聖なる鹿殺し_

『聖なる鹿殺し』バリー・コーガンという俳優を知ってください。 3/3~公開

映画鑑賞メモ

原題:the KILLING of a SACRED DEER ★★★★★

『ロブスター』を手がけたギリシャの異才、ヨルゴス・ランティモス監督の最新作『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』。カンヌ国際映画祭にて脚本賞を受賞しています。

東京国際映画祭のディレクターである矢田部吉彦氏が、昨年のカンヌで本作を観た際、バリー・コーガンについて「とんでもなく気持ち悪い。あの上手さはすごい」と褒めていたので(?)以来、待望していた本作を観ることができて本望でした。

え、バリー・コーガンて、誰? といいますと、


本作でコリン・ファレル演じる心臓外科医と、ニコール・キッドマン演じるその妻の家庭を言い知れない恐怖に陥れていく少年マーティンを演じています。

アイルランド出身、1992年生まれの25歳。現在、日本ではマイケル・ファスベンダー主演『アウトサイダーズ』、そしてIMAXなどで再映されている『ダンケルク』に出演しています。

『ダンケルク』では、少しでも“役に立つ”人間になりたくて、兵士の救出に向かうミスター・ドーソン(マーク・ライランス)の船に乗り込む素朴少年ジョージを演じていた彼です。その結果、不運な事故に巻き込まれてしまった、あの彼です。

気になった方には『ベルファスト71』もおすすめしておきます。


あらすじ

心臓外科医スティーブン(コリン・ファレル)は、美しい妻(ニコール・キッドマン)と2人の子どもに恵まれ、郊外の豪邸に暮らしています。スティーブンは、父親を亡くした少年マーティン(バリー・コーガン)を何かと気にかけていました。しかし、あるとき彼を家に招き入れたときから、家族に奇妙なことが起こり始めます。

まずは弟のボブが、続いて姉のキムが突然歩けなくなってしまいます。やがて、スティーブンは容赦のないある選択を迫られることに…。


終始、バリー・コーガンの不気味さに目を奪われます。その上に、『ダンケルク』並の不協和音が鳴り響き、作為的な「気持ちの悪さ」が全編を支配します。オープニング早々から目を逸らしたくなる画なんて、何年ぶりのことか。

ズームアウトされる瀟洒な外科医宅や清潔な病院。それが意味するものは、一見、上品で穏やかな生活の中にこそ不穏さは存在し、得体の知れないものがそこには渦巻いている、とでも言いたげ。

その一方で、後半、緊迫する場面では登場人物にズームイン。そこにいるのは、この彼らです、とも言わんばかりに。

ギリシャ神話がモチーフとなっており、深読みしようと思えばいくらでもできるであろう物語なのですが、私は本作のようなバリーくんが観たかったので、良しとします。

実に細やかな演技。

劇中同様に、若い才能にコリンやニコールというベテランがすっかり翻弄され、舌を巻いているようにも思えてきます。

バリーくん演じるマーティンのお気に入りの映画や、家族を救いたいがためのニコールの選択など、苦笑するところはあれど、観る者の耐・不快度数を試すかのような物語、

決して嫌いじゃありません。


ちなみに、1つの驚き。

スティーヴン(コリン)の長女キムを演じていたのは、ディズニーの『トゥモローランド』でアテナ役を演じ、“天使すぎる”と話題を呼んだラフィー・キャシディでした。すっかり大きくなって。




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uerei

笑う。泣く。考える。深まる。人を思う。夢を追う。未来を望む。豊かになる。そんな映画を(時々ドラマも)紹介していきたいところ。noteは偏愛炸裂。GoT/マーベル/SW/猫映画/青春映画/英国/グリーフワーク。シネマカフェ、青山シアターマガジンなどに寄稿中

2018年鑑賞録

劇場、試写会、Netflix・Amazonなどの配信、有料チャンネルなどで観た映画・海外ドラマの備忘録 in 2018
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