しあわせの絵の具_main

『しあわせの絵の具』魂の温もりが見える色づかい…画家モード・ルイスをサリー・ホーキンス熱演 3/3(土)~公開中

映画鑑賞メモ

『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』原題:MAUDIE ★★★★☆

若年性関節リウマチを患いながら、猫や動物たち、カナダの自然を絵に描くことと不器用が過ぎる夫エベレットをこよなく愛した画家のモード・ルイス(1903-1970)を描いた実話。

当時、アメリカのニクソン副大統領も彼女の絵の購入者だったそうな。

『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー賞主演女優賞候補になっているサリー・ホーキンスが、こちらでノミネートされても全然おかしくなかったよ! と思うほど、終始背中を丸め、不自由だった手で絵筆を握り続けたモードを熱演。

サリーは、描かれる絵が持つイメージそのままに、素朴で温かくて、でも芯が強いモードそのものに見えました。

『パディントン2』の絵本のさし絵画家・ブラウン夫人さながらに、絵本作家の両親を持ち、自身も当初はイラストレーター志望だったというサリー。モードの役作りのために素朴派画家の絵画クラスにも通ったといいます。

ブラウン夫人も、『シェイプ・オブ・ウォーター』のイライザもそうですが、素朴で普通っぽいルックスと“不思議ちゃん”風なキャラからは想像もつかないほど、情熱的というのか、ほとばしるような魂の熱さを秘めた女性は本当にお似合い。

対して、夫のエベレットを演じたのはイーサン・ホーク

孤児院育ちで、愛を知らず、いまを生きるのに精一杯だった男は、当初、モードに暴力を振るったこともありました。

そんな粗野な心を、少しずつ解かしていったモードを演じたサリーとのコンビも絶妙で、何だかイーサン・ホークが高倉健のようにも見えてきたり

『シェイプ・オブ・ウォーター』でサリーの愛に感動したならば、こちらもぜひオススメです。



(c)2016 Small Shack Productions Inc. / Painted House Films Inc. / Parallel Films (Maudie) Ltd.

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