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アイロンかけの考え方と古着のシャツのチェックポイント

そこらへんのクリーニング店には出せないメンズシャツが出てきましたので、わたくしがアイロンをかけさせていただきたいと思います。

斎藤久夫大先生の手掛けていた“his TUBE”の90年代半ば頃のお品です。


アイロンは
袖↓
後身頃↓
前身頃↓

の順でかけるのがオススメです。

こちらのお品物は保管中の強いシワがあり、このままですとアイロンかけにくいので先ず全体に霧吹きをします。

コットンのシャツは霧吹きだけで大きなシワはとれます。


はじめに袖からかけはじめます。

こちらのシャツは袖口や背中などタックの代わりにギャザーが入っています。
ギャザーの雰囲気を活かすため、今回は袖山にプレスラインを入れないで仕上げたいと思います。

袖山がずれるように置いて

端をつぶさないようにかけていきます。

袖口のギャザーもつぶさないように、
アイロンの先をギャザーに差し込むように進めます。



肩付近はやや浮かせないと身頃にシワを作ってしまう恐れがあります。


袖下の縫い目に沿って、ていねいに置きます。


先程かけのこした部分にアイロンを当てます。


最後にカフにかけて袖は完成。



次は後身頃

平らな部分が広いので、これといって注意点はありません。

ヨーク部分のギャザーも袖口同様つぶさないように
アイロンの先端を使い、矢印の方向に動かします。


このギャザーがペタンコになっちゃうとがっかりですよね。
自分でアイロンをかけるのがオススメです。


次に前身頃→襟の順で完成
見どころがないので画像は省略

わたしの自己流ですが、
ボタンが付いている方を先に、ボタンホールの方を後にかけます。

アイロンの作業中にも多少シワができるものなので
少しでも重要な部分を後にかけるようにしています。

たとえば袖は着たらすぐシワができるので、先にかけます。
襟は目にとまりやすい部分で、最も重要なパーツですので最後にかけます。


余談ですが、ヴィンテージのシャツは見返しの接着芯だけが縮んでいるということがよくあります。

今回のシャツは大丈夫でした。

接着面の劣化・はがれもありません。
25年以上もがんばって貼り付いててえらいですね。
いいこ。


接着芯が縮んでいると、表地が余って前端がたるみます。

↓こんな感じ(再現してみました)

シャツの前端が↑このようになっているのを古着屋さんで見たことありませんか?

これは接着芯の縮みか、表地の伸び、あるいはその両方が原因です。

アイロンのテクニックで多少戻すこともできますが、難しい場合もあります。

気になる場合は、修復ができない可能性も考慮して購入を検討したほうがよいでしょう。


アイロンがきれいにかかると見違えますね。



市販の比較的安いアイロンがここ数年のお気に入り。

こちら↓で詳しく紹介していますのでよかったら。


今Amazonで見たら品薄っぽいです。

廃盤にならないことを祈ります。、


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