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あんときのデジカメ 半分青いではなく全部青い with FUJIFILM FinePix F410

(はじめに)新緑が一気に輝きはじめました。その様子を2003年発売の富士フイルムのコンパクトデジタルカメラで記録してみました。このFinePix F410はよく売れたそうですが、デジカメの基本スタイルが完成した記念碑的モデルですね。

目には青葉 山ほととぎす 初鰹


 江戸中期の俳人・山口素堂の俳句のように、目にも鮮やかな「青葉」が初夏の訪れを予感するにはまだ早いのですが、今年の新緑の訪れを少々早く感じる4月です。

 眩しいほどの「青色」ですが、「緑色」を「青色」と呼ぶようになると、それは老化の始まりと指摘されたことがあります。しかし、まあ、無粋な真似はおよしましょう。

 青空と新緑の青さが強烈なまでにビビッドな色合いですので、今回は、フィルムメーカーの富士フイルムのデジタルカメラで記録してみました。フィルムメーカーといえば、国産でいえば、コニカが写真フィルムを製造し、デジカメ黎明期には、デジタルカメラを製造しておりました。しかし、あれよあれよというまにミノルタと合併し、気がついたらカメラ製造から撤退してしまいました。富士フイルムのみが写真フィルムを製造し、そしてフィルムカメラからデジタルカメラまで一貫している唯一のメーカーとなってしまったことに、時の流れを感じずにはいられません。

2003年の310万画素


 やはり2003年製ですから、レスポンスは現在のカメラに比べるとスローなのですが、光学3倍ズーム(35mmフィルムカメラ換算で38mm-114mm)、露出補正可能なマニュアル撮影(という名前のプログラムオートですが)、そして使いやすカード(xDピクチャーカードというのも、すでに「レトロ」ですが)への更新など、現在のコンパクトデジタルカメラの基礎的な部分が集約されたカメラという印象です。

 当時の平均的な画素数よりは攻めており、310万画素1/2.7型スーパーCCDハニカムで、富士フイルムは、信号処理で、有効画素数310万画素でありながら記録画素数が600万画素の出力が出来ると豪語しておりましたが、まあこれは少々控えめがよろしいかと。ともあれ、300万画素よりはちょい上等という感じでしょうか。

 基本的には、前モデルのマイナーチェンジになりますが、正方形のフォルムが使いにくいかなあと思いきや、なかなかフォールディングがよいことに驚いております。液晶が1.5型と小さいのが難ですが、これは同時代機だとほぼ同じスタイルですからいたしかたなしです。

 しかし、15年前のデジタルカメラがまだまだ元気で活用できるということは、壊れやすい電子デバイスが次々と更新されていく現在を考えるならば、機械として造りがよいのかも知れません

 さて、拙い写真ばかりですが、讃岐の「全部青い」をお楽しみくださればと思います。

ということで撮影データ。ISO200、プログラム撮影、ホワイトバランスオート、画像は6Mで保存。撮影は2019年4月20日~27日。

氏家法雄/独立研究者(組織神学/宗教学)。最近、地域再生の仕事にデビューしました。