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住宅街で2.5坪の古着屋開業

父の仕事場の一部、
およそ2.5坪という狭小スペースで古着屋をはじめることになりましたが、
ド貧乏の状況での開業ですので素敵でかわいいお店なんかつくれません。


どこかの催事であまったパネルをもらってきて間仕切りをして

もらい物のラックをならべ、もらい物のハンガーで商品を掛ける。

レジはなく計算機と抽斗。

看板も無く
店名(※)をカッティングシートで切り抜き
入り口のガラス引き戸にはっただけ。

商品の魅力と価格が全てだと考えていたので
いちおうお店っぽくなってればそれで十分。


商品にはそれなりにこだわっていました。

高額なヴィンテージは置けませんが、自分でかわいいと思える商品のみを、洗濯して、アイロンかけて、必要があればリペアをして…納得できる状態にしてから並べます。これは今も変わらずやっています。

エリア内の他店のプライスは徹底的に調べて、
同等のアイテムは最安値になるように価格設定していました。

自分が買い物をするなら商品数が少なくても、素敵な内装でなくても

かわいくて・状態の良いものが・安い

そんなお店が良いとおもっていたから、そうしました。


SNSはもちろんインターネットも携帯電話も一般的ではない時代。

手書き〜白黒コピーのビラをつくり
自分たちでポスティングするというアナログすぎる宣伝のみ。

住宅街立地の2.5坪の古着屋にお客さんがくるのか?


そんな心配はまったくしていませんでした。

わたしは若く(16歳)、世間知らずで、自信に満ちていました。

お客さんこないかも。売れないかも。
そんなネガティブな考えはゼロパーセント。

オープンすれば初日からふつうに売れる。

そういう風にしか考えられませんでした。

1993年 11月6日

そんなかんじで世間知らずな高校二年生はちいさな古着屋をはじめます。

わりと重めの役割を背負いながら、
けっこう軽い気持ちで。

この時はこの仕事を25年以上、平成が終わっても続けることになるなんて想像もできませんでした。


(※)この時つけた店名を持つ直系のお店はその後すべての権利を売却しており、現在は別のオーナーの元で盛業中です。そのためここでは伏せることにしました。



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