サーチ

『search/サーチ』これぞ記憶を消して、もう一度観たいやつ。 公開中

原題:SEARCHING  ★★★★★

※画像をクリックすると公式サイトに飛びます。

全編100%、PCの画面だけで展開するサスペンス・スリラー。前のめりになりながら、何度も裏切られながら(いい意味で)楽しみました。これもまた可能なら記憶を消して、もう一度、改めて観たいやつ。

以前にもYouTubeやホームビデオなどの映像をつないだものとして、『クロニクル』や『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』、PC上のSNSだけによる『アンフレンデッド』などがありましたが、

この映画も、Facebookやinstagram、tumblerなどのSNSや、iMessage、FaceTimeなどでのやりとり、Googleで検索した内容、YouTubeなどのライブニュース映像で全編が構成されている画期的な映像手法の作品。

それだけではなく、喪失感や悲嘆と向き合えずにきた父と娘の再生の旅路でもあり、最後の最後までどんでん返しがあり、真相がわからない! という家族のドラマとしても、スリラーとしても大変見応えのある作品。


その“友達”は、“友達”ではない…

開始5分たらずで、『カールじいさんの空飛ぶ家』のごとく彼らがどんな家族だったのか、どんなことが起こってきたのかを、インターネットテクノロジーの発展とも絡めながらPCの画面だけで見せていきます。その演出だけで、すでに涙腺がやばめ。

また、SNSなどで、1度感情にまかせて思いの丈を書いてみたものの、やっぱり…と思い直して全消し、無難にコメントし直すという、誰しも経験があるだろう事象があったり、

Facebookでつながっている“友達”が、“友達”ではなかったりと、

現代に、ネット、PC、スマホ、SNSとともに生きる人々に思い当たる節がありすぎ。

しかも、時の経過をスクリーンセイバーで見せたり、カーソルの点滅だけで感情が理解できてしまったりと、いちいち巧み。

スクリーンの中のPC画面に映る、娘を探す父(『スタ-・トレック』のジョン・チョー!!)と同じ感情を共有しながら、一瞬たりとも飽きさせない作りになっています。

序盤の“SEARCHING”(娘探索)で、ちょっとだけ、何となく心に引っかかっていたことが、後々効いてきます

とてもよくできた、この時代らしい1作。

ネタバレを踏んでしまわないうちに、ご覧いただくことをオススメします。

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