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「あの頃は若かった」

「そんなに短くしたことあるんですか?」
「…ないです、」
「えー、短くする理由あるんですかー?」
「…いや、なんもないです」
「えー、髪の毛短くするのに理由ない人なんていないですよー本当にないんですかー??」
「…ないです」
「えーそんなー」


この人はこんな会話を何度しているのだろうか。
1人でいる時、声を掛けられることが不得意。それは人に対するスイッチを完全に切っているからである。恐らく。それは誰に対してもきっと変わらないことである。
「隣の席空いてますか」と言われたら返事がまず出来ない。声が出せない、頭が回らない。3秒ぐらい経ってからヘドバンと見間違えるぐらい大きく首を何度も振る。本当にこれが精一杯。会話どころか対人が無理なのである。冒頭に会話として載せたように髪を切る時も例外ではない。緊張している訳でもない。まぁそれ以来髪を切りに行かなくなった、いや、行けなくなった。会話ができないから。自分で、自分の思い通りに切る、これが幸せ。話すこと、考えること、伝えることが出来ないのであれば自分でやるしかない。そして失敗したら諦めがつく。常に頭の中は真っ白。何も考えていない。

美容院で、その「髪の毛短くするのに理由ない人なんていないですよー」と言われた時
「そうか、いない人なんだ」と思ってしまった。
言葉をネガティブに捉えることは本当に得意である。多分その方が人生は上手く回る。

いつも下を向いて歩いている。前を向いていたら怖くなる。なにかと目線が合っている気がする、そんな気もする。普通に下向いて歩いてる時は人間としてのスイッチが切れている、ただそれだけである、そう思う。何を言ってんだか、そしたら常に切れているじゃないか。




久しぶりにそんなことを考える、今
それは寒い部屋でこれを書いてるから足が冷えている、電波が悪い、皿洗いが残っている

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