものようにさこちゃんが寝そべっていて、家族たちはそれぞれの時を過ごし、私もただここにいる、それだけの日々。

もともとここは、よなよなの原稿を書くリハビリのためにはじめたのだけど、その必要もなくなるくらい、パソコンを開けば、コメント欄と共に生きるような日々であった。ここ数ヶ月。
追われるほどではないけど、追っかけさんたちって、常に先頭を死守するから、中身よりマメさとスピードが命の方たちだから、その対応には追われていた気がする。
ノリは違うけど人は人だから、ただ淡々とくる球を打ち返す。まるでテニスそのものだ。
「こういう球なら打つけど、こういう球なら打たない」などと考えることさえなく、ただ拾うのみ。

そういえば中学のとき、テニスの練習のとき、いつも私と打ちたがる子がいて、毎回すごい勢いで目の前にやってきて私を独占するわけだが、同じ球って飽きてくるから、「他の人とも打ちたいんで、もういいかな」と断ったら、「まみこちゃんには私の気もちなんてわからないのよ!」と泣きだして、泣いてくれたおかげで、二度と打ち合うことはなくなった。
私のこと、嫌いだったんだろうなぁ、なのになんで打ちたがるのだ?エースの私が打ち返しやすい球を返してくれることで、打てた気になる、その瞬間を愛していたのか?さみしいことよ。
でもだからって知ったこっちゃないので、たぶん、これからも球が飛んできたら、どんな球でも選り好むことなく淡々と打ち返して、飽きたら去るのだろうと思う。
なぜって、球しか見てないから。