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時機到来

今や言葉の意味や類語、用法などのほとんどは、ググればわかる。仕事でも、紙の辞典は使わずに執筆していた。

そんな暮らしを3年以上続けていたのだが、ふと気づいたのだ。
語彙力が少ない、と。

知り得たことをわかりやすくまとめるのはそこそこできても、言葉を上手に使いこなせてはいるわけではないんだよなぁと改めて思う。

個人的な見解だが、書くことを上達させる方法は、絵を上達させる方法と非常に似ていると思っているので、絵を描きまくっていた予備校時代を思い出してみる。

その頃は、もっとうまくなるために、
・沢山の絵に触れること
・いいと思う絵を真似してみること
・対象をよく観察すること
・アウトプット中に何かしらの気づきを得ること
・時間内には一旦完成させる事
・毎日練習すること
ここら辺はやっていたと思う。

これを書くことに当てはめて省みてみると、インプットの質に問題があるのは明らかだ。私はビジネス書や学術書はそれなりに読むが(しかもKindleで)、エッセイや小説をこの数年あまり読んでこなかったように思う。言葉の語彙力や表現力が足りないように思うのは、普段のインプットの対象が情報を伝えるためにシンプルに書かれているものばかりで、私が求める表現力が備わっていないからだ。

表現の源には感情や感覚がある。言葉をインプットする際もなるべく五感を働かせながらやってみよう。そう考えて、四字熟語ブログを書くために、わざわざ紙の辞典を買ってみた。1ヶ月近く、毎日のように辞典をペラペラめくっていると、紙の辞典もなかなか悪くないと気づく。読んでいると新しい言葉を知ることができるし、知った文字をマーカーで塗っておけば読み返した時に復習できる。

エッセイなども読むようになったので、知らない四字熟語が出てきたらなるべく紙の時点で調べるようになった。

そうやって紙の本や辞典に親しむうちに、ふと全く使っていなかった辞書の存在を思い出し、「てにをは辞典」と「表現読解国語辞典」を引っ張り出してみた。ライター養成講座に通っていた頃に買って、そのままにしていたものだ。

この2つの辞典、なぜ使っていなかったというと、恥ずかしながら使い方がよくわからなかったのだ。この2つは普通の辞典とちょっと違っていて、知らない言葉の意味を調べるというよりも、言葉の使い方を調べる役割の方が大きい。

けれど言葉の使い方を知るのなら、ググった方が早い。そしてすぐにその用法を使って書くことができる。ただ、言葉の知識が広がることはあまりなかったように思う。

ある程度四字熟語辞典を使いこなせるようになった今、改めて「てにをは辞典」と「表現読解国語辞典」をパラパラめくってみると、今なら使いこなせるかもしれないと思う。こうして4年目にして初めてレギュラー入りした辞典たち。時期到来とはこのことだ。


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