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バイロンベイ・オーガニックファーム滞在期


2017年夏の約1ヶ月間、オーストラリアのバイロンベイという街でウーフ(有機農家でのボランティア)をしていました。

ウーフ(WWOOF)とは、World-Wide Opportunities on Organic Farmsの略で、有機農場で働きたい人を意味します。ウーフのシステムを簡単に説明すると、ウーファー(ボランティアをする人)は週に5日、1日4時間〜6時間の労働力を提供する代わりに、ホストからは食事と宿泊地が提供されます。

何故オーガニックファームでボランティア?

持続可能な社会をデザインするパーマカルチャーにとても興味があったので、発祥の地であるオーストラリアのオーガニック事情を体験してみたかったのが大きな理由の一つでした。

ワーキングホリデービザでの滞在だったのですが、海外での長期滞在は初めてで、就労の際に現地の推薦者や、経験を積むことも考えて、初めの時点でWWOOFをすることを選択しました。

英語にも自信がなくて、同じ目的を持った仲間達と共同生活をすることで言葉の壁が薄くなることも期待していました。

ホストの探し方

WWOOF Australia
WWOOF Australia に登録すると、ホストの検索や申し込み、団体スタッフサポートを受けるといったサービスが受けられます。スマホの専用アプリがあるので、ホストの検索からオンタイムでのメッセージのやり取りなどができ便利です。

ホストを探しですが、日本にいる間から余裕を持って行うことをおすすめします。もし英語に自信がない人は、やや高額にはなりますが、WWOOFジャパンからサポートを受けるという選択肢もあります(渡航前に申し込みが必要)。

個人BLOG
わたしが滞在していたバイロンベイのオーガニックファームですが、過去に滞在していた日本人の方のブログで知り、直接ファームに申し込みを行いました。個人のブログは、ファームの様子や仕事内容、環境などを知ることができるので、とても参考になります。

コミュニティーサイト
ヨーロッパ系のバックパッカーたちはGumtreehelpxといったコミュニティーサイトを利用しているようでした。Facebookのバックパッカーのグループも利用してみると良いと思います。

滞在先のオーガニックファーム

わたしが滞在したオーガニックファームは、レモンの栽培と食用牛の放牧を中心に行なっていました。場所はバイロンベイ市内から車で約15分くらいの山の上で、土地はゴルフ場が何個も入りそうなくらいでとにかく広大でした。小さい四駆のような乗り物を自ら操縦し移動するのは、とても楽しかったです。

果物はレモンの他に、マンダリンやオレンジ、グレープフルーツにスターフルーツなどを栽培しており、パーマカルチャーを元にしたガーデンでは、ケールやカリフラワー、なす、スナップエンドウなど、様々な野菜を栽培していました。

また、フリーレンジ(自由に歩き回れる環境で行う飼育法)での鶏の飼育、それに、ヤギやロバ、アルパカなど様々な家畜も飼っていました。

敷地内ではエアビ用のコテージ運営も行なっていました。美しい自然に囲まれたフォトジェニックな環境で、ウェディングの撮影やパーティーでの使用でも人気があるようでした。

1日のスケジュール

朝は7時ごろスタートし、10時ごろに30分ほどティータイムも兼ね休憩をとります。その後は仕事に戻り、大体14時半くらいには全ての仕事が終了。昼食を準備してみんなでランチを取った後は自由時間となります。私はヨガや英語の勉強をしたり、敷地を散歩したりして過ごしていました。

夕暮れにはキャンプファイヤー用の火を炊くのですが、ポツポツとウーファーたちが火の周りに集まってきます。誰かがギターを弾き始め、焚き火を囲みながら、夜な夜なビール片手に語り合っていました。

19時くらいから夕食の準備がスタートし、その後みんなで食事をとります。夜は、リビングでゲームをしたり、外で卓球をしたりと遊んだりとリラックスした雰囲気で、各自自由に部屋に戻って就寝という流れでした。

仕事内容

わたしが主に担当していたのは、鶏の世話(餌やり、小屋の清掃、卵の採集)や豚の餌やり、ショップの店番、果物のピッキングと仕分けがメインでした。

鶏の世話についてですが、これまで消費するのみだったので、とても新鮮な体験となりました。
鶏たちは、ゴルフの打ちっ放しができてしまうくらいのかなり広大なスペースで、のびのびと飼育されていました。環境や日によって卵を産む量に変化が出たり、いじめられてご飯を食べられない鳥がいたりなど、鶏を観察することで新しい日々新しい発見や学びがありました。小屋をきれいにしたり、餌や水の与え方を工夫していくと、日に10個以上の卵が採取できるようになったり、いじめられた鶏たちも食事が取れるようになるなど大きな変化が見られるなど、様々な発見がありました。

