浮世絵の絵具ー細工紅①

江戸時代のオリジナルの浮世絵の赤は紅花から作られています。紅花は当時色々な用途に使われており、純度の高いものは口紅に、それより純度の低いものが浮世絵の絵具などに使われました。
浮世絵などに使われた純度の低いものを細工紅といいます。純度が低いといっても高価な絵具で文献には「惜しむこと金の如く」、「紅は親方が摺る」といった記述が見られます。
江戸時代以後化学性顔料がとって代わるようになり永らく市場からは消えていましたが、近年になって東京の紅屋さんで再生産されるようになりました→「株式会社 伊勢半本店」http://www.isehanhonten.co.jp/products/saiku.html
現在でも高価な絵具で10グラムで一万円以上しますが化学性の絵具とは似て非なるもので本当の復刻には欠かせません。(残念ながら、現在復刻に携わる摺師の間で使う人はいません。)

使用時は鳥梅(梅の燻製)を水に浸して得る酸液で溶きます。水分を含んだ状態だと保存が効かないためその都度使う分だけ作ります。

2017.8.9

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