美大生のアイデアはどこからやってくるのかという話

先日、ITOさんが面白いnoteをあげていました。

デッサンによってものを見る目が鍛えられており、細かく観察した各要素を組み合わせたり再構築する思考プロセスが身についているから、美大生はバンバンアイデアが出るのではという話です。とても面白い考察なのでぜひ読んで欲しいのですが、元美大生としては僕は少し違う意見です。

誰も知らない美大生のインプット力の凄さ

美大生しかりデザイナーしかり、いつもアウトプットにばかり注目されがちですが、実は彼らはとても凄いインプット力も持っています。「好きこそものの上手なれ」といった言葉がありますが、その言葉の通り彼らのインプットつまり知識の質や量には驚かされることがよくあります。つまり、デザインやアートに関する知識だけでなく音楽や映画、サブカルチャーなど様々なことを広く深く知っている人が大変多いのです。僕の友人でも、映画「魔女の宅急便」のセリフを冒頭からそらで言える人、文字を見ただけでなんのフォントを使ってるかわかる人など、クレイジーな人が沢山いたように思います。

アイデアを出すためには、その元ネタになるものが必要になります。当然、元ネタの量や種類が多い方がアイデアを出すには有利に働くでしょう。そういった意味で、幅広い事柄に興味を持てる。一度興味を持ったことには広く深く知識を吸収できるというインプットの力は、アイデアを出す能力を育てる土壌として非常に重要な力なのだと思います。

毎日が発想力を育てるトレーニング

もう一つ特徴的なのは、アイデアを出すトレーニングの様なことを受験生の頃から大学を卒業するまで、ずっと求められる点です。美大生は常に制作課題との戦いです。その課題の基礎にあるのは「伝えたいことをどのように表現するか」という問いです。つまり、どのように表現すれば自分の言いたいことが第三者に伝わるか、常に表現方法について考え何度もトライアンドエラーをすることを要求されるのです。

また、他の人のアイデアを見る機会が多いというのもアイデア脳を作るには有効だと思います。いい意味で美術大学というのは「ぶっ飛んだ」人たちの集まりです。発想にブレーキをかけることを知りません。自分では躊躇していたアイデアや思いつかなかった様な視点のアイデアを毎日見ることで、リミッターが外れると言うか、よりダイナミックで多様な視点を持ったアイデアを考えることができるようになるのではないでしょうか。

もちろん、美大生全員がアイデアマンではない

ここまで色々と書いてきましたが、もちろん全ての美大生が凄い発想力を持っているわけでもありません。また、美術大学も大学や学科によって授業の内容も学生の特徴も全く違うので、一概に上記のようなことが言えるわけでもありません。あくまで個人的な感想の範囲でまとめてみました。ただ、いつも不思議な超能力を持った人達のように扱われる美大生やデザイナーも、蓋を開けてみればちゃんと超能力を得るだけの過程を踏んでいるのです。発想力をつけたい、アイデアを出せる頭になりたいと思っている人は、美大生やデザイナーの習慣を参考にしてみるのもよいかもしれませんね。


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竹内 裕和

#デザイン 記事まとめ

デザイン系の記事を収集してまとめるマガジン。ハッシュタグ #デザイン のついた記事などをチェックしています。広告プロモーションがメインのものは、基本的にはNGの方向で運用します。
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コメント3件

ご紹介ありがとうございます!なるほど、他の人たちよりも豊富で濃密なインプットをしているのも美大生の発想を支えているんですね。確かに僕の美大出身の友人たちもそうした人たちが多いです、勉強になりました!
いえいえ、こちらも楽しく読ませていただきました。何かのご参考になれば何よりです。
僕の会社の美大出身のディレクターも、何でそんなことまで知ってんの?と言うくらい知識人です。その事は、アイデア出しだけでなく、コミュニケーション力にもつながっていると思います。例えば、日本の土地土地の知識があれば、その土地出身の人と繋がることができます。自分が持っている知識の引き出しって、AIの発達で重要視されなくなっていますが、むしろこれからも大事だと思うんですよね。とても参考になりました。
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