石の上で3年じっとしていたら何が起こるというのか?
「今の仕事のほかにやりたいことが見つかった」
社会人2年目だというお客さんはそう話し始めたので、わたしは真剣に聞いて、真剣に答えた。
「今の仕事はイヤなの?好きなの?」
「かけもち、副業としてできるのか」
「仮に今の仕事を辞めた場合、復帰することは可能なのか」
今の仕事のほかにやりたいことが見つかった場合、
先ずはこの3点を明確にしなければ次のステップを考えられないと思っているので、確認した。
今の仕事は好きで、辞めたいわけではない。
かけもちは不可能で、辞めたら戻れる見込みは無い。
彼ははっきりそう答え、同時に驚いていた。
もっとも重要な3点を確認しただけなのに、なぜ驚くのかわからなかったので聞いてみると、
職場の先輩などに相談するとほぼ何も聞かないうちにみんな口を揃えて
「まずは三年いまの仕事を続けて、それから考えるべき。石の上にも三年」
と答えるのだそう。
わたし(42歳)が20代前半の頃の時代ならわかる。
思考停止した昭和脳のポンコツがうようよいたので、入社2年目で辞めるなんて言ったら
「石の上にも三年!以上、議論の余地なし!」
これで終了。
こんなコミュニケーション不可能な大人たちをわたしは一切信用していなかった。
自分はこんな人間になりたくないと思い、今でも思い続けている。
あれから二十余年、平成も終わった2019年の今もそのようなやりとりが行われている事にこっちがびっくり。
彼の先輩達といってもおそらくわたしよりはずっと歳下。20代半ばから、いって30歳前後。
そんな平成生まれの男達が思考停止してなんの根拠もない「三年」という年月を提示しているとはおそろしい。
もし、今まさにビジネスチャンスだった場合、石の上で三年もじっとしていたら圧倒的に出遅れる。
そんな無責任なアドバイスでドヤる人たちはもはや老害。
そもそも好きな仕事をしながら、ほかの生き方も考えているエネルギーに満ちた若者が
そうっすね!石の上にも三年ス!勉強になりました!
って言うわけないじゃんね。
そのような先輩たちと比較した結果、彼はわたしを相談相手として認めてくれたようで
最初は濁しながら話していた内容も、具体的に明確に話してくれた。
魅力もリスクも大きく、重要は見込めそうだがマネタイズがあやふや。理念や社会貢献性は素晴らしいが、「夢」の要素が強い。
わたし個人的には好きな熱い内容だったので応援したいとは思う。
正直に真剣に答えて、
挑戦するのに早すぎるってことはないんだよと伝えた。
あとは自分で決めてね。
わたしもまだまだ挑戦中の身。
偉そうなこと言える立場じゃないけどね。
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