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<実証レポート>小規模農家を中心とした人手不足を解消し、関係人口へのきっかけづくりとしたい!

本記事は、掲題の実証実験に伴走者として参加したひょうごTECH事務局スタッフによるレポートです。

実証事業者:株式会社タイミー
フィールド提供者:丹波篠山市
課題:小規模農家を中心とした人手不足を解消し、関係人口へのきっかけづくりとしたい!

プロジェクト概要

お正月に欠かせない正月の黒豆の特産品で有名な丹波篠山市。
近年は黒豆を完熟前に収穫した「黒枝豆」が注目されています。
黒枝豆は一般的な枝豆に比べ、大粒で甘みが強く、10月の約2~3週間しか食べることができないため、「幻の枝豆」と呼ばれています。

一方で、収穫期の10月は丹波篠山市全体で深刻な人手不足となります。特に、黒枝豆農家の大半を占める中小規模の兼業農家は土日に家族や親戚の総出で農作業に追われることも…。

この課題に手を挙げたのは、スキマバイトサービス「タイミー」を展開する、株式会社タイミー。

今回の実証実験では、スポットでアルバイトを募集できるタイミーを利用することで人手不足を解消し、さらに、それらを丹波篠山市に関わるきっかけづくりとする実証実験を実施しました。

実証実験の詳細

そもそも中小規模の農家は人を雇用するということに慣れていないことが想定されたため、そのハードルを下げるための施策として、タイミー社で利用料金が一定額まで無料になるキャンペーン枠を最大20枠用意して頂きました。

まずは、丹波篠山市役所の兼業農家の職員向けに説明会を実施。

説明会で集まった4件のタイミー利用希望農家の案件をタイミーに掲載したところ、すべての案件に対して、合計10名の働き手の方とのマッチングが成功しました。どの農家の方も「こんなに早く働き手が集まるなんてびっくりした」と言われていたのが印象的でした。

その後、農業まつりなどの市内のイベントにも積極的に参加いただき、タイミー社のスタッフの方が農家の方ひとりひとりに丁寧に説明をして頂けたことで、タイミーの利用につなげていくことができました。

また、タイミーはUXが優れているサービスではありますが、高齢者も多い農家の方にはなかなかうまく使いこなせないことも多々ありました。しかし、タイミー社が農家ひとりひとりに専任の担当者をアサインし、丁寧なサポートを訪問、電話でして頂けたことにより、無事に成約に至ることができました。

最終的に目標としていたキャンペーン利用件数20件には実証実験中には達しませんでした(※注)が、働き手とのマッチング率はなんと96.7%。前日に募集して次の日の朝の案件のマッチングが成立する、農作業であるにもかかわらず働き手の約7割が20〜40代であるなど、明らかに今までとは違う人手不足解消の手段であることが証明されました。

また、利用した農家さんとワーカーさんにアンケートをとったところ、どちらも満足率は高く、特に働き手の満足度は100%という結果となりました。最終的に目指していた短期バイトをきっかけに、丹波篠山市に関わるきっかけづくりという点においても、働き手の「また働きたい」という声が100%に達しました。

※注 本来は農繁期の10月前に利用希望者へ周知できればベストであったが、今回は事業のスケジュール上、広報タイミングが遅れたことにより、農家が忙しく説明会に参加できないなどの自体が発生。もっと早く知りたかったという声をたくさん頂きました。

<アンケートの声の抜粋>
・黒大豆が収穫されるまでの過程を見ることができ、大変勉強にもなりました。 是非機会がありましたらまた働かせていただきたいです。
・本日はありがとうございました。 葉っぱ取りの仕事は大変でしたがいい経験になりました。

今後の展開

今回の実証では農家が一番忙しい10月に入ってから広報を始めることとなり、一番人手が欲しい時期に使って頂くことができなかったため、次年度には4~5月に別途説明会を実施し、利用促進を図っていきます。

また、農業だけにとどまらず、飲食、観光など他分野での導入を進め、2025年に開催される「丹波篠山国際博 日本の美しい農村」に備え働き手を確保、長期的な関係人口増加へ繋げていくことを目指していきます。

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