赤い薔薇に込める想い

真っ白な鳩が肩に止まり
僕に　君の朝を知らせる

遠い空
僕のため息

赤い薔薇

あなたの愛するあの人は　すこぶる元気だと

白い鳩はそう告げた

それから

部屋中の白い壁が色鮮やかな　桃色になり　
春の陽光に包まれる　君の微笑みをうつしながら

僕には　会いたい人がいて
その人の居場所まで　空に道があり
時間も何もかも　超えて行けるのに

会いたくて

会えなくて

赤い薔薇の棘　刺さる想い

君の指が　傷だらけにならない様に
すべての棘を　とったから

赤い華の痛みはなくなって
君を不安にするものもなくなって
あなたは心置きなく
好きを楽しむ

僕の心に　咲く君が
優しい指で　朝露を　数える

もう少し遊んだら　振り返り
僕を見つめて

今日も　風は流れ
香りを惜しみ

赤い薔薇を
君の瞳に　映させた

燃える薔薇は
僕の
最大級の
わがままだけど

この薔薇に　込めたもの
それは
君への　溺愛　

ダメだと　知ってる　でも

鳩が来て
あなたの
安否を
告げたんだ

僕から
湧き出す気持ちなんか
一つしかないのにね

最後まで

あなたへの想いが
言葉にならない

熱くて
痛い
赤の薔薇

20240419 teodoro