毎日の食事

ガーデンから収穫できる新鮮な野菜や、他に必要な食材は無料で提供され、調理はウーファーたち自身で行うスタイルでした。
調理担当は日替わりで、カナダやイギリス、オーストリア、ブラジルなど様々なウーファーによる郷土料理も味わえるのが楽しみでした!
形の悪いオレンジやレモンは使い放題だったので、搾りたてのオレンジジュースやレモネードは毎日のように飲んでいました。

熟すとチョコレートの味がするフルーツとカシューナッツで作るRaw ビーガンチーズケーキ

ビーガン(菜食主義)を実践している人と出会うのも初めての経験でした。ココナッツミルクを原料したヨーグルトやカシューナッツから作るチーズケーキなど、ビーガン料理については驚きの連続でした。

ウーファー達の料理の腕前はかなりのもので、焼きたてのパン、ピーナッツバター、それにコンブチャも手作りしていました。今では日本でもDIYしている人も増えていると思いますが、当時の私には衝撃で、毎日が発見と学びの連続でした!

休日の過ごし方

休日は土日の週末で設定されていたので、金曜の夜は夜遅くまでパーティーという感じでした。

最初の頃は車もなく、あまり周りとも打ち解けられずにファームに缶詰という休日は送っていました。車を持ったウーファーと仲良くなってからは、ニンビンという有名なヒッピータウンに行ってみたり、近くのナショナルパークに行ったりと遠出することもありました。また、バイロンベイのビーチを散歩したり、週末のマーケットを覗いたりして過ごしました。

キャラの濃すぎるウーファーたち

私の滞在したファームは、絶えず申し込みがある人気のファームで、常に6〜7人のウーファーが滞在しており賑やかな雰囲気でした。ワーホリビザを利用して来ている人20代の人がほとんどで、ブラジル、イギリス、フランス、カナダ、オーストリアなど国籍も様々でした。

研究員の職を辞めてワーホリ中の高学歴イギリス人カップルに、車でロードトリップ中の看護師のカナディアンカップル、若干21歳ながら車で寝泊まりしながら一人旅をしているワイルドなブラジリアンガール、ワーホリ前は自分で改造したトラックに住みながらフランスを旅しながら暮らしていたフランス人大工など、様々なバックグラウンドを持った人々が集まっていました

ウーフして得た経験:)

英語が伸びた

喋りはともかく、、、聞き取りは伸びました。英語のみの環境だと、自然と必死になります。
オーストラリアやイギリス、フランス訛りの英語など、いろんなアクセントに触れることができたのは、良かったと思っています。100パーセント英語の環境でありつつも、ネイティブだけではなく、英語を勉強中の他国の人ともお互い助け合いながらコミュニケーション取れる環境も精神的な助けとなりました。

コミュニケーションの取り方が変わった

海外で円滑にコミュニケーションをとるには、言語以前に表情やボディーランゲージなども重要です。周りに合わせたり空気を読む、といった日本人特有の美学は海外ではマイナスとなると気づきました。海外では、とにかく自信を持ったもん勝ちです!堂々と明るくしていれば、コミュニケーションも上手くいきやすいものだと実感しました。

友人たちとの出会い

一緒にファームを追い出された後、1ヶ月旅を共にしたイギリス人Dave

生活と仕事を共にすることもそうですが、苦楽を共にした仲間とは自然と深い関係が築かれます
言葉でのコミュニケーションは完璧ではなかったけど、音楽の趣味やお酒好きという共通点でイギリス人ウーファーと意気投合し、ファームを出た後も1ヶ月ほと一緒に旅していました。今でも大好きな友人の1人です。

最後はファームを追い出されました笑

滞在延長の契約をした直後、かなり理不尽な理由で「明日出て行け」と言われファームを追い出されました。オーナーとマネージャー共に信頼していましたが、最後の最後に使い捨てのような扱いをされたので、精神的に辛かったですね。今では笑いのネタですが。
オーストラリアでワーホリ中何度か似たようなことが起こりました。そのおかげで、いつ状況が変っても切り替えられる図太さが身についたように思います。

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