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【176】十五夜の月、十六夜の月 2023.10.30

お月様続報です。

1 満月をなぜ望月と呼ぶの?

 小さい子が、 

 「お餅みたいにまるいから!」

 なんて答えたら可愛いですよね。
 
 さて、月は約30日で地球を公転しており、これに従って満ち欠けします。
 中国の太陰暦では月が見えない新月の状態を「朔(さく)」と呼び、真丸になった状態を「望(ぼう」)呼び、これを基準にして月を数えます。

 この「朔」と「望」に充てられた日本語が「ついたち」と「もち」になります。
 望になぜモチが充てられたのかははっきりしていないようですが、一説では日本には丸いものをモチと呼ぶ習慣が昔からあったからといわれています。

 望粥(もちがゆ) 正月15日の粥、餅粥ともという
  
この場合のお餅は丸餅なのでしょうね。
また
 望潮(もちしお) 陰暦15日の潮

という言葉もあるそうで、
 満月と新月の時には太陽と地球と月が一直線に並ぶので、引力が最大となり塩の干満差が最大となる大潮が起きますから。15日の潮は大潮にであり、

 もちしお=みちしお ということになのでしょう。

 最大限に満ちた状態を 円:まる:もち:望 と考えることは自然な連想で、もちみちは元々同義語だったと考えてよいのかもしれません。

 というわけで。お餅のように丸いから望月:もちづきというのは正解だったわけでした。

(そうすると、四角い切り餅はお餅ではないということになりますね。でもあれは切り餅と言って丸いお餅を切ったものだと断っていますから許されるのかな。となると、最初から丸くない伸し餅はアウトかな?)

2 月の呼び名

 十五夜のお月様のことを望月と呼びます

 十四夜の月は 小望月(こもちづき)と呼ぶそうで、望月の一歩手前ですからこの呼び方は理解できます

 では十六夜から十九夜の月を
いざよいの月、たちまちの月、いまちの月、ねまちの月と呼ぶこと、
そしてなぜそう呼ぶかはご存じでしたか?

 答えは、月の出が毎日遅くなっていくことに関係しています。
 月の出る時間は毎日約50分ずつ遅くなっていきます。

 春分、秋分の頃には満月の際に18時頃に月が出て朝6時に沈みます。

 ですから月の出の時間は

 14夜は 17:10 -50分
 15夜は 18:00 ±0分
 16夜は 18:50 +50分
 17夜は 19:40 +1時間40分
 18夜は 20:30 +2時間30分
 19夜は 21:20 +3時間20分

と変わって行くのです。

 いざようはちょっとためらうという意味で、出るのが少し遅れたことを表しています。
 たちまち月は立ち待ち月ということで、そのくらいなら月が出るまで、立って待っていましょう。
 いまち月は居待ち月座って待っていましょう。
 ねまちの月は寝待ちの月ひと眠りして待ちましょう

ということなのですね。
 「たちまちの内」にというと短時間のうちに大きな変化起こる様とされていますが、1時間40分だとするとそんなに急ではありませんね。

3 月の写真

 十五夜、望月の写真

満月と木星
2023.10.29 20:31

十六夜 いざよいの月

2023.10.31 03:37 明け方に撮った月

十七夜 立ち待ちの月

2023.10.31 22:46 

4 おまけ:木星の写真

 木星は十五夜に月に一番接近し、十七夜の今夜はもうかなり離れていました。撮影してみたら四大衛星がきれいに写りました。

2023.10.31 23:02 木星と四大衛星

 

 


 
  








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