浮世絵の絵具ー細工紅④

復刻春画「蛸と海女」は紅絵具も自分で作りました。思ったより上手く出来ましたが、細かいデータはまだ確かなものが分からず、詳しくは次回にし今回は概説だけ説明します。
1 紅花餅100gを2日2晩水に浸けます。

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2木綿布に紅花餅をくるみ絞ります。黄色の液が出ます。(この絞り汁は使いません。)どれくらい絞れば良いかはまだ掴めていません。

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3前日の晩より木灰と水を混ぜて灰汁の準備をしときます。町田市大賀藕絲館から教えて貰った作り方は炭酸カリウムを用いる方法でしたが、化学薬品は使いたくなかったので昔ながらの木灰でやろうと思いました。

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4上澄みに出来た灰汁を紅花餅にかけます。

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今回は木灰の準備の際上部より2センチ位高く水を張り、出来上がった灰汁を紅花餅にかけてからは15時間位放置しました。木灰を用いる際のデータは今後の研究課題になります。

5木綿布に入れて絞ると赤い液体が出てきます。灰汁は強アルカリ性のためゴム手袋が必要です。

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絞ったら再度灰汁をかけ絞るを繰り返し液を溜めていきます。絞り汁は段々黄色味を増して行きます。最初の方の赤色色素が多いものが口紅用に黄色色素が多くなってきたものが絵具用に使われたそうです。なのでどこまで絞って黄色色素を含ませるかが絵具を作る際のポイントになります。これも今後の研究課題です。

6絞って集めた液体を濾します。
紅花餅の繊維カスが結構入っています。

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7液体に米酢を入れて数分すると赤い粒子が発生します。

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8ざる等(写真は植木鉢に丸めた和紙を敷き詰めた物を使っています。)の上に木綿布を敷き液体を流し込んで乾かせば完成です。

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細工紅は(ウコンも)光に弱くまた水分を含んだ状態でも変色しやすくなります。
作る際や保管の際はその点も注意が必要です。

2019.1.2

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