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らせんコーチ 玉置梨絵さん

「日本社会で生きづらい人が自分の人生を歩むきっかけとなる」という使命を掲げ、薬剤師としての経験や豊富な海外滞在で培った視点を通して、一人ひとりの生き方と向き合う、らせんコーチの玉置梨絵さんにお話を伺いました。

プロフィール
経歴:コミュニケーション講師/薬剤師/Rie旅コーディネーター
大学時代からバックパックを背負い、訪れた国は30か国以上。
病院薬剤師として緩和医療に携わり、「残された人生で何をやり残したか」を考えるようになる。
2011年に青年海外協力隊としてアフリカのマラウイに派遣され、「途上国で医療者として働く」という夢を叶える。
2015年からアドラー流コーチングを学び、現在はコーチ&薬剤師として活動中。
”本来の自分に安心して戻れる”Rie旅@フィリピンを随時開催中。

Q.薬剤師から今の活動をされることになるまでに、どんな転機がありましたか?

”残された人生をどう生きるか”

玉置さん(以下:玉置) 病棟薬剤師をしていた時に、NSTという栄養管理チームに所属していました。意識がなく寝たきりの患者さんをたくさん見る中で、「この人は本当はどう生きたかったんだろう?」と思うようになったんですね。
そのころちょうど緩和ケアチームを立ち上げて、がん患者さんだけの回診をしていました。その時に、患者さんには痛みのことを聞くだけではなく「何をしたいの?」ということも聞いていました。
この時期私の中で、患者さんたちが「本当はどう生きたかったんだろう」「本当は何をやり残しているんだろう?」という2つの疑問がずっとありました。
そして、忘れもしない一人暮らしで髪を乾かしているときに、ふと「私がもし余命数か月だったら、やり残していることってなんだろう?」と思ったんですよね。そこで、結婚と途上国の世界平和が思い浮かびました。結婚はすぐには無理なので、途上国で働いてみたいという夢を叶えようと思ったんです。

記者 いつ頃から途上国で働きたいと思っていたのですか?

玉置 高校でアメリカにホームステイした時ですね。私のホームステイ先は毎年広島の大学生を受け入れていました。ある時、ホームステイ先のDadに戦争の話を聞きました。詳しくは覚えていないのですが、こう、夕日が差し込んでいて、Dadが泣いたことははっきりと覚えています。
その時ハッと気づいたんですね。アメリカと日本は敵だったけど、個人だったら当たり前に嫌だったよねって。個人レベルでは敵だと思っていないけど、戦争に加担しなければならなかった、そういう世界は嫌っ!!て思った。それがすごく大きかったです。

記者 それから青年海外協力隊に行かれて、どんな気づきがありましたか?

玉置 「貧しいこと=不幸せ」ではないということです。そして、教育の大切さに気づきました。

記者 「自分を生きる」ということが現在の活動のキーワードとしてあるように感じますが、どういうことだと思いますか?

玉置 青年海外協力隊からそのまま協力隊畑に行けばよかったのですが、そうしませんでした。帰国して薬剤師に戻りました。なんでだろう。やっぱり結婚だったのかな。そういう選択をするときにいろんな自分がいて。やりたい自分とやりたくない自分の葛藤があります。自分を生きるということは、自分の中にある気になっている自分、全部の自分に気づいてあげることだと思っています。 

Q.どんな心の在り方や認識の変化が、今の活動に繋がっていますか?

”人生には意味さえないことに気づいたことが大きかった”


玉置 一番大きいのは、去年自然の中にすべての答えがある、自然の摂理ってことを学んだことだと思います。木って、葉っぱが青々としていれば根っこも元気だし、人間も同じだなと。どっぷり宇宙の中に浸かっている私たちが、自然の摂理から外れているわけがない、と私は思っているんですね。

記者 その自然の摂理っていうのはフィリピンで気づかれたのですか?

玉置 やり方ではなくあり方を学ぶ塾に通いました。その中で、仏教の”空”っていう考え方を知って。ご存知ですかね?

