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三代目大谷鬼次の江戸兵衛

1分でわかる浮世絵シリーズ⑥簡単鑑賞-1


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こちらの一枚
浮世絵で最も有名な1枚でしょうか?

題名は知らなくても見たことある方
多いと思います。
CMに使われていたり、
お笑いのイメージで使われていたり^^

馴染みのある作品。

役者絵です。
歌舞伎役者さんの役どころ。

この作品は


「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」(さんだいめおおたにおにじのえどべい)

寛政6年 1794年 5月 

東洲斎写楽の28枚の鮮烈デビューの中の1枚

どんなふうに見えますか?

悪だくみ中です。
今まさにお金を奪おうとしているところ。

顔の表情と不気味な小さな手。
固く結んだ口元に意地悪さも感じてしまう。。

悪者です。

誰からお金を取るの?
というと、、

こちらの方から。

市川男女蔵の奴一平
(いちかわおめぞうのやっこいっぺい)

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東洲斎写楽 寛政6年 1794年
鮮烈デビューの内の1枚

腰が引けて、腰の刀に手をかけているところ。
取られてなるものか!
と思ってるけど、ちょっと弱気な感じがしませんか?


こちらの二作品は対。

「恋女房染分手綱」(こいにょうぼうそめわけたづな)の中の
1場面。

場所は四条河原。
奴一平が主から身受けするお金を預かって届けようとするところに
現れた一味の中の江戸兵衛。
緊迫した場面の二人です。

お話の中ではわき役。
けれど、写楽は印象的に描いています。
江戸の人々はどのように思ってみていたのでしょうね。
主人公ではなくても、味のあるこの二人。

あなたには
どのように見えるでしょうか?



こちらの作品の特徴は

「大首絵」という上半身クローズアップです。
この大首絵の手法は喜多川歌麿が始めたもの。

背景のグレーは
黒雲母摺りという高価な摺りになっています。
実際に見るときらきら光って見えます。
ぜひ!実際に見て欲しい~~~!!!


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東京国立博物館蔵

「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」
東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく)
寛政6年(1794年)

「市川男女蔵の奴一平」
東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく)
寛政6年(1794年)

出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/)

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