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【BTC市場分析】ハッシュレートは値動きへ影響するか?

UKIです。短期集中連載中です。

本日未明BTC価格が急落し、BitMEXでは$8000近くの安値を付けました。執筆中の現在も大きなリバウンドは発生しておらず、$8500台を力なく推移しています。遡ること1日、ビットコインのハッシュレートが大きく下落してマイナーの動向や値動きとの因果性に注目が集まりました。今回はデータ面からハッシュレートと値動きの関係を丸裸にします。

ハッシュレートを観察する

ハッシュレートとビットコインの価格推移です(下図)。

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ハッシュレートはかなりノイジーなので、少し詳細に観察を進めます。
まずはハッシューレートの前日からの変化分を観察します(下図)。昨日の下落は日次(日本時間9:00時点のデータ)でみると、この2年間で2番目の下落率でした。ヒストグラムのほぼ下限となっており、このレベルの下落が起こるのは頻度はおよそ1%以下だと思われます。

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まだまだノイジーなので、次はFFT(フーリエ変換)を掛けて周期性を確認してみます(下図)。これを見ると、4日周期での変動が最もスペクトルが大きいようです。難易度調整周期である14日前後には大きなスペクトルが観測されませんでしたので、難易度調整をターゲットとしたマイナーのハッシュ調整はないと考えています。

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ハッシュレートと値動きの関係

では本題である、ハッシュレートと値動きの関係を見ていきます。
まずはハッシュレートと値動きの日次変化率に対して、先行遅行性がないか確認します(下図)。結論として、ハッシュレートとビットコインの価格は、日次レベルでの先行遅行関係は存在しません。

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念のため、ハッシュレートが急落した場合(▲20%以上の急落)にビットコインをショートしたときのバランスカーブを確認してみます(下図)。試行数も少なく有意性も判断できないため、ハッシュレート下落に乗じたショート仕掛けは現段階ではとても勧めることはできません。

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最後にさらに長期の傾向を見てみます(下図)。以下はハッシュレートに基づいた、週次、月次のトレードです。ハッシュレートに順張りです(ハッシュレートが上昇しているときはロング、下落しているときはショート)。これを見ると、週次では殆ど改善効果はありませんが、月次になるとハッシュウォー時の下落は上手く回避できていることが分かります。

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まとめ

今回の検証から、局所的なハッシュレートの変化はビットコインの価格に影響を及ぼすものではないと考えています。ハッシュレートの見方としては、短期的なノイズを無視して長期的な水準の変化を観察すべきだと考えています。1000文字程度の短いレポートになってしまいましたが、今回はこれで終わりです。