見出し画像

あんときのデジカメ 雨の日は偕行社かふぇで優雅なひととき with PENTAX Optio S4i

(はじめに)梅雨日の休日、近所の偕行社かふぇでお茶しました。雨の日はお客さんも少なく、貸し切り気分。雨の日は喫茶店がおすすめです。その情景をPENTAX Optio S4i でスケッチしてみました。

雨の日は紅茶が似合うのよ

 先日、『朝日新聞』掲載の「声」の欄にしばし視線が集中しました。梅雨時など雨の日の過ごし方を回想された投書です。

 私が中学生の頃からだと思う。今は亡き母は、雨が降ると「雨の日は紅茶が似合うのよ」と言って、来客用の上等な紅茶ぢゃわんに紅茶を入れて、クッキーを添えて出してくれた。
 母と二人で、上等なちゃわんの紅茶とクッキー。なんだかどこかイイトコの人みたいな気分で、ゆっくりとした時間を楽しんだ。そして、雨の日は特別な日なんだと思うようになった。
(出典)「声 雨の日は母と紅茶楽しんだ」、『朝日新聞』2019年06月29日(土)付。

 投稿者は、その思い出を後年、「なんで」と母に聞いたそうです。母はそのことを覚えいなかったそうですが、ただ「でも私にとって、ゆううつな雨の日はリッチな日だった」と回顧しています。

 憂鬱な雨の日だからこそ、ちょっとした贅沢でゆっくりとした時間をあえて「味わう」のは、ちょっとすてきなひとときになりますよね。ここに注目してみました。

旧善通寺偕行社かふぇ

 さて、「雨の日は母と紅茶楽しんだ」に倣って、筆者も先日、近所のカフェでちょっとした贅沢なひとときを過ごしてきました。

 筆者は香川県善通寺市の在ですが、この地は、かつて旧日本陸軍の師団司令部(第11師団)が設置されたところであり、その面影を伝える施設がいくつか残されています。

 あっ! 念の為ですが、歴史修正主義とかに加担して、戦前日本をヨイショする意図は毛頭ありませんので。テレビドラマの「相棒」にならえば、そういう付け加えが「僕の悪い癖」というところですかね。

 戻ります。

 そのひとつが、将校用の社交クラブである「旧善通寺偕行社」で、現在では、その一部がカフェとして開放されています。ホールや会議室は見学できるように整備されており、往時の様子をうかがい知ることができます。加えて、会合やコンサート、展示会等などにも利用できるようです。

 さて、併設されているカフェがあります。正確には、「偕行社かふぇ」(香川県善通寺市文京町2丁目1−1)です。

 筆者が注文したのは、いわゆるケーキセット抹茶チョコというのが珍しく、初めていただきましたが、ちょっとビターなチョコレートの奥から抹茶の味わいが香るというもので、その珍しさがちょっと新鮮でした。ケーキのたぐいはおそらく日替わりものが多いと思いますが、お近くにお立ち寄りの際は、ぜひ、ご利用してみてください。

今でも「普通によく写る」2004年のデジカメ

 さて、今回使用したのは、2004年3月にペンタックスが発売したオプティオS4iです。ペンタックスといえば、日本で初めて一眼レフカメラを販売した老舗のカメラメーカーです。そしてペンタックスのカメラを取り上げるのもこの連載では初めてになりますので、なるべく古いものをと思い、今回、手に取った次第です。ペンタックス自体は、現在リコー傘下となり、ブランド名を残す形になっています。

 では、簡単にスペックを紹介します。撮像素子は400万画素の原色フィルタ付き1/2.5インチCCDで、レンズは光学3倍のsmc PENTAXズームレンズになります。35mmフィルムカメラ換算で35-105mm。2000年代中葉までのエントリークラスのコンパクトデジカメは、広角端が37mm前後が多いことを考えると、ちょっと頑張ってますよね。マクロに強いことも「ウリ」の一つではないでしょうか。

 使用感ですが、普通によく写るというのが第一印象です。哲学者としては印象批判は控えなければならないのですが、「普通によく写る」という以上でも以下でもない中庸というのがそのインプレッションとでも言えばいいでしょうか……。

 意外な強みとしては、レスポンスの良さです。チャージには時間がちょっとかかるかなという「カクっ」感はありますが、起動・終了の良さは、今でも「普通に」使うことができます。加えて名刺程度のコンパクトサイズが便利ですね。

 あえて難点を取り上げるならば、プログラム撮影時の低速シャッターが1/8に固定されてしまうところでしょうか。もちろん、ブレ対策の機能はありません。対策としてはショット多めでブレていない1枚を撮影しておくことが必要になります。

 以下、作例です。拙い写真ですが、ご笑覧下さればと思います。


↑ 望遠端で撮影しましたが、トンボが写り込んでいますね。

↑ ちょっとぶれています。

↑ 写真家のアンリ・カルティエ=ブレッソンにならいノーフラッシュですが、ケーキの質感をみごとに再現しています。

ということで撮影データ。プログラム撮影。ISO100、露出補正なし、ホワイトバランスオート。撮影は7月11日。撮影場所は香川県善通寺市。



氏家法雄/独立研究者(組織神学/宗教学)。最近、地域再生の仕事にデビューしました。