イギリスの音楽家による2001年、600枚限定リリースのアルバム。 V/Vmからのリリース。V/Vmは同名義でノイズミュージシャンもやってますね。

全曲タイトルなし、曲間なしのフィールドレコーディング/コラージュ/ミュジークコンクレートもの。英国グリニッジのミレニアム・ドームで'99年から'00年にかけて(建設終盤～公開セレモニー位の時期？)録音された素材がメインらしく、同会場で行われたピーター・ガブリエルのパフォーマンス(たぶん本家は「OVO」収録)も大胆に、というかそのまま、訴えられたら負けるレベルにサンプリング。その他、当時のTV番組か何かの録音や突然の絶叫が入ったりもするので気が抜けません。

スリーブにも色々書いてある通り、作り手側は明確に「ミレニアム・プロジェクトへの批判」「音による追体験」というコンセプトを打ち出していますが、会場の環境音(雑踏、会話、パフォーマンスなど)に様々な音の断片がコラージュされながら唐突な場面転換が延々と続く作風なので、聞き手の印象としては完全に「起きたら忘れるタイプの悪夢」。美しい演奏(ただの録音垂れ流し)が終わったあと、延々と工事の作業音が流れるtr.14は作品の締めとして最高に厭世的(超褒めてる)。
不穏な前衛音楽が聞きたい人におすすめ…なのですが、もうほとんど売られていないようです。

【Track list】
1. Track 01 0:49
2. Track 02 0:46
3. Track 03 0:29
4. Track 04 1:06
5. Track 05 1:07
6. Track 06 0:22
7. Track 07 0:46
8. Track 08 8:46
9. Track 09 0:23
10. Track 10 1:02
11. Track 11 1:50
12. Track 12 0:20
13. Track 13 8:47
14. Track 14 5:50