記者 はい、大まかには。

玉置 私の解釈ですけど、心理って意味づけを変えることによって楽になる手法だと思っているんですね。けどそうじゃなくて、五蘊皆空が言っているのは意味さえないよっていうことなんです。一年半くらい前は、意味があるに偏っていた私がいました。全部意味づけでどうにかしようとして、コーチングで未来ばかりを追い求めていました。
フィリピンには人に頼ることが当たり前の文化があります。でも、誰も頼らせてくれる人がいないと最後は、潮の流れに身を任せるようにゆだねるというのです。その表現に衝撃を受けました。まさに自然の摂理だなと。マッサージを野外でやってるマッサージ師も、終わった後に木に抱きついて「受け取ったエネルギーをリリースしてるんだ」なんていうんです。人間として自然の摂理に身を任せることって当たり前のことなんだ、と気付かせてもらいました。

Q.AIが活躍する時代に必要とされるニーズとは?

”行き過ぎたら戻るだけ”

玉置 常に一定ではない、自然の中の波、感情の波、人生の波に対応できるのは人なんじゃないかなと思います。でも、AIがダメ、人間はいいとかではなくて、どうやってバランスを保っていい世界にしていくかだと思います。
経済発展とか人間関係でもどんどん複雑になっていって、分からなくなるんですね。行き過ぎて分からなくなっていったときに、一歩戻る。原点回帰じゃないですけど、戻っていけばわかるところ、点があるから。
AIとかとの共生も、そもそも何でAIってできたんだっけ?本当は人のためだよねって。戻れば見えてくることとか、思い出して協力できることがいっぱいあると思います。そのためのツールがコーチングだったり、Rie旅だったり。繋いでみました(笑)

記者 なるほど(笑)Rie旅では参加者の皆さんのどんな変化を感じましたか?

玉置 変化というか、本当の自分に戻るだけだと思います。10代の女の子とか、一緒に旅したメンバーを「家族みたい」っていって。仲間の気づきをみんなで作れるところをすごく喜んでもらえました。なんとかなる精神ができて、帰国してからも進路や転職を決めたりと、自らの足で一歩踏み出しています。
私にとっても、仲間というのはけっこう大きいです。旅の仲間と何でもいいから何かをやって、みんなと仕事を創れたらいいなと思います。

Q.これからどんな美しい時代を創っていきたいと思いますか?

”美しい社会って争いがない社会ではない”

玉置 既に美しいので、本当の自分たちに戻っていけばいいだけです。もう何でもいいじゃんって、多様性を認める、それでいいよねって。嫌だとか、わぁって怒ったりもあるけれども、そうなったときに美しい社会って争いのない社会ではないと思っているんですね。本音を言い合えて、余裕をもってそれを受け止められる。余裕があれば「あぁそうなんだ、怒ってるんだね」ってなるじゃないですか。余裕がないから「はぁ!?」みたいになるわけで、だから美しい社会はみんなが本音を言えて喧嘩もしているんです。仲良いだけだとやっぱりバランスがね。時々仲悪くなってみる。どっちも大事です。

記者 偏らないことですね。

玉置 偏りがあると苦しみになります。どっちにも気づいて両方認めてあげること。バランスも日々の生活の中で変わっていくので、そこに一致していくことが必要です。過去の自分も未来の自分も自分。なくしてしまったら自分ではなくなってしまうと思います。

Q.最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

玉置 「本当はどうしたい?」って自分に問いかけたときに、答えは一個ではないと思います。ちょっと休みたいなとか、ちょっと頑張ってみたいなとかいろんな自分がいると思うんですけど、まずは全員が全員の自分の声を聴いてあげてほしいです。休むとか、何もしないっていう選択肢も絶対に自分の中にあると思うので、それを忘れないでくださいね。心と体を一致させて、一度きりの人生を楽しんでいただきたいなと。そのために、お手伝いできることがあれば繋がってください!

☆玉置さんの活動、連絡についてはこちらから↓
HP https://rasen8rie.amebaownd.com/
FB https://www.facebook.com/rie.tamaki.167
夏のRie旅報告Blog
https://rasen8rie.amebaownd.com/posts/categories/1442670
2019初春のフィリピンRie旅 1/14夜~1/20朝
https://rasen8rie.amebaownd.com/pages/2283840/page_201809242127 

インタビューを担当した坂村と岸本です。
今回、素敵なラウンジ空間をセレクトしてくださった玉置さん。
インタビュー中もとてもフランクで、笑いあり涙ありのストーリーにあっという間に惹きつけられてしまいました。子供とも同じ目線で楽しめるような柔らかい心で、世の中をみて感じて行動を起こしている、そんな感じがしました。
インタビューを通して、本質的な質問を探求することが、今の玉置さんの活躍に繋がっているのだと思いました。
お会いできたご縁に、感謝の気持ちでいっぱいです♪

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