ときめかなくなっても、捨てないで
この一年くらい、GIANFRANCO FERREのヴィンテージが気になるので時々仕入れています。
しかし、FERREは世界中でかなりの数が売れているはずなのに意外とみつからないのです。
FERREのヴィンテージは高級感と日常的な扱いやすさのバランスが良く、ぱっと見の派手さは控えめで、よく見ると凝ったディティールだったりする点が日本人向けといえます。
特にメンズは80年代90年代のミラノのトレンドを強く感じることができて、いま見ると新鮮です。
雰囲気としては当時のアルマーニに近い。
この素材感やボタンの色。
当時のミラノ・メンズ特有の雰囲気です
ヴィンテージで見つかるものはアルマーニよりFERREの方が状態が良いものが多いように感じます。
古いアルマーニはポケットなどが「垂れ」ていて、全体的にくたびれた感じになっているものが多いが、FERREはピシッとしている印象。
こういう「時が経たなければわからない」事の答えが出ているのもヴィンテージの良い点ですね。
なぜ数が少なくなってしまったのかは
なんとなく想像できます。
ヴィンテージとしての魅力、現在の服にはない雰囲気やレトロな味わいが感じられるようになるまで、およそ20年程かかるとわたしは考えています。
その過程で、びみょうに古くておしゃれじゃなくなってしまう時期があり、
そこで多くの服は処分されてしまいます。
しかし圧倒的ブランド力のあるものは比較的その危機をのりこえやすいのです。
シャネル、エルメス、ルイ・ヴィトンなどは代表的な例で、30年前くらいのものなら簡単に見つかります。
もちろん品質が高くて残っているというのもありますが、「大切にされ、捨てられなかった」という理由が最も大きいと思います。
その点フェレは若干弱く、びみょうに古い時期を乗り越えられなくて数が減ってしまったのだと推測します。
ヴィンテージはこのように様々な要因で数が減って後々レア物になったりします。
大好きだったお洋服、しばらく着てないなって思ってからもうひと頑張りとっておくと再び輝いて見える日が来るかもしれません。
断捨離もいいですけど、長い時間所有しつづけることでしか味わえない感覚もあります。
ときめかなくなったタイミングで処分しないで一旦寝かせてみるのもおすすめです。
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