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海外発券で失踪する

航空券には、海外発券というテクニックがあって、
普通よりもかなり安く航空券を手に入れることができます。

その代わり、すこし癖があります。ある意味、ノマド向けの航空券だと言えるかもしれない。

たとえば、東京からマレーシア・クアラルンプールに行きたいとする。

普通は、東京から出発して、東京に帰ってくる:
1: 東京 → クアラルンプール
2: クアラルンプール → 東京

海外発券では、マレーシアから出発して、マレーシアに帰る航空券を購入する:
1: クアラルンプール → 東京
2: 東京 → クアラルンプール

たとえば、現在 ANA で2ヶ月後のエコノミークラス往復の最安値を調べると、
東京 <-> クアラルンプール 76,650円
クアラルンプール <-> 東京 46,637円

同じ飛行機なのに、海外に帰る飛行機のほうが安い。
現地との物価差や為替が考慮されているせいだとか、クールジャパンの補助金が入っているせいだとか、そういう理由らしい。とにかく安い。
サービスが違うだとかそういうのもない。

なんとかしてマレーシアに行き、なんとかしてマレーシアから安く帰ってくることができれば、チープに旅ができるわけ。
年に何回も海外に行く暇と金のあるノマドにとっては、シチュエーションによっては便利です。

人生の貴重な時間を浪費して、Googleフライトで海外発券を検索しまくると、便利さの割に、異常としか思えない安さの飛行機がたまにでてきます。

僕が今年使った航空券はこういうやつ:
・クアラルンプール <-> 東京 <-> ニューヨーク
・プレミアムエコノミー
・ストップオーバー可、乗り継ぎ地の東京に何日いてもいい
・1年以内なら何回でも予約変更可能 (!!)
・22万円

クアラルンプール発で、東京経由でニューヨークに行く、そしてクアラルンプールに帰る便。

何回でも予約変更可能というのがポイントで、2ヶ月後のフライトをいきなり来週に変更して突然失踪する、というのができる。面倒くさくなったから3ヶ月後に変えるというのもできる。
一年以内なら何回でも変更できる。変更手数料も基本かからない。

これを使って、最終的にはこういう旅をした:

1月: 東京 -> カンボジア -> クアラルンプール -> 東京
2月: 東京 -> ニューヨーク -> 東京
7月: 東京 -> クアラルンプール -> バリ島 -> 東京

途中で仕事が忙しくなったりやる気を失ったりで、5回くらい予約を変更した。
変な航空券だからか、ネットの画面では予約変更ができなくて、毎回電話しないといけなかった。電話が嫌すぎてアプリを作ってる身分にはつらい。

カンボジア行きなど残りの旅程は、エアチャイナやLCCを買った。

カンボジアのプールで、ドルと一緒に泳いでしまって焦って乾かしている様子。カンボジアは自国通貨が終わってるので、アメリカドルが使われている。

ちなみに、マイル修行にとっても効率が良い。これだけで 25000 ポイント入ります。
マイル修行は非常に虚しい営みなので、あまり話したくないのですが、
簡単に説明すると、狭い飛行機にじっと座っていると手に入るポイントがあって、50000 ポイントを貯めると終了というゲーム。

ポイントを貯めると、ステータスが手に入ります。ステータスは英語で「虚無」という意味です。
人間誰しも虚無を手に入れたくて仕方ないときがあります。虚無のためにシンガポールまで行ってなにもせずに帰る人間もいる。前の戦争と似ている。

いま調べてみると、ルールが変わったようで、同じ航空券はもうとれないようだった。
Googleフライトとかで人生の貴重な時間を浪費して調べると、近いものはでてくるかもしれない。

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