2023年令和5年秋 青年教学3級講座①(随時掲載)「立正安国論」から

解説「立正安国論」 

本質「民衆本位」「世界平和」である。
「立正安国」とは、「正を立て、国を安んず」(しょうをたて、くにをやすんず)と読む。
「立正」は、安国の根本精神であり、「安国」は立正の根本目的である。

まず、「立正」とは
 「実乗の一善」すなわち、すべての人々が仏性という根源の力を開いて成仏できると説く法華経の法理である。
 個人の次元では、法華経の強い「信」を人々の胸中に確立すること、社会の次元では、法華経から帰結される「人間への尊敬」「生命の尊厳」の理念が、社会の万般を支える哲学として確立されること。
 また、「悪を打ち破る対話」であり、「破邪顕正」である。

「安国」とは、「立正」の目的。すなわち、「国を安んず」とは社会の繁栄と世界平和にほかならない。

 「国」とは、民衆が生活を営む場である「国土」を指している。当時の日本は、「支配者本位」「戦乱の世」であり、

大聖人が生きられた当時の日本では、鎮護(ちんご)国家で仏教とくに念仏宗が日本国中に広まっていた。そのようなあり方の破綻を象徴するのが、大聖人がお生まれになる前年(1221年)に起こった承久の乱であった。

※この乱では、さかんに祈祷を行った朝廷側が、鎌倉幕府に惨敗して、朝廷側は国主の地位から完全に退くというありさま。そして、国主の地位を得た幕府は、大聖人に対抗して対大聖人の諸宗に帰依し、祈祷を盛んに行うようになっていた。